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歩きからヒトの健康を考える

健康のためにウォーキングをした方が良いということが当然のように言われていますし、病院などに行っても運動不足なので歩きましょうと伝えられていることも多いです。

そんな歩きについてですが、正しく認識できていないケースも非常に多く、その結果として体に不要なストレスがかかり障害につながっていってしまうこともあります。
皆さんは日々歩きについてどの程度意識されていますでしょうか。

今回はそんな歩きについてをテーマにお伝えしていきます。


1.歩くことにより起こる身体の変化

歩くことは良くも悪くも身体に多くの変化を与えます。

・筋骨格的な変化
正しく歩ければ、適切な筋肉、関節の動きが促され、体が動きやすくなり腰痛などの予防にも繋がります。
逆に歩いているときに身体のどこかしらにストレスを継続的にかけ続けてしまっている場合も多いです。

・神経系の変化
歩くことで脳機能の活性化が起きることが知られています。
歩くときに脳血流の増加することやアセチルコリンと呼ばれる神経が活性化し神経細胞のダメージを軽減させます。
また、歩くようなリズム運動はセロトニンの分泌も促されます。
以上の点から、認知症の予防やストレスの軽減に効果的と言われます。

・呼吸、循環器系など身体内部の変化
歩くことにより、次のようなことが効果として示されています。

・心肺機能の強化、心血管疾患リスクの低下
・肥満の解消
・脂質異常症、動脈硬化の改善
・肝機能の改善
・糖尿病の改善
・高血圧の改善

私たちは歩く動物であるということを考えても、このように歩くだけで身体にとっての多くの変化は期待できます。

運動習慣のあまり無い方は、まずは少しずつでも生活の中に歩く時間を確保することをオススメします。
その上で歩き方にも目が向くようになってくるとより良いですね。

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2.正常歩行とは何か

そもそも正常な歩行とは何なのかといった部分については不明確な部分が非常に多いです。
教科書や書籍ではこう書いてあるということは言えても、その掲載されている情報はいわゆる一般健常者の統計であることが多いです。


ではその一般健常者は本当に健常者なのか、といった問題が生じてきます。
例えば、その瞬間は何も問題ないように見えても、その方が5年後や10年後も同じようにどこも痛みもなく健康的に歩けているのかどうかというと疑問があります。
街中を歩いている人を見ていても、頭が左右に揺れてしまう人、膝が動揺している人、しっかりと蹴れていない人、お尻が左右に揺れてしまっている人など、歩いている中でも不安定性を認めている人は多くいらっしゃいます。
しかし、その方たちもその時点で痛みも不調も無ければ健常者ということになります。

ただ、この点については個別性も非常に高いので、なかなか証明することは難しい現状です。
日々の現場の中で、実践の中で得られたものも大切にする必要があるなと感じています。

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3.基本は重力に負けないこと

歩く上でも非常に大事な考えとしては、基本的に重力に負けた姿勢をとり続けてしまうと身体にストレスがかかるということです。

重力に負けずに上に伸びる(エロンゲーションする)ことは二足直立を選んだヒトにとっての根本的な要素です。

エロンゲーションによって、身体は自然と本来あるべきニュートラルな姿勢になり、その結果歩いているときにもしっかりと体を前に進めることができます。

この前にしっかり進むということは非常に大切で、歩くときに前方への推進力が足りなくなってしまうと、左右方向など本来動くべきでない方向への代償動作が生じてくることになります。

逆にしっかりとエロンゲーションを保ちながら歩くことで、歩くだけで身体は整い、自然と必要な筋肉や骨格の動きが得られるようになり、痛み知らずの身体になれます。
その結果、無理なく長時間運動し続けることができるようになりますので、上述した神経系や身体内部といった身体の良い変化も得られやすくなります。

自分にとっての自然な、適切な歩き方をしっかりと身につけることで、まさに歩くだけで健康になれる身体を手に入れることができます。

自分の歩き方が気になる方は、ぜひ1度ご相談ください!

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