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『世界に一つだけの花』

先日、二人の師匠に会ってきた。
お一人は、私が高校の時に担任をしてくれたM先生。
もうお一人は、私の教育実習で指導教官をしてくれたF先生。
どちらも我が母校(高校)で教鞭をとっておられ、同時に私が師匠と仰ぐお二人である。

先に申し上げれば、私は学生時代先生に恵まれていた。
私が教職を目指すきっかけをくれた先生は何人もいる。特に印象に残っている方は学生時代に限って言えば、五人おられ、担任をしてくれたM先生はその一人。

M先生が、生徒であった私たちにしてくれたことをエピソードとして挙げればキリがない。
同時としては若くして学年主任で、私たちが近い将来困らないようにするにはどうすれば良いか。
これを常に考えてくれていたように思う。教職に就いてからは尚そう思う。

F先生は教育実習の指導教官だった。
私は、大学卒業後に通信で教員免許を取ったわけだが、社会人になってから出会った先生として、一番尊敬している。
穏やかで、熱く、必要なことは必ずきちんと伝えてくれる。他者を受け入れる懐の深さは、他の追随を許さない。
「教師」とはこういう人のことを言うんだろうなと私は思う。

そんなF先生は、私が休職した当初から心配してくれ、食事にも誘ってくれていた。ただし、「まずはゆっくり休みなさい。行きたいなと思ったら声をかけてくれたらいい。忘れたつもりで待っているから。」と、決して押し付けず、遠くから見守っているというスタンスが心地よかった。

そんなわけで、私の病状もかなり改善したこともあり、F先生に連絡をとった。LINEの字面でも、喜んでくれているのがわかった。
「やっぱりいい先生やなぁ。」
とまあ、しみじみ感じながら約束を取り付けていると、なんとM先生も来てくれるとのこと!

そのような経緯もあり、師匠二人に同時に会えたわけである。

昔話もしながら、アドバイスをもらいながら食事が進む。
・自分の受け取り方次第で、人生はもっと楽しくなる。
・自己肯定感を上げよ。
・どんな組織にも、一定数いる意地悪な人の言動にとらわれるのはもったいない。
・すべてを真正面から受け止めるのではなく、受け流すことができるといい。
・自分がそれを受けて、耐えられるなと思うものなら他人の意見に目を向ければいい。そうでないなら見ない。

すべて私に必要なことだった。
そして、何より尊敬する人からの言葉ということもあり、身体中に染み渡っていくような気がした。
特に、「受け取り方次第」ということについては気付きが大きかった。
師匠が言ってくれたのはこんな感じ。

「お前(私)が(在籍している学校の)校長から休職をひき止められたのは、もちろん校長の立場としてそう言わないかんというのもある。でも、お前の人柄や資質、学力すべてにおいて評価してるからひき止めたんや。やる気がないやつならすぐに受理されてたと思うぞ。」

なるほど…。
そう考えると、自分に自信も出てくる。
論理としてはすごく簡単。
でも、まったく意識したことがなかった。
私は生来のネガティブ思考で、自慢ではないが自己肯定感は相当低い。
ただ、精神疾患を患い「自分を大切にしてあげるべきだな」と思うことができるようになったため、師匠のこの言葉が強く心に残ったのだろう。
自分を認めてやらずして、誰が認めてくれるのか。
こんなことを考えられるようになった。
師匠からもらった言葉での気付きを、人生に反映させて幸せになることを決心した私だった。
やはり、師匠方はいつまでも私の「先生」だ。

元気をもらい、再起を誓い、解散した。

昨日、在籍校に荷物を取りにいってきた。
今年度は、とりあえず一区切りとなったわけである。
帰りの道中、師匠との会話を思い出した。

師匠「『世界に一つだけの花』を噛みしめて聞いたことはあるか?」
「噛みしめては…ないですね。」
師匠「時間あったら聞いてみ、今のお前なら色々込み上げてくるわ。」

ふと思い出した私は、車内で『世界に一つだけの花』を聞いてみた。
車のスピーカーから流れてくる、歌の歌詞を脳内で反復しながら噛みしめて聞いてみた。
出だしの「ナンバーワンにならなくていい…」から、すでに涙がにじんでいた。
同時に、師匠が心から私を励まし応援してくれていることも改めて感じた。

これから出会う生徒にも、師匠方のように伝えていきたい。
「君は素晴らしいんだ。ナンバーワンになんてならなくていいんだよ。もともと特別なオンリーワンなんだからね。」

なんてね。

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