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#エッセイ

一般論

一般論

先だってリハビリで療法士さんと雑談しながら改めて認識したのが、あらゆることは「人によって違う」こと。
ことばにすると当たり前のことだ。でも自分も無意識にひととの境界をなくしてしまうケースってけっこうあると思う。
そもそもは、同じ疾患であっても、年齢はもちろん、年齢が同じであってもそれまでのそのひとの生活態度によって、リハビリの効果は変わってくるという話をしていたのだった。
わたしもそうだろうなと思

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独身のお墓

独身のお墓

独りもんのお墓をどうするか問題。自分が独身なだけで墓(家系)の継承者がいればご先祖様が入っているお墓に入ればいいのかもしれないけど、うちの場合きょうだいも独身で子がおらず、わたしたちが死んだあと、どころか老後の面倒すらもだれにも頼れない(ま、子がいるからって老後に頼ろうってのも迷惑な考えだが)。

ってことで今回の病気を機に、父方の祖父母と両親の名前(戒名)が刻まれている墓を永代供養にし、わたしは

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安楽死について

安楽死について

先だってなんの気なしに観た映画が意外にも衝撃的だった。

後期高齢者が自分の生死を自分で決めることができる制度が日本にできたという内容で、ディストピア感が半端なくてぞっとした。

実はわたしは長らく安楽死というものに漠然と賛成していた。
実際、病気の症状があまりにもつらすぎて、もう死にたいー殺してくれーと本気で思ったこともあった。そのときはなんで安楽死が日本ではできないのと思った。
でも、今は安楽

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ひとに頼ることと風土

ひとに頼ることと風土

ひとに頼るということについて、考えさせられることが同時にいくつかあった。
わたしはひとに頼ることがとても苦手で長年の課題なのだけど、未だにプライドなのか気遣いなのかはっきりしないものに邪魔されてクリアできていない。

今、西加奈子さんがカナダ滞在中に乳がんが発覚したときの話を読んでいるんだが、そのなかで友人たちが交代で食事をデリバリーしてくれるなど、色々な面で他人に助けられたという記載がある。

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削ぎ落とす

削ぎ落とす

シンプルが好きだ。
とか言うとかっこいいけど、わたしの場合人間性が超単純で、めんどくさがり屋で、バカ舌なため、実際にはシンプルに生きざるを得ないところがある。

とは言え、わたしだっていろいろ考えてんですよこう見えても。そこに至るプロセスの物語を端折って結論だけ話してしまうから、いかにも考えなしに決断したみたいに見えるらしいですけど、心外ですプンスカ。いや、わたしが悪いんだけど。

ほら、よく講

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傷つくことばなんてall or nothing

傷つくことばなんてall or nothing

がんになったことを友人に打ち明けたら、距離を置かれたみたいな話をよくネットで見る。
幸いわたしはそういうことはなく、むしろ今までより近くなった人もいる。初発のときもそうだった。
がん患者から離れていったひとは、おそらくどんなことばをかけていいかわからなくて、へたなこと言って傷つけたくなくて、悪く言えば逃げたんだと思う。

さて、がん患者が傷つくことばとして、賛否あるのが「大丈夫」らしい。

「大丈

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生活を楽にする

生活を楽にする

昔、知人の飲食店を少し手伝ったとき、暇だったから汚れた皿が出ると都度洗っていた。だけど、大将からまとめて洗ったほうが効率がいいと言われた。暇なんだからぼーっとしてるより少しでも片付けちゃった方がいいし、まとめてやるとなると閉店の準備と重なってばたばたするのにと思った。若かったから反論できなかったけど。

こういう思考の人って結構多くて、それが家庭でも汚れた食器が流しに溜まる原因になるんだと思う。調

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食うべし食うべし

食うべし食うべし

そんなに食い意地が張っている方ではないと思っていた。回転寿司でお皿をうず高く積み上げるほど食べるわけでもないし、箸上げ写真を撮ってSNSやブログに投稿するような食べ歩きが趣味な人間でもないし、同じものが続いても平気だし。

会社に出勤していた頃はランチは絶対に外で食べると決めていた。ずっとオフィスにいるのも息が詰まるし、ウォーキングもしたいし。
幸いなことに勤務先が東京、いや日本屈指の繁華街にある

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選択肢

選択肢

今、今後の人生に重大な影響を与えることについて、3つの選択肢のうちから1つ選ばなければならないという局面にある。

現在わたしは14年目にしてがんが再発したと診断されている。
その治療にあたり、限られた方法の中から医師が提案してくれた治療について同意のサインを保留にさせてもらっている。
提案されたのは以下の1なんだが、ゴネたら2と3も出てきた。

比較的新しい治療法で、奏功率は一番高いが、いくつか

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引っ越し

引っ越し

引っ越しである。去年の7月に引っ越したというのに何やっとんじゃいという感じではあるが、いろいろ事情があるのである。

今住んでいるところの名誉のために言うと、部屋は日当たりがよく床暖房も付いているから冬も暖かく、眺望も日の出が拝める程度にはよく、街としては買い物至便、緑も多く、客観的に見てよい街だと思う。

だけどもともと5年くらいしたら引っ越そうかなとは思っていた。なぜかといえば、高円寺・中野界

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サンドイッチと時代

サンドイッチと時代

朝の散歩兼買い物の途中で猛烈にお腹が空いたので、通りがかりのお店に入った。9時前から開いているお店は貴重。最近飲食店にしては比較的短時間の営業のお店が増えたけど、朝の7時や8時から開いているお店はチェーンのコーヒーショップなどを除いてまだまだ少ない。現代人は夜型の人間が多いからだろうか。

その通りがかりの店は、朝の時間帯はサンドイッチやピザトーストが食べられるようだった。ちょうどサンドイッチが食

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ただの日記

ただの日記

やっと土曜日。一週間が長い。忙しいと一週間はあっという間だったのが普通だったのに、最近は忙しくても暇でも一週間が長い。やだなーと思って生きているからだろうか。今ちょっといろんなことに対してイヤイヤ期熟年バージョン。

用事があれば動けるけど、用事がないと家に引きこもってしまう。今日(土曜日)はさして重要じゃないけどやらないといけないことがいくつかあったので、朝から出かける(といっても徒歩圏)。

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人のふり見て自分を理解する

人のふり見て自分を理解する

自分の性質について、多くのひとより劣っていそうなことについては自覚しやすいのだけど、優れていること、または優れているとは言わないまでもひとよりプラスの方向にあること(または過剰なこと)は自覚しにくい。

たとえばHSPを自認するひとが増えているけど、彼らはどうやって自分がHSPだとわかるんだろう? とふと思った。ひとのなにかに対する感じる量というのは他人にはわからないはずなのに、一般的にひとと比べ

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元気をもらうランチ

元気をもらうランチ

出勤した平日の昼食は必ず外食する。店の選択肢がかなり豊富なところに会社があるから、たぶん1年間毎日違うところで食べることができると思う。それなのに行く店はなんとなく限られて、そのあたりのローテンション+あんまり行かない店にたまに行ったり、新規開拓してみたりする。わたしのグーグルマップには気に入ってる店、今度行ってみような店などで旗がいっぱい立っている。

ランチのローテーションに含まれる店はおいし

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