【掌編小説】夕暮れ公園での約束
「これ、チョコチップクッキー」
「お、ありがとう」
今日も一花は俺にクッキーを焼いて持って来た。はい、と渡されて俺はいつものようにそれを受け取る。そう、いつものように。これで、ちょうど一週間目だ。一花が俺に何かしらのクッキーを焼いて持って来るようになって。
最初は、突然だった。普段、メールなんてして来ない一花がくれた、一通のメール。
“樹の家の近くの公園で待ってます”
何だ急にと思って行ってみたら、夕暮れに染まった公園で一花が待っていた。そこで、はいと渡されたオレン