オリジナル連載小説

なぜ、私はこんなにも苦しんでいるのだろうか

この状況を言葉にするのは難しいが簡単に、すごく簡単に説明すると今の私はとても苦しんでいる。

くっ苦しい…

ハッハッ、ハッハッ…

胸がどんどん、どんどん苦しくなっていく。それからなんだか心まで苦しくなったような寂しい感情とは違った寒い、冷たい感じがしてきてまた一段と苦しくなっていく。

けれど、苦しいが私はこの自分の足を一歩一歩進めなければならない。どうしても達成したい目的のために。

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【連載小説】 コネクト #3

東京

 中央線の帰宅ラッシュは最悪だ。空気が薄く息苦しい上に、満員の車両に押し込まれている人々が発する体臭、香水に汗やタバコ、酒の匂いなんかが入り混り、余計に息が詰まる。

 ヒカリは自分と変わらない位大きいギターケースを両腕で抱えながら目を瞑り、ただ時間が早く過ぎるのを待っていた。

 一緒にいるバンドメンバーのジョーに目をやると、彼はベースを入れたケースの上に自分の両腕を置き、文庫本を読んで

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途中経過を省略してお送りしています_レポート_錦麗奈18歳

市役所から届いた書類を見て、麗奈は首を傾げた。

何か忘れていた手続きがあったかな。

高校を卒業し、志望大学に合格した麗奈は念願の一人暮らしを始めることに成功していた。親元を離れ、地元を離れ、誰も自分を知らない世界で、新しくスタートするために。
東北地方の自然豊かな大学を志望大として選んだときはまわりから、不思議な目で見られ、反対されもしたが、麗奈は頑として譲らなかった。勉強だけに集中した。周り

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脱却を図る

学校への道のりは危険がいっぱいだ。誰にも会わずに学校に行くのは至難の業。
それを6年と2年弱ほど極めた麗奈にとっても難しいことだ。
挨拶をしたくない。同じ学校に通う人間と会うこと、同じところに住んでいる人間と会うことが嫌なのだ。
麗奈の声は小さい。
声をかけられたらたまったものじゃない。
声を出せるかどうかわからない。そしたらまた、学校であいつは無愛想だとか、人のことを無視する性格の悪い女とか言わ

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ちゃねりんぐ5

※※※

カーテンの隙間から降り注ぐ光とスマホのアラームで目が覚める。ちょうど時計は午前6時すぎを指していた。

手にはスマホが握られたまま、昨日の夜と同じ姿勢で眠っていたのだ。

シャワーも浴びてない。
化粧も落としていない。
スマホの充電もしてない。

失敗したな。といつもなら思うところなのに、今日はなぜだかすがすがしいくらいに気分がよかった。
久しぶりにちゃんと眠ることができたみたいに体は軽

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チャネリング4

夜寝る前に見た動画のせいであろうか。

純はオカルトや宇宙人は信じていないが、怖い話は好きだ。

仕事が終わって家に帰り、のんびりと動画サイトで様々な動画を検索するときに、よく探してしまうのが、怖い話。

幽霊でもシリアルキラーでも宇宙人でも、古代の風習でも何でもいい。

もしかしたらあるかもしれないと思えるくらいの現実味のある話。そういうものを見るとこのつまらない世界の中でももしかしたら、不思議

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チャネリング3

※※※

その男と現実で会ったのは通勤途中のことだ。

ふり絞るような蝉の声が鳴り響く歩道を自転車を鳴らしながら漕いでいく。
ところどころ凸凹と盛り上がり、さらに少し坂道を汗を垂らしながらじりじり進む。
横断歩道に差し掛かり、自転車を降りる。
ほっと少し息を吐き、横断歩道を渡ろうとしたときだった。

横断歩道のちょうど真ん中に男が一人立っている。

黒いシャツにくたびれたジーンズ。
顔を見るとアー

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【連載小説】「青く、きらめく」Vol.10 第二章 海の章

キャンパスからの帰り道は、うっすらと雨で濡れている。土ぼこりが濡れた、雨の日の匂い。マリは、時折ふきつける風に、舞い上がる髪を抑えながら、とぼとぼと帰路をたどる。

 何だか、今回の脚本は胸騒ぎがした。雨を降らせた雲が、北のぼりに形を変えて空を急いでいく。
 前回の舞台ではヒロイン的な役は自分に回って来た。希望と、推薦と、台本を書いた人の意向と。役を決めるのには決まりがないが、それゆえに、カケルが

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【連載小説】「青く、きらめく」Vol.9 第二章 海の章

「何か、用?」
 この人だ。ひと目見て、すぐ分かった。きびすを返そうと思っていたマリは、じっとカケルの顔を見たまま、黙って劇団のビラを差し出した。
「これをもらって。見に来ました」
「ああ」
 カケルは、一瞬ビラに目を落とすと、再びマリの顔を見た。怪げんそうな顔が、少しだけやわらいだ。
「入りなよ。もうすぐ新歓公演だけど。練習見ていく?」
 マリは、こっくりうなずいた。

 入学前から、自分はカケ

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【連載小説】「青く、きらめく」Vol.8 第二章 海の章

二、海の章

 自分の部屋のドアをくぐると、マリはパタン、と後ろ手で扉を閉めた。いつもの見慣れた部屋が、まるで違う場所にみたいに目に映る。
 ほっとひとつ、肩で息をする。体がほどける。次の瞬間、マリは小さな子どものようにベッドに飛び込み、クッションを抱きしめた。
――キスをした。カケルと、キスをした。
 望んでいたような、望んでいなかったような。抑えきれない感情は、不思議な泡となってマリの胸に押し

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