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シン・育児 #1“児再対、始動”

荒れた部屋。
四散した服。
倒れ込む人。
響き渡る雄叫び。

その怪獣は唸り声を響かせながらベビーサークルを押し倒し、
一歩一歩床を叩きしめながらリビングに向かっていく。
その後には、ミルクとお粥の吐き戻しが長い尾を引いている。

1枚のティッシュが宙に舞った。
また1枚。
もう1枚。
もう1枚、っえ?
また1、ってアカンアカン!!


これはこの国を揺るがす大問題、「育児」に関する連載である。
育児とは読んで字のごとく、児童を育てる活動のことだ。

巷には育児に関する情報が溢れている。
やさしく見まもる子育て
おいしく楽しい離乳食入門
パパでもできる ハッピー育児

こんなセリフもよく聞く。
「ママがストレスを溜めないのが大事だよ」
「初めてでも大丈夫。すぐ慣れるから」
「お父さんのこまめなサポートが鍵」

どれも「育児」という世界が醸し出すやさしくも温かい雰囲気が伝わってくる。
力を抜いて、リラックス。
赤ちゃんはとっても可愛いんだから!

・・・

しかし。しかしである。
私はどうも違和感があった。そのトーンと世界観に。
理由は1つ。
はっきりといわせてもらう。

育児は“戦場”だからだ!

真夜中の悲鳴に叩き起こされ、
頭痛と戦いながら哺乳瓶をぐるぐる回し、
やっとこさミルクが冷めたと思ったら軽やかな寝息に目が回り、
朝日が昇ると鳥のさえずりはベッドのギシギシ音に掻き消され、
眠気まなこで作ったパン粥は床に飛び散り、
畳んだそばからタオルは引き倒され、
ゲージに入れれば悲鳴に責められ、
ゲージから出せばスマホをかじられ、
ベビーカーには乗車を拒否られ、
30分のスクワットでやっとたて始めた寝息は、
宅急便のチャイムによって無情にも絶叫へと変わる。
そしてふと時計を見て絶望する。
まだ10時かよ。。。

映画「ハクソーリッジ」より 毎日こんな感じである

これを“戦場“と言わずなんと言う。
日本中のママとパパは今日も戦場で必死に戦っている。

かつての戦いには“祖父母”という名の強い味方がいたらしい。
また、“近所付き合い“という太い情報と戦力供給網もあったらしい。
しかも“右肩上がりの給与”という尽きない武器弾薬の補給まであったという。

しかし、その時代は終わった。
今日も多くの前戦では孤独な消耗戦、ジリ貧の持久戦が強いられている。

少ない火力と人員の前では、赤ちゃんは巨大怪獣に等しい。
その絶叫、その体力、その進化スピード、その予測不能性。
まさにシン・ゴジラである。

ならばこちらも、
時に重篤な病や家庭生活の崩壊さえ招きかねない育児という大問題に対して、
矢口蘭堂率いるゴジラ対策チーム“巨災対“のようなブログを作ろうではないか。
さしずめ“児童育成社会再構築特設対策本部“。
略して“児再対“!

映画「シン・ゴジラ」より 巨災対のメンバー

このブログでは週1〜2本のペースで我が家庭が日々直面する、
・育児の問題と解決に向けた行動(戦略と結果)
・役立った情報(武器弾薬の提供)
・環境への意見(現場の悲痛な叫び)
をストレートに発信していきたい。

「辛いけど気持ちで頑張る!」といった私の感情を書くつもりはない。
問題の解決につながる具体的な情報と思考、提言を発信できるよう努力する。

ちなみに私は男性であり、映画・特撮・軍事オタクである。
「赤ちゃんをゴジラ扱いするなんてひどい!」
「育児を軍事に見立てるなんて野蛮!」
そんな方は、ダイバーシティの時代の1つの視点としてどうかご容赦願いたい。

我が家の状況は、
・私、妻、息子(9ヶ月)の3人家族。
・両家の両親は遠方、近所に子育て世帯なし。
・息子は口唇口蓋裂(片側)。
・妻は育休中。私はこの4月から離職中(このあたりの事情は今後の連載でUPしていきたい)。
こんな感じだ。

最後に。
その絶叫で私の鼓膜を破壊しようとする我が息子にミルを与えた途端、
見事に鎮静化した様を見て「シン・ゴジラの血液凝固剤かよ」というツッコミが思わず漏れた。
このブログの、このコンセプトはその時生まれた。

私自身、日々の実情を綴ることで厳しい現実と戦う糧を得ていきたい。

この国はまだまだやれる。そう感じるよ。

映画「シン・ゴジラ」より 矢口蘭堂


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