エソラゴート

写真と映画と絵空事

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命より大切なもの

はたして「命より大切なものは何か」という問いは、「生きてるだけで丸儲け」と宣った某芸人にとって「イミフ」となるのか。 「生きてるだけで丸儲け」と宣われるのは、生…

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記録するカメラと記憶するカメラ

忙殺という口実を見つけ、クロノスの流れにカイロスを刻む努力から逃走する日々。 無理やりにでも歩かないといけない。 歩けないんじゃなくて歩かないだけなのも分かって…

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結局☆GR3

今さらかなぁ?と思いながら手に入れたGR3。 いつの間にか品薄状態に陥っていたGR3。 気がつくとHDFなるものが発売されたGR3。 GR3を購入するに至った理由は、長年愛用し…

エソラゴート
2週間前
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終焉に宿る永遠のいのち

私は、8㍉フィルムフェチの多くが廃虚フェチであることを信じて疑わない。 両者にみられる親和性の高さが雄弁に語っている。 8㍉フィルムと廃虚は、どちらも終焉を生きて…

エソラゴート
2週間前
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アナログとデジタルの邂逅

ラスト一本となった賞味期限切れのシングル8フィルム。 ついこないだまで近所の某家電量販店に売ってあったのに。 20年以上前にCanon518svを買って色々撮って遊んだ生き…

エソラゴート
2週間前
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フィルムフェチ8ミリマニア垂涎作品

市原隼人と上野樹里が織りなす岩井俊二風映像ヲタク映画 内容は忘却の彼方に飛翔していった。 今や私の記憶には、まるでウロボロスのごとく8ミリ関連の映像とトリビア話…

エソラゴート
2週間前
16

我執と依存と想起に彩られた無間地獄

「君の名は。」を観過ぎてお腹いっぱいになったところで、ふたたび秒速5センチメールに手を伸ばした。 毎回、貴樹の落ちぶれっぷりと明里のリア充ぶりの二項対立に己を当…

エソラゴート
2週間前
16

予告編で心掴まれて本編で魂揺さぶられる

男装した冨永愛こと草彅剛が、見事なトラジェンを演じた感動大作。 生きる意味や存在価値を見出せないまま、マイノリティな人生を歩んでいた草彅剛が、想定外の出会いによ…

エソラゴート
2週間前
17

ラーゲリより南極物語を込めて

とにもかくにもミセスのSoranjiが良かった映画。 実話をもとに創作されたシベリア抑留物語映画。 不本意極まりない現実を生きていく秘訣は、繰り返される理不尽な非日常…

エソラゴート
2週間前
16

踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

何年前のことだったろう・・・。 マーティン・スコセッシ監督が、ダニエル・デイ=ルイスを主演に遠藤周作の「沈黙」を映画化すると言うニュースを目にしたのは。 そして…

エソラゴート
2週間前
17

松たか子VS久米宏

岩井俊二監督の雰囲気オサレ青春微々胸キュン映画。 松たか子が初々しくて可愛いらしい。 江口洋介の織田信長が意外と似合っていた。 松たか子が通う、当時は架空の大学…

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2週間前
11

どこみてんのよ!

白石一文の小説は「ほかならぬ人へ」しか読んでいない。 ほかならぬ勝手なイメージで鑑賞したが、なんというか欲望の赴くままに食って寝てだべっての約2時間だった。 ほ…

エソラゴート
2週間前
13

“全米が泣いた”系は泣けないという説

4回泣けるという約束だったが、実際は1回泣けるかどうかの代物。 たとえるならば、厳選された高級食材を使っているにも関わらず、古くなった油で炒め安物の調味料をふん…

エソラゴート
2週間前
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ロック“エンターテイナー”ヴォーカリスト

中二の時に観た「アイアンイーグル」。 劇中で流れるQueenの「ONE VISION」に衝撃を受けた。 忘れもしない大学一年時、冬を思わせる冷たい秋雨が降る朝、その日の二限目の…

エソラゴート
2週間前
10

写真好きには物足りない胸キュン映画

何も考えず観れる胸キュン映画でキュン死するつもりだった。 とにかくストーリーなんぞどうでもよく絵面だけでチョイス。 どえらいテンポで胸キュン全開シーンが続くので…

エソラゴート
3週間前
13

ぼくはソロキャンパーと、フォクトレンダーの方が気になった

非定型テネット胸キュン映画。 初めから終わりに向かう男の子と終わりから始まりに向かっていく女の子の恋愛模様に・・・コーヒーが冷めるどころか飲めるほどの適温になる…

エソラゴート
3週間前
10
命より大切なもの

命より大切なもの

はたして「命より大切なものは何か」という問いは、「生きてるだけで丸儲け」と宣った某芸人にとって「イミフ」となるのか。

「生きてるだけで丸儲け」と宣われるのは、生きている意味や価値を見出している証拠。

つまり「生きてるだけで丸儲け」は、「命より大切なもの」を手に入れている人の戯言にすぎない。

五体満足で社会的・経済的にも何不自由なく生きている人の自死が、そのことを雄弁に物語っている。

で、「

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記録するカメラと記憶するカメラ

記録するカメラと記憶するカメラ

忙殺という口実を見つけ、クロノスの流れにカイロスを刻む努力から逃走する日々。

無理やりにでも歩かないといけない。
歩けないんじゃなくて歩かないだけなのも分かっている。
そんな怠惰な人生に、新しい息など吹き込まれるはずがない。

人生も指示待ち症候群。
いったい誰の指示だというのか。

淡々と過ぎていくクロノスを記録し続ける。
記憶すべきカイロスが訪れるまで。

結局☆GR3

結局☆GR3

今さらかなぁ?と思いながら手に入れたGR3。
いつの間にか品薄状態に陥っていたGR3。
気がつくとHDFなるものが発売されたGR3。

GR3を購入するに至った理由は、長年愛用していたiPhone11 Pro Maxのセンサーにゴミらしきものが付いたことだ。

何を撮っても写り込むセンサーゴミに、いよいよ萎えまくるようになったので、精神衛生上の判断から記録用ガジェットの新規参入を許すことにした。「

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終焉に宿る永遠のいのち

終焉に宿る永遠のいのち

私は、8㍉フィルムフェチの多くが廃虚フェチであることを信じて疑わない。

両者にみられる親和性の高さが雄弁に語っている。

8㍉フィルムと廃虚は、どちらも終焉を生きている点で共通している。

終焉を生きるというのは、いのちの終わりではなく新しいいのちの始まりを意味する。

それはいつまでも生きるいのちのことではなく、然りとて瞬間(いま)を生きるいのちでもない。

時間や空間に縛られない真の自由なの

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アナログとデジタルの邂逅

アナログとデジタルの邂逅

ラスト一本となった賞味期限切れのシングル8フィルム。

ついこないだまで近所の某家電量販店に売ってあったのに。

20年以上前にCanon518svを買って色々撮って遊んだ生きた化石。

今になってスーパー8にしなかったことを悔やむ。

後悔しても仕方ないので、残されたフィルムは使用せず、カメラと一緒にインテリアとして余生を送ってもらうことにした。

以前、撮った8㍉映像を福山マシャニキの「蛍」の

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フィルムフェチ8ミリマニア垂涎作品

フィルムフェチ8ミリマニア垂涎作品

市原隼人と上野樹里が織りなす岩井俊二風映像ヲタク映画

内容は忘却の彼方に飛翔していった。

今や私の記憶には、まるでウロボロスのごとく8ミリ関連の映像とトリビア話のみがエンドレスに流れているだけである。

そんな無責任な鑑賞しか出来なかったにも関わらず、相田〝ウインクの優しそうな方〟翔子のメンヘラ演技はとても印象に残っている。

あと樹里の盲目妹役として蒼井優もいい味を出していた。

しかしこの

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我執と依存と想起に彩られた無間地獄

我執と依存と想起に彩られた無間地獄

「君の名は。」を観過ぎてお腹いっぱいになったところで、ふたたび秒速5センチメールに手を伸ばした。

毎回、貴樹の落ちぶれっぷりと明里のリア充ぶりの二項対立に己を当てはめながら自己憐憫の沼に浸っている。

しかし今回は、理沙の「1000回にわたるメールのやり取りをしたとしても、心は1センチほどしか近づけなかった」とのセリフに、強い「結び」を感じずにはいられなかった。

今までサーファーの花苗推しだっ

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予告編で心掴まれて本編で魂揺さぶられる

予告編で心掴まれて本編で魂揺さぶられる

男装した冨永愛こと草彅剛が、見事なトラジェンを演じた感動大作。

生きる意味や存在価値を見出せないまま、マイノリティな人生を歩んでいた草彅剛が、想定外の出会いによって人格的に成長させられていくスピリチュアルロードムービー。

スマスマのコントにしか見えないと決めつけていたのだが、YouTubeで15分の予告を観たとき雷に打たれた。
恐るべし世界初の贅沢な予告編。

オカマの剛に預けられる親戚の娘「

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ラーゲリより南極物語を込めて

ラーゲリより南極物語を込めて

とにもかくにもミセスのSoranjiが良かった映画。

実話をもとに創作されたシベリア抑留物語映画。

不本意極まりない現実を生きていく秘訣は、繰り返される理不尽な非日常を日常化して過ごす基本スタンスと、理不尽な現状の先に用意されてある未来を生きる為の明確な目的をイメージ出来るか否かだという事を主人公のニノと不愉快な仲間から学ぶことができる映画。

自然がもたらす厳しさと人間の卑劣さがもたらす環境

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踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

何年前のことだったろう・・・。
マーティン・スコセッシ監督が、ダニエル・デイ=ルイスを主演に遠藤周作の「沈黙」を映画化すると言うニュースを目にしたのは。

そしてついにスパイダーマンが主演の「沈黙」が完成したことを知った日、ウィレム・デフォーの「最後の誘惑」を観直さずにはいられなかった。

映画は、原作と比較して内容的には特段気になるところはなかったのだが、窪塚キチジローだけは納得いかなかった。

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松たか子VS久米宏

松たか子VS久米宏

岩井俊二監督の雰囲気オサレ青春微々胸キュン映画。

松たか子が初々しくて可愛いらしい。
江口洋介の織田信長が意外と似合っていた。

松たか子が通う、当時は架空の大学だった武蔵野大学が今や実在する大学となり、不思議なつながりを感じずにはいられない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

かつて、たかこ女史がニュースステーションに呼ばれ、久米宏から「あなたタバコ吸うんでしょ?」と何度もなんどもシツ

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どこみてんのよ!

どこみてんのよ!

白石一文の小説は「ほかならぬ人へ」しか読んでいない。

ほかならぬ勝手なイメージで鑑賞したが、なんというか欲望の赴くままに食って寝てだべっての約2時間だった。

ほかならぬ食べ物が美味しそうだった。

ほかならぬ柄本佑が柄本明に見えてしまった。

ほかならぬ瀧内公美が青木さやかに見えてしまった。

何度も「どぉこ見てんのよ!」と叫ぶさやかの声が脳内に響いた。

ラストは良かった。
スカッと笑える意

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“全米が泣いた”系は泣けないという説

“全米が泣いた”系は泣けないという説

4回泣けるという約束だったが、実際は1回泣けるかどうかの代物。

たとえるならば、厳選された高級食材を使っているにも関わらず、古くなった油で炒め安物の調味料をふんだんに使い、最後はもこみち並みのオリーブオイルをぶっかけて仕上げられた料理を食べた後のような作品だった。

特にラストにまとめられた登場人物たちのカメラ目線で訴える青年の主張的演出は、監督が未熟なのか客をバカにしてるのか(きっと前者に違い

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ロック“エンターテイナー”ヴォーカリスト

ロック“エンターテイナー”ヴォーカリスト

中二の時に観た「アイアンイーグル」。
劇中で流れるQueenの「ONE VISION」に衝撃を受けた。

忘れもしない大学一年時、冬を思わせる冷たい秋雨が降る朝、その日の二限目の授業が始まる前に「おい、フレディが死んだってよ、それもエイズやって」一限目の授業をサボったELP好きのプログレマニアからフレディの訃報を知らされた。

ショックで数日凹んだ。

大人になり、メタルやハードロックからプログレ

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写真好きには物足りない胸キュン映画

写真好きには物足りない胸キュン映画

何も考えず観れる胸キュン映画でキュン死するつもりだった。
とにかくストーリーなんぞどうでもよく絵面だけでチョイス。

どえらいテンポで胸キュン全開シーンが続くので、何やら不穏な空気を感じずにはいられなかった。

案の定、死にいたる病の発症という予定調和転てつ器が作動し、キレイに路線変更からの通常運行へ移行した。

「君膵」の時はもっと素直に泣けたが、「桜恋」はテンポが合わないのか、松本穂香のメイク

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ぼくはソロキャンパーと、フォクトレンダーの方が気になった

ぼくはソロキャンパーと、フォクトレンダーの方が気になった

非定型テネット胸キュン映画。
初めから終わりに向かう男の子と終わりから始まりに向かっていく女の子の恋愛模様に・・・コーヒーが冷めるどころか飲めるほどの適温になるまで3度は泣けた。

女の子の電話と住所の件が気になったが、そんなことどうでもよくなるほどの切ない恋愛ストーリーに没頭した。

しかし小松菜奈が劇中で使ってたフォクトレンダーは無視できなかった。

★★★★☆