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コーヒーにミルクを垂らし
スプーンでかき混ぜると
カップの中から声が聴こえてきた
「明日はゴミ出しの日だよ。」
うるさいなぁ分かってるよ
と思いながらカップを覗いてみると
超小型の牛が泳いでいる
スプーンで取り出してやると
小さくても豊満なおっぱいから
ミルクがぴゅるぴゅる出続けている
おっとトレーの外にこぼさないよう注意
すると 隣りの客がこっちを見て
「ああ、また牛が出ましたか。
私は家内に捨てさせましたよ。」と言う
「明日はゴミ出しの日だよ。」
牛は同じことを繰り返している
「それじゃあいったん持ち帰って
明日ゴミ収集場所に出すとしましょう。」
すると牛は急にミルクを止め
かなり焦った顔つきになって
「明日はゴミ出しの日じゃないよ。」
今度はそんなことを言い出した
私は聞えよがしに隣りの客に言った
「じゃあ明日はすき焼きの日ですなあ。」
「ほう、そりゃいいですなあ。」
「うわははははははは…」
顔を見合わせて大笑いしていると
牛はひと言「グスン」と呟いた
ごめん
冗談ですジョーダン



*月刊『ココア共和国』2023.1月号(電子版)
*マガジン:「コーヒーショップの物語」



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