yuurei

愛を。Instagram:@___yuurei_a

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最近の記事

ヒロイン

私はいつかヒロインになれる日が来るのだろうか。 少し前に落ち込んでいた時期があった。何かに焦っていたし、不眠症に近い状態だったのかもしれない。 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』に出てくるヒロイン、エリザベスのように昼も夜も働いた。 私はヒロインになんてなれないのに。 自分の起伏が激しいことは承知していて、落ちるときは予感がする。 落ちてしまうと自分でも手に負えない程にマインドコントロールが難しく、怒りや憎しみ、悲しさ、辛さ、理由が分からず涙が出る。 いや本当は分かってい

    • 朝のお茶会

      私がまだ幼かった頃、お盆やお正月は親戚、家族みんなで会津にある父方の祖父母の家に集まる習慣があった。 夜になると女性陣が台所に立ち、食事をつくり、男性軍はテレビを見ながらお酒を飲む。 兄は男性軍に混ざりテレビを見ながら笑い、私や従姉妹は台所に立った。 寝る前になるとお風呂に入り、炬燵を囲んでトランプをしたり人生ゲームをしたり笑いの絶えない時間が流れた。 早朝、目がさめると隣の部屋から小さな声が聞こえてきた。 襖を開けると母や祖母、叔母が炬燵を囲んで何やら楽しそうにおし

      • 愛だったこと。

        「私はもう死んでしまいました。風に乗ってやってくる季節の匂いも忘れてしまいました。そしてあの人も死んでしまいました。私を見るあの人の目つきはまるで死んだ魚のようになってしまいました。私への愛など今はこれっぽっちもありませんでした。」 と彼女は虚ろな目で私に言った。 「静寂な夜に落ちて、忘却していくことへの安心感を憶え、溶けていく時間に飲み込まれることに心地よさを抱いてしまうようになりました。何が真実で何が嘘など知る由もなく、ただ私は何かを信じたいという想いしかありません

        • summer vacation

          2018年の夏は私にとって学生最後の夏で 人生最後の夏休みのようなものだった。 私は上京してから5年間という年月を過ごしてきたが、夏になると何故かバイトに精を出してほぼ働いていた。 「身を粉にしてまで働く意味ってあるの?」 不意に友人に言われた。 自分の生活を壊してまで働く意味があるのかどうか。 今年の夏は今までの夏より家にいる時間が増えた気がする。 ネットサーフィンをしたり映画を観たり、画像を作ったり、昼間からビールを飲んだりした。 朝まで友人と飲み明かしたり、

        ヒロイン

          人のセックスを笑うな

          「みんな淋しいんだよ、みんな淋しいなら淋しいなんて言う意味なんてない。」 "人のセックスを笑うな"という映画は私が好きな邦画ランキングベスト3の1つで、この台詞がすごく好き。 人はみんな淋しい。 あなたも、わたしも。あの子もあの人も。 だから淋しいなんて言ってもどうしようも出来ない。 いつだってきっと人は淋しくて、何かを(もしくは誰かを)求めてる。 でもそれは一体何なのだろう。誰なんだろう。 セブンスターを映画館のベンチで。 ラジオから聞こえてくる心地良いangel。

          人のセックスを笑うな

          ラブレターのような

          彼の胸に鼻を押しつけて思い切り息を吸うと汗と柔軟剤の香りが混ざり合った甘く心地良い、人間らしい匂いがした。 それは私の鼻の奥から脳に通り、チョコレートを食べたような、脳が溶けていくような感覚がして、媚薬とはこのことかと気付いた。 “このままどこか2人で逃げてしまおうか。” 外では雨がしとしと降っていた。 “誰にも見つからない場所で、いつまでも2人で。” 雨はまだまだ止みそうにない。 冬が来て、春になり、夏が来ないままきっと秋になる。 そしてまた冬になって、少し大き

          ラブレターのような

          花のある食卓

          ジンにドライラベンダーを入れて。 最近はこのジンでジントニックを作る。 青山で行われていたイベントでドライラベンダーを購入した。 ラベンダーにもいくつか種類があるようで、その店の店主と相談しながら私は紫色の濃いラベンダーを選んだ。 家で飲むジントニックはラベンダーの心地よい香りがする。 優しい匂い。 花をみて楽しむのも良いけれど、自分だけの食卓に取り入れることも何だか風情があるなと感じる。 ジンのほかに白ワインビネガーにもつけてみた。 ビネガーの匂いが強いのでラベン

          花のある食卓

          風物詩のカクテル

          以前、三軒茶屋にあるバーで季節のフルーツカクテルを飲んだ。3軒目に立ち寄ったお店だったのでへべれけで注文したのだが、口にした途端この為に夏を生きているという感覚に陥った。 桃はこんなにも幸福な果物だったのか。 そのカクテルをずっと忘れることができずにいたところ、実家から桃が届いたので家にあるもので作ってみようと思い立った。 レシピは極簡単。 桃の皮を剥いて適当な大きさにカットする。 数時間冷凍庫に入れる。 ミキサーに凍った桃、白ワイン、レモン汁、パイナップルジュースを入れ

          風物詩のカクテル

          memory

          2018年いつの日かの夏 エッセイのようなポエムのような日記のような。 美味しい料理や愛してやまないお酒について、 または映画や小説に関することを 感ずるままに書こうと思います。 わたしがわたしで在るために。 何故あなたと出逢ったのか。ここに居るのか。 私は話すことが苦手なので 文字に起こして遺書のように残しておきたい。 みんな孤独だけれど、 1人では生きていけない世の中のために。 泣いても笑っても一度きりの人生。