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零細企業の人件費削減は、破滅の第一歩

零細企業を経営していると、同じく零細企業の経営者と話をする機会があります。

そんな中で、すごく大切なことに気付きました。

それは、業績が悪い時こそ人を雇わないと、窮地を脱せないということです。

零細企業の経営者は自分でやりすぎ

零細企業あるあるですが、業績が悪くなると人件費を削減して、経営社自らが現場に立ってしまうことがあります。

これでは会社の舵取りをする者が不在になってしまいます。

私は3年前に株式譲渡を受けましたが、前オーナーは経営者でありながら、毎日店頭で販売員として業務をしていました。

閉店作業が完了する20時ごろまではまとまった時間がとれず、朝は8時ごろには開店作業を始めます

食事、睡眠、風呂などを考慮すると、業績を上げるために思索できる時間は3時間程度しかありません。

結果、会社の業績は年々悪化し、さながら沈みゆく泥舟でした。

前オーナーは裕福な方でしたので、毎年自腹で赤字を補填していましたが、普通は倒産しています。

本来なら販売は従業員に任せ、自分は会社を立て直すための青写真を描くことに専念しなければなりません。

赤字が膨らんでいる時に人件費をかけたくない気持ちはとてもよくわかります。

ですが、経営者が時間の切り売りをしている限り、業績が上向くことはありません。

私が会社を譲り受けた当時はかなり厳しい業績でしたが、それでも私は絶対に現場に立たず、新たにスタッフを採用しました。

もちろん会社に人を雇うお金などありませんでしたので、ポケットマネーで賄いました。

結果、2年で単月黒字化まで回復しましたが、もしあの時私が人件費をケチって現場作業を巻き取っていたら、今でも赤字に苦しんでいたことでしょう。

リスク分散のためにも、現場に立ってはいけない

もう一つ、業績以外の面でも、経営者が現場仕事をやってしまうことのデメリットがあります。

それは、自分がいない時に業務が回らなくなってしまうリスクです。

経営者が現場に立つことで成り立っている会社は、経営者が欠けると当然成り立ちません。

経営者が体調を崩して現場に立てなくなった時、従業員がその分まで業務をこなせるでしょうか。

仮にこなせたとしても、従業員に不満が募るのは間違いありません。

ですから、そういう意味でも会社は経営者がいない現場に慣れておかないといけないのです。

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