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仕事も家事も育児も。「働く専業主婦」を生み出す構造

東洋経済オンラインの連載「ソロモンの時代」29回目が公開されました。

今回のテーマは「結婚生活の理想は専業主婦か共働きか?」。

未婚女性の「専業主婦志向」が実現困難な理由
年収に関係なく未婚男には「共働き派」が多い

調査したところ、未婚と既婚、男と女で理想の結婚生活形態が正反対という興味深い結果が出ました。女性活躍社会とかイクメンとか共働き・共家事・共育児とかいう号令は大変結構ですが、現実は厳しい。

「未婚女性の専業主婦志向が実現困難な理由」というタイトルになってますが、どっちかというと「結婚の現実がいびつな専業主婦形態を作り出した」という構造的な問題に焦点をあてています。

自分でタイトルをつけるなら(※あ、これ知らない人多いと思いますが、こういう連載のタイトルとか、小見出しというものは筆者はノータッチなんですよ。編集部がつけるんです。出版された本のタイトルもよほどの大物ではない限り、基本タイトルに著者はタッチできないものなんです)…

「働く専業主婦」を生み出した結婚経済の闇

というところでしょうか。

結婚とは生活であり、経済そのものです。愛だのという概念は立派ですが、そんなものだけでは飢え死にします。

結婚した当初共働きだったとしても、出産のタイミングとともに妻が離職するパターンが非常に多い。子を産んでも正規のままずっと働き続けられる人もいますが、大体2割くらいです。それ以外は、子どもが小さいうちは専業主婦になります。

しかし、いつまでもそのままで生活が続くわけがありません(旦那が高収入なら別ですが)。家族の経済を安定させるためには、結局働かなきゃいけない。

ツイッターでもこんなつぶやきがありました。

とはいえ、一度正社員はやめるとそうそういい仕事はない。たとえあっても、子どもがまだ小さいうちはフルタイムで働くのも無理がある。

結果、妻ができるのは非正規、パートのような仕事になります。パートとはいえ、仕事は仕事。でも旦那的にはそれは仕事とは見なされなくて、主婦業は相変わらず妻の仕事扱いです。

そうして、働きながらワンオペ育児をする妻という「働く専業主婦」を多数生み出していくことになるんです。

ぜひご一読ください。


今回の記事(本記事およびヤフーニュース)にもたくさんのコメントが寄せられました。

新婚当初、共働きで顔を付き合わせたのはひと月の間に2回程。夫はオフの日は趣味のスポーツクラブやサークル三昧で家事は全くノータッチ。妊娠して体調が悪くなってからも一向に変化せず、家事と仕事の両立、それに子育ては無理だと思って退職しました。こうやって、仕方なく家庭に入る人は多いと思います。収入が多い程、保育料も高いし、でも、シッターを毎日頼む事が出来る人なんて一握りでしょう。共働きだと外食やお惣菜が増えて出費もかさみます。保育園に預ける時には毎回泣かれて、熱が出たら解熱剤の座薬を入れて預けに行く。子育てしながら共働きは、親に頼れないなら、かなりしんどいです。夫がどこまで家事と子育てに参加するかが、家庭を維持する上で非常に重要になります。家庭的であるか見抜く事も必要ですね。入籍前に同棲も良いのではないでしょうか。また、何度も話し合いが必要。国はどこまで本気で子育て支援に乗り出すでしょうかね。

この人なんかも、子どもをちゃんと育てようとすると、結局専業主婦にならざるを得ない状況なんですよね。

この漫画の主婦のように…。


結婚した当初4割にも満たない専業主婦世帯が子どもが生まれた途端6割に増えるという事実(2015国勢調査より)があって、それってもはや夫婦の自己責任では解決しないんじゃないかと思います。

他のコメントには「完全専業主婦」を敵視するような心無いコメントも見られた。しかもそれが同じ女性だ。つまり彼女たち「働く専業主婦」からしてみれば、「完全専業主婦」が許せないのだ

専業主婦になりたかった人もなれなかった人も、なりたくなかった人もならざるを得なかった人も人それぞれ。結婚というのはやっぱり現実の生活なんだとつくづく思います。


あとこんなうれしいコメントもありました。

限られたアンケートの結果を納得感のある論理で分析し、クリアな結論付けができた秀逸なレポートだと思います。

本文を読みもせず、また、読んでも読解力がないために筋違いなコメントする方が多い中、こういう評価は非常に励みになります。

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。