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「完璧じゃなくていい」野菜ライターが伝える、丁寧な暮らしのコツ

仕事、子育て、暮らし。全部を大切にしたいと思いつつ、何かを諦めてしまっている……と悩む方は多いかもしれません。

「野菜を愛するライター」として活躍しているみさちさん。畑と森に囲まれた町に移住し、旦那さんと2人のお子さんの4人で暮らしています。

日々、子どもたちと土いじりやお料理を楽しみながら、ライターという働き方に挑戦するみさちさんに、大切にしている考えを伺います。

ストレスで全身に蕁麻疹…「何か見直さないといかん」

自然に囲まれた暮らしを楽しむみさちさん。以前はまったく違う生活をしていました。

みさちさん:「兵庫県の都心部に住んでいました。ひとつ年上の夫と結婚したのは26歳。二人とも昇進を迎えるタイミングでした。だんだん残業が増えてきて、夜ごはんを一緒に食べれるのは1ヵ月のうち半分くらい。『何のために結婚したんやろ?』と寂しさを感じるようになりました

旦那さんとすれ違う日々が続き、働き方に疑問を抱くようになります。

みさちさん:「また、結婚してしばらく経っても子どもを授からず、不妊かもしれないと不安になりました。仕事は忙しくなる一方。ストレスが溜まりに溜まり、指の先から頭のてっぺんまで蕁麻疹が出たこともあって。『これは何かを見直さないといかんな』と真剣に思うようになりました」

身体からのSOSを感じたみさちさんは、ある選択をします。

みさちさん:まず、大好きな夫と一緒にいれるよう、思いきって会社を辞めました。そして、新しい仕事は何がいいだろうと考えた時、“楽しくておいしいもの”がいいなと思って。食生活も見直したくて、おいしいお野菜を探し求めるようになり、出会ったのがあるオーガニック食品店です」

人参のおいしさに感動。運命を変えた、お野菜との出会い

退職を決めた2月、みさちさんが見つけたのは有機野菜や調味料を扱う専門店でした。

みさちさん:「雪の下に埋まっていたという“雪下人参”を買って帰ったんです。皮をむこうとしたら驚きました。タワシで少しこすっただけで、香りがフワッとして……。包丁でさくっと切ると、食べる前から香りが弾けたんですよ。生で食べても、ソテーしても本当においしくって。こんな人参が世の中にあるんだ!と衝撃を受けました

人参を噛み締めるうち、忘れていたある感覚が蘇ってきました。

みさちさん:「そういえば昔、おばあちゃんが育てた野菜を食べてたなぁって思い出して。『あ、そうか。わたし、野菜や土が好きなんやなぁ』と気付きました。そしてすぐにお店に面接をお願いして、4月からアルバイトとして働かせてもらうことにしたんです」

お野菜の魅力を伝えたい!おいしさを探求する日々

みさちさんは図書館で野菜に関する本を山ほど借り、読み漁ったといいます。

みさちさん:「お店で働き始め、少しずつ仕事に慣れてきたある日、初めて一人で店頭に立ちました。ところがその日、大好きなしめじが、ひとつも売れなかったんです。少し高額ではあるものの、作り手のこだわりが詰まった商品でした」

おいしいお野菜も何か工夫しなければ売れないのだ、とみさちさんは痛感します。

みさちさん:「売れ残ったしめじを見つめながら『こんなにおいしいのにもったいない!』と悔しくって。それぞれのお野菜にどんな価値があるのか、とことん考えよう!と決意したんです」

以降、みさちさんはお客様にお野菜のおいしさを伝えられるよう試行錯誤します。

みさちさん:「毎日、家で実験したんです。『このお野菜は、焼く、煮るとでどう変わるのか?』『弱火、強火どちらがおいしくなる?』と。やり方次第で味がまったく異なることに気付きました」

みさちさんは、いつしか野菜の奥深さに引き込まれ、お客様との会話にも花が咲くようになります。

みさちさん:「おしゃべりを大切にするようになってから『お店に来てお姉さんと献立を決めるのが楽しいのよ』と足を運んでくれるお客様が増えました。私もすっかり野菜に魅了され、野菜オタクになりましたね(笑)」

夢だった地方移住。畑を耕しながら”野菜ライター”へ

オーガニック食品店で働くこと約4年。みさちさんは32歳で第一子を妊娠しました。

みさちさん:「妊娠中、わたしたち夫婦は昔からの夢だった地方移住を決めました。そして、お店を辞めて出産。兵庫県の都会から、熊が出るような山口県の田舎へ引っ越したんです」

移住後、新しい働き方を模索するようになり、オンラインスクールに通います。

みさちさん:「スクールでは主にライティングを学んでいました。そんなある日、スクール仲間がコミュニティ内のイベントで『地方の調味料の魅力を伝えるWebメディアを立ち上げたい。サポートメンバーを募集します!』と言っていたのを聞いて。『これや!』と思って、ライターは未経験でしたが夜中の1時に『ぜひ記事を書きたい!』と熱いメッセージを送りました(笑)」

それからみさちさんは調味料.jpで記事を書くようになります。

全国の調味料にスポットを当てたサイト「調味料.jp」。みさちさんの文章には、お野菜や調味料への愛が溢れんばかり!ついつい食べてみたくなってしまいます

みさちさん:「日中は二人の子どもと畑で土を触ったり、お料理したり。子どもが寝たら執筆スタート!記事では調味料やそれぞれに合うお野菜を紹介しています。もう、楽しくて色々提案しながら取り組んでいますね」

「がんばりすぎなくていい」旬のお野菜は、生活を豊かにしてくれる

子育てしながらの家事、仕事、スクール。忙しいようにも思えますが、みさちさんはいつも生き生きとしています。

みさちさん:「よく『いつも手の込んだお料理を作っていてすごいね』と言われるんです。でも、全然そんなことなくて。旬のお野菜を使えば、ほんの小さなコツで、手を加えなくても充分おいしくなります。お料理って手を抜くコツがたくさんあると思うんです」

旬のおいしいお野菜は、暮らしの強い味方になるのかもしれません。

みさちさん:子育ても一人でしてるって感覚はなくて、農家さんに一緒に育ててもらっていると思っています。農家さんのお野菜に命を繋いでもらい、日々生かしてもらっているなと感じています」

周りに感謝して暮らすみさちさん。夫婦の間である約束をしているといいます。

自然が好きで穏やかな旦那さん

みさちさん:「夫との約束は『お互い、ピンピンコロリで死のう』なんです(笑)96歳くらいまで元気で、朝起きたら亡くなっていた、みたいな。そのためにも、何事もがんばりすぎず60点くらいでいいと思っています。そうすればきっと、無理な生き方にはならないはず

お料理も、子育ても、手を抜いていいんです、と優しく微笑むみさちさん。

みさちさん:「人生、今日が一番若いと思っているので、やりたいことはなんでもやってみよう!と思っています。ライティングのスキルを磨き、大好きな農家さんや食材の魅力も伝えていきたいですね」

🥕🥕おわり🥕🥕

いつも楽しそうにニコニコしているみさちさん。お話していると、つられてこちらも元気になってしまいます。そして、お野菜が美味しそうすぎて……!これからもぜひおすすめの食べ方や品種を教えていただきたいです☺️

ついつい頑張りすぎてしんどくなったら、みさちさんの言葉を思い浮かべますね✨

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