【倒産社長の遺言(7/7 最終話) 50年前の自分へ】
👤全7回、お付き合いいただきましてありがとうございました🙇🏻♂️ 続編でカットされた部分(一番伝えたかったこと)をLinkedInに遺すことが出来ましました!
では最後に、将来とても辛い思いをするとは知らない頃の「自分」へ。
【倒産社長の遺言(7/7 最終話) 50年前の自分へ】
今日も嫌なことがあったのか?
何も心配しなくていい、50年後も君はちゃんと生きているから!
幼稚園から大学、社会に出ても君はみんなの人気者だ。小さい頃から商売を継ぐことが決まっていたし、要領がいいから大して勉強しなくても大学にストレートで合格する。先輩はあの高倉健だ。健さんが愛用したバラクータのブルゾンは、その後の君の戦闘服になるから大切にしろよ。
大学を出ると一年間だけ修行して家業の跡を取る。景気のいい時代だから努力しなくてもどんな店も繁盛する。
結婚もする、奥さんを大事にしろよ。そして女の子が2人産まれるぞ。自慢の奥さんと娘たちだ。その家族じゃないと君の命は短いものになってしまう。
後にやまとが厳しくなった時「やまとを助けて!」と貯金を全部君に託す。負けず嫌いの君によく似た芯の強い女の子たち。
30代には青年会議所で理事長になってまちづくりのマネごともするが、その成果を発揮するのは40代に入ってからだ。商工会の役にも就く。商工会長は君の命の恩人になるから覚えておくんだぞ。
悩みの種だった不良のお父さんも早くして亡くなる。おじさんが社長になるが大きなスーパーがどんどん出てきて経営が厳しくなる。でもその時やまとは生き残るからビクビクするな!地域の人に支えられるんだ、そのことを忘れちゃいけない。
知り合いのおじちゃんたちの店がどんどん潰れていく。君はそれが悔しくてそこにやまとの看板を掲げていく。格好いいぞ!
それから周りの人からいろんなことを頼まれる。君はあんまり考えずに全部引き受けてしまう。困った人がいたら助けるのは当たり前だもんな。誰だって人の喜ぶ顔が見たい。
そして君は「やまとマン」と呼ばれてみんなのヒーローになる。弱い人や困っている人の元に飛んでいって助けるヒーローだ。
学校の先生になりたくなるけど色盲の人はダメだと分かって諦める。残念ながらプロ野球選手やロックスターにもなれない。
だけど偉そうな人が頼みに来て教育委員とかになってしまう。そして学校でたくさんの子供たちに話をする。仕事が辛くても話をしなきゃならないけど、誰にもそのことはバレないから大丈夫だ。
✅「リターンマッチができる世の中じゃなければいけない!」とか偉そうに言う。そこでも君は人気者になる。
大人になるまで大きな事故や病気もしない。歯医者に行くくらいで済む。家族もそうだから安心していい。ただしその後「別の」病院に行くことになる。先生に正直に話すんだ。話せば少しはスッキリするから。
今は一つしかなくて店の二階に住んでいるけど、スーパーやまとはいっぱい店ができる。
内緒だけど16個もやまとができるんだ。信じられないだろ?
でも競争が激しくなってだんだん厳しくなってくる、仕方ないよな。赤字の店を閉めていかなきゃならない、分かるな?やりたいことや言いたいことは後回しで、自分の予定は他の人に決められる。ちょっと分かりづらいかな…。
いろんなおじちゃんたちがイジメに来るけど言い返しちゃダメだ!「短気は損気」という言葉の意味はその時分かる。助けてくれる人だっていっぱいいるから。
でも君が生まれ育ったやまとも精一杯頑張った結果、最後には店を終わりにしなくちゃならなくなる。そんな泣きそうな顔をするなよ。商売をしていればよくあることさ。
その時はとっても辛い思いをするけど、いろんな人が助けに来てくれる。嬉しいぞ、いっぱい涙が出る。それからはその人達に恩返しをする人生になるんだ。
50年後にまた会おうな。
『大丈夫!心配ない!なんとかなるから!』
(「こうして店は潰れた」より、本文まま) 全7回 終わり
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