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全集物を読む

 小説をまとまった量書くにあたって、全集物を読んだ。

 何万字も文字を書けるのだろうか、と始めは心配した。

 そして、文学というものをあまり理解していなかった。

 妻は、

「流行りものの小説を読んだら」

 といった。

 だがあまりしっくりこなかった。

 流行を追うことも大事だが、自分が目指す所は既存の作品とは違うところにある気がした。

 そこで始めたのが、全集物を読むことだった。

 名作をしっかりと読んでいないので、文章表現の基本ができていないと思っていたからだ。

 夏目漱石全集、森鴎外全集、世界名作全集、日本文学全集などを隅々まで読んでみた。

 すごくためになった、という気はしなかった。

「ああ。これ教科書に出てきたな」

 とか、昔は

「二項対立論が多いな」

 などと思った。

 しかし、文体はきれいなものが多い。

 現代のベストセラーも読んだ。

 雑誌の書評も読んだ。

 多分、スポーツで言うと、筋力トレーニングのようなものかもしれない。

 正しいやり方ではないかもしれないが、やらない方がいい、ということはないだろう。

「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。