映画感想文 「TAR」 を見て
浅い眠りから目を覚ました。隣でシャロンが睡眠薬を飲んで寝ている。なにか音がする。不快だ。音とはコントロールされて意味を持つ、コントロールのされない音など不快に過ぎない。この前はメトロノームが動いていた。カチカチとリズムを刻む音が耳障りだった。今度はジーという低い音が、ずっと聞こえる。耳鳴りのようでもある。私はシャロンを起こさないように静かにベットから起き上がると、音のする方に、電気もつけずに歩いていく。音がするのは台所のようだった。暗い中を気をつけなが歩いていく。冷蔵庫の前に