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家族揃って夜空を見上げて

ー皆既月食と惑星食

1580年以来442年ぶりに皆既月食と惑星食が同時に見られた2022年11月8日。奥さんをはじめ、父親、母親、姉もこの日、揃って夜空を見上げていたようだ。もちろん、場所は違う。ただ、このとても「珍しい天体ショー」(NHK)を一緒に見ていたことが意外に嬉しい。次に皆既月食と惑星食が同時に見られるのは2344年と、322年後らしい。そう思うと感慨深いし、家族が揃って空を見上げているという嬉しさも増す。

返信あれこれ

夜空を見上げると、月が地球の影に浸食され欠けはじめていた。いやに月が赤いなと思いながら、スマートフォンを向けて連写。どれか一枚くらいきれいに写っている画像があるだろうと、そんな期待感を込めた。

残念ながら満足行く画像は撮れなかったが、わずかに加工を施してメールやチャットアプリを通じて家族に一斉送信。母からすぐに返信があり、父が表に出て懸命に撮影を試みているらしい。父、母も空を見上げているようだ。

母よ、あなたはどうして撮ろうとしない!?と返したが、「テレビで見る方がはっきり見えるから」と言われてしまって元も子もない。ガラケーできれいに撮ろうとする父の方が奇特に思え、思わずクスッとする。

義母の様子を見に実家に戻った奥さんからも、まったく別のチャットツールから写真付きの返信。スマホで撮ったにしてはなかなかの出来映え。iPhoneのカメラ機能のおかげというと角が立つので、そこは触れずに褒める。

しばらくして姉からも返信。添付されていた画像には、ビル群の合間から欠けはじめた真っ赤な月。仕事の合間にオフィスのどこかで撮って送ってくれたのだろう。それがひしひしと伝わってくる写真で、再び頬が緩んだ。

生まれ変わって

三者三様というか、四者四様の返信だったが、見上げている月は一つだ。大人になって以降、家族揃って同じ景色を一緒に眺める機会はほとんどない。だから、今回、たとえ場所は違っても、揃って皆既月食を見られたことは嬉しい。きっと記憶に残るだろう。次に皆既月食と惑星食が同時に見られるのは322年後という。

生まれ変わって、再び揃って見られたら面白い。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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