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年の瀬の気仙沼市で神社喫茶と歩き納めを楽しむ|五十鈴茶房・五十鈴神社・観音寺・八日町商店街

歩き納めという言葉が存在するのか寡聞にして知らないが、本日を以て2023年が終わることは知っていたので、2023年最後の散策をすべく気仙沼市に向かった。

本noteが更新される度に読んでいる奇特な御方が存在するのかも分からないが、もしも居るのだとしたら「また気仙沼市なのか」「気仙沼市以外に散策できない呪いにでもかかっているのか」と思うかもしれない。思い返してみると、12月は毎週気仙沼市を訪れていたように思う。

  • 12/3:気仙沼の高校生MY PROJECT AWARD 2023

  • 12/10:アジアカフェ&nihongo cafe(以下記事参照)

  • 12/17:出張帰りに通過・立ち寄り

  • 12/24:太田地区の散策

  • 12/31:今回

めちゃくちゃ気仙沼市が好きな人のようである。個人的に、残りの人生を過ごす地域(転居先)を探しているが、気仙沼市は候補にしても良い気がするほどだ。毎週来訪していたことに今気付き、自分でも驚いている。ところで、なぜ気仙沼市を散策先に選んでいるのか? ほんの少しだけ理由がある。

以前書いた気がしなくなくなくないが、散策しようと思ったとき、気仙沼市が丁度良いのである。少なくとも大船渡市周辺で、散策可能範囲に見て楽しめる物や何らかの発見があり、そうした場所に駐車場を兼ね備えられているのは、実際のところ気仙沼市くらいしかない。

例えば大船渡市なんかを考えると、こぢんまりとした商圏に取り立てて見ても面白みがない商店が集まっている場所以外は住宅地という形でおよそ明確に区画が分かれており、散策したところで何ら楽しめる要素がないのである。

また大船渡市の場合、観光エリアと呼ばれるところは、散策するほどの距離もなく、車で行って少し歩いて終わり程度の場所に少し見て終わり程度の見せ物がある程度であり、やはり散策して楽しめる要素に欠ける。陸前高田市や釜石市にも同様のことが言える。そのため気仙沼市が最も丁度良い。

まして記事にすると考えたとき、気仙沼市以外はだいぶ厳しいものがある。勿論、歴史的な背景や文化・慣習、その他土地や住まう者達にまつわる四方山話を取り上げれば記事にできるだろう。それはどんな地域でも同様である。

だが、本noteはそうした細々とした情報をあまり考慮しない方針を取っており、加えてマニアックな層を読者として想定していない。そのため、どうしても気仙沼市に行き着くのである。

余談が長くなるのでここまでにするが、このような少し興味をそそられるくらいの要素が徒歩圏内に点在しており、散策して発見や楽しみを感じられるエリアマネジメントは、徒歩が前提となる観光客を楽しませる上で重要である。

いわゆるウォーカブルな街作りもその一種と言える(とはいえウォーカブルな街作りは生活者視点が強い)。その意味で気仙沼市は上手くできており、大船渡市・陸前高田市は失敗したのだと感じている。

※陸前高田市は、モビリティの強化でこの問題を対策している。大船渡市はモビリティを強化したとしてもこの問題を解消できない(エリアマネジメントで対策するしかなかったが、できなかった)

さて、そろそろ今回の主題に移ろう。


五十鈴神社で試験的に営業されたカフェ・五十鈴茶房

2023年の歩き納めに気仙沼市を選んだのにはもう一つ理由がある。

五十鈴神社の社務所を改装して試験的に営業していたカフェの試験営業期間の終わりが近づいていたからである。今後どうなるか分からないが、営業継続断念となった場合、来訪できるのは今日・明日が最後となる。最後となる可能性が1%でもある以上、訪れておくべきだと考えた。

内湾エリアの概略図※出典:Google MAP

五十鈴神社は、上図の①の位置にある。③が駐車場であるため、内湾をグルッと回った辺りとなる。ちなみに、①周辺は以前記事にしている。早いもので最も過去の記事から2年以上経過したようである。

②のエリアは、先週記事にしたエリアである。

なお、②の右斜め上の位置が以下の記事で取り上げたエリアである。

③の周辺についても記事にしている。

内湾エリア周辺だけでどれだけ記事を書いているのか、といった印象だが、それだけ散策に適したエリアという話である。大船渡市の中心市街地だとこうはいかない。

この1記事で概ねカバーできた印象を受ける。強いて追加するとすれば、湾港側だろうか。それでも2記事である。気仙沼市の内湾エリアから散策できる範囲については、まだ記事を追加できる可能性があるので、エリアマネジメントの及ぼす影響の大きさを感じずにいられない。

さて、五十鈴神社の話に戻そう。内湾エリアの店々の多くは、どうやら12月31日が休業期間らしく、どこもかしも閉まっており、結果的に非常に静寂が漂う世界が広がっていた。いつもうるさいわけでないが、さりとて新鮮な気分になった。

五十鈴茶房の案内板

神明崎に向かった先で、試験的に営業されているカフェの案内板を見つけた。とても親切である。そもそも看板がなければ気付けない可能性が高いと言ってはいけない。

石段
五十鈴神社

石段を登り、左手にある五十鈴神社を目にする。カフェはどこだろうかと首を左右に動かすと先ほどと同じ看板を右手に見つけた。

社務所を改装して喫茶店にしている

社務所を改装して試験的に営業しているため、ぱっと見では分かりにくいが、暖簾がかかっていたので、どうにか見つけることができた。一瞬迷ったので自身の方向音痴さを呪いそうになったが、冷静に考えて敷地の広さを思えば迷うはずがない。そこまで神懸かった方向音痴ではない……と信じたい。

カウンター
店内の様子
店内の片隅
窓際の席

店内は、和室そのものだった。社務所を改装したのだから当然と言えば当然なのかもしれないが、まさかここまで和室感あふれる世界が広がっているとは思っていなかったので面食らった。

スタッフに訊けば、店内に置かれている物の多くは市内で集められた古材をリメイクして創られたものらしい。人の手の温もりが感じられる数多くの備品に畳みが敷かれた空間が醸し出す穏やかさは格別で、とても好ましく感じられた。

栗入りのどら焼きと抹茶

個人的にとても好ましく感じられたのは和菓子と日本茶が取り入れられたメニューである。かねてより私は、日本茶を飲める喫茶店がないことを憂いていた。

そもそも来日する海外旅行者からも「日本の喫茶店なのに日本茶が飲めないのはなぜなのか」なんて声が出ていると耳にするほど、日本の喫茶店で日本茶が飲める店は少ない。そんな中、ようやく出会えた日本茶が飲める喫茶店である。試験営業というのだから、運命とは残酷としか言いようがない。

元々内湾エリアを見渡せる立地であるため、窓際の席から穏やかな内湾エリアを眺めつつ楽しめる和菓子と抹茶は格別だった。ちょっと一息つきたいときにまた来たい。心からそう感じずにいられないが、今後の営業が未知数である。その点は残念だった。

敷地内
浮見堂側に下りる階段
浮見堂を見下ろす構図

帰りは浮見道側を下りる。来た道を戻り、足取りを奥に進める。歩き納めを考えていたので、まだ入ったことのない道についても歩いて見たいと考えていた。だが、結論を先に言えば、想定していたより歩きすぎた。

今回歩いた道のり

五十鈴神社は右上である。今回元々想定したのは、中央下部の「文」が書かれている位置の手前までを見て帰ろうと考えていた。しかし、いざ歩いたところで「ここで戻るのもなあ」なんて考えてしまい、気付けば「どうして自分は年の瀬にこんなに歩いているのだろう……」と頭を抱える羽目に陥っていた。

在宅勤務のせいで運動不足になっており、確かに歩かなければいけない事情を抱えてはいる。しかしながら、まさか年の瀬に10km近く歩くとは思ってもみなかった。我ながら暇な中年である。年の暮れ、街行く人々はカップルや夫婦、子連れで年明けの準備をしているというのに、私は一体一人で何をしているのだろうか。

年の暮れに思い馳せながら観音寺と八日町商店街を歩く

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