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人相見

ありがたいことに「鈴木さんはいい相してる」と言ってもらえることが時々あります。「将来出世しそう」とか「幸せになれそう」とか。

そうやって言ってもらえると、すぐに調子に乗るのが私。

「おっしゃぁ!私の人生これから薔薇色じゃ!」

くらいに思って心の中ではガッツポーズしてます。

こうやって調子に乗るのって結構大事だなって思っています。こういう軽い言葉にいちいち調子に乗ってここまで生きてきた部分もあるので。

こうやって調子に乗って、28年生きてきてしまいました。

……この先どうなることやら……。

果たして私はこのまま「いい相してる」と言われて調子に乗り続けていけるのか。

果たして私は本当にその「いい相してる」という言葉を本当にできるのか……。

……なんてことを考えながら『劉氏冠』を書きました。

史記の劉邦の記述を見ると、劉邦も「人相が非凡だ」と頻繁に言われていたようです。

28歳の人間が「やっぱそう思う〜????うふふ」なんて調子に乗っていれば「まだ」かわいいもんです。

でも、劉邦ってよくよく考えてみると陳勝呉広の乱が起きた時点ですでに結構な年齢いってます。50歳手前。(一説によると40歳手前という話もありますが、私の作品の中では50歳手前説を採用しています)

……その歳まで周りから「いい人相だ」と言われて調子に乗っていたのでしょうか。50手前だろうと40手前だろうと、結構な自信だと思います。全く何の変哲もない生活の中で酒飲んで女抱いて、ダラダラ仕事しながらそう思い続けてきたのだから。

ただ、最後に劉邦が勝ったのは、やっぱりこの自信があったからなのかなと思います。

どんなに苦境に立たされても、劉邦には「俺は非凡だぁぁぁぁぁっ!!!!……みんなそう言ってるし」と言い切る自信があった。

だから最後まで戦い抜くことができたのではないかと思うんです。

結局何事も「どこまで自分を信じられるか」が重要になってくるのだと思います。

何かに取り組むって、壁にぶつかってばかりです。八方塞がりになって絶望することだってあります。

それでも踏ん張って壁を乗り越えた人だけが、何かを「成し遂げる」ということができる。

そして踏ん張って壁を乗り越える際に最も重要になるのは「自信」なのでしょう。

劉邦はどんなに平々凡々な生活をしていても、そしてどんなに苦境に立たされても、「俺は非凡だ!!!!……周りもそう言ってるし」と思うことで乗り越えてきた。

『史記』を読んでいるとそんな気がしてきました。

だから『劉氏冠』の中ではそのように描いてみました。

他にも「どうして項羽が負けて、劉邦が勝ったのか」ということはいろいろ考えますが、その一つは「劉邦には折れない自信があった」のだと思っています。

……ところで私が人相を褒められる時にもう一つ追加で言われる一言。

「大器晩成型だよね」

まだまだ28歳。ピッチピチのひよっこみたいなもんです。

……だからなかなか報われないのね……。

頑張りたいと思います。




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