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「インセンティブ設計の理論」マガジン

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大阪大学における同名の講義内容に関するノート集 講義ウェブサイトは以下です: https://sites.google.com/site/yosukeyasuda2/home/l… もっと読む
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2017年10月の記事一覧

[第4回・前編] 第3回講義の復習

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第4回<後編>はこちらです。
第3回講義のリンクは→<前編・後編>
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第4回目の前半は、前回の講義
・「チケット転売は禁止するべきか --- 部分均衡分析」
の後半で扱った理論分析を復習し、より詳しく説明しました。

【板書】支払い意欲(W)、留保価値(V)、所得(I)の関係を整理。
第3回

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[第3回・後編] チケット転売は禁止するべきか --- 部分均衡分析

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講義の後半では、簡単な市場(部分均衡)モデルを使って、次の3つの分配メカニズムを理論的に比較しました。

(i) 行列・抽選
(ii) 市場
(iii) 行列+転売

【板書】需給が一致する価格で最初からチケットが売られた場合には(DとSの交点で)5万円の価格

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[第3回・前編] チケット転売は禁止するべきか --- 部分均衡分析

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第3回<後編>はこちらです。
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第3回目は、チケットの高額転売問題をきっかけに、行列(や抽選)と市場の特徴の違いを余剰・公平性・善の腐敗など様々な視点から分析しました。同じサービスを、お金を払うことで優先的に早く受けることができる「ファストトラック」の実例をクラス内で質問してみたところ、

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[第2回] きちんと「合理性」を学ぶ“効用” --- 消費者理論

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第2回目の講義の二日前に、初回の講義で紹介したナッジの生みの親でもある行動経済学者のリチャード・セイラー米シカゴ大学教授が、なんとノーベル経済学賞を受賞!

というわけで、講義の予定を大幅に変更して、セイラー教授の業績のうち、限定合理性(「心の会計」)と社会的選好(「公正さ」)について紹介

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[第1回] 行動を変える“簡単な”仕組み --- ナッジ

2017年度の秋・冬学期に大阪大学で担当する「インセンティブ設計の理論」(講義サイト)の講義内容などを、noteで簡単にまとめていくことにします。

初回はイントロダクションということで、講義の進め方や評価方法についてまずは説明し、残りの時間で英文資料をプロジェクターで表示しながら、行動経済学の実践的な応用であるナッジ(Nudge)について紹介しました。英文資料は「Nudge Database」と

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