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なつの栞㉔ ごくごく飲んだ魔法の水

8月初日、お昼頃から暗雲が立ち込め、強い風が吹き、大粒の激しい雨が降りました。
気温も-10℃程、急下降して、22℃台とかなり涼しく、過ごしやくなりました。
台風6号の影響によるらしいですが、本日は、また、猛暑日です。

そんな猛暑日に、お友達と氷の入ったお水を飲んでいた時、「今までに、一番美味しいと感じたお水」の話になりました。

私の田舎には、水道もありますが、山の湧き水を引いて、飲料水として、利用していました。
小学生の頃です。冷たくて、氷いらず。全くクセもなく、口あたりがよい、山の湧き水を息もつかずに、一気に飲み干し、飲み終わった後は「美味しい、やっぱりこの水」と言って、息もつかずに飲んだので、息がハーハーしていた記憶があります。

友達は、東京23区に住み、40年以上前の小学生だった頃の、夏の思い出を語りだしました。
「一生懸命に頑張った、夏の体育の授業の後に、物凄い喉の乾きに襲われ、校庭の水道の蛇口から出る水を、ごくごく飲んだのよ。冷たいわけでも、特別なものでもない、普通の蛇口の水。その時のお水が、今までの人生で一番美味しかった。本当に美味しくて、今でも忘れられないの」と話しました。
私は、少しびっくりして「水道水でしょう?」と確認しました。

安心、安全(検査が厳しい)で好きなだけ、水道からお水が飲めるのは、日本だからだと言われます。
一方で「水道水は美味しくない!」とささやかれています。
飲料水用に、ミネラルウォーターを、購入している人もいます。

友達は、今までにも色々な美味しいお水を、飲んできていると思いますが、今だに「あの時の、小学校の校庭の蛇口の水が、一番美味しかった」と言えるのです。

そこには、水の味だけでなく、仲間と一緒に、蛇口を奪い合ったり、譲り合ったり、水を掛け合ったりと楽しかった思い出、色々な要素が重なって出来上がった、特別な「魔法の水」なのかも知れないと感じました。

友達のように、素晴らしい魔法の水を飲んで、何年か何十年後に「あの時のあの水は、一番美味しかった」と自信を持って言える「魔法の水」に出会いたいと願います。

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