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本の棚 #254 『人を選ぶ技術』

採用活動においては

選ぶ側でもあり、選ばれる側でもあるが

選ぶ技術についてのプロとして

どんな思考をもって取り組んでいくのか。

表面上のテクニックではなく

人を見るときに、どんな構造なのか

こちらの頭の中をアップデートしない限り

いつまでもミスマッチが続くように感じる。

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4つの階層
スキル・経験
コンピテンシー
ポテンシャル
ソースオブエナジー

上になるほど変わりやすく

下になるほど変わりにくい。

上になるほど確認しやすく

下になるほど確認が困難だ。

下の階層にアプローチできることが

選ぶ技術が高い、と言えるだろう。

過去ではなく未来を読む

面接や面談で何を読みとればいいのか、と問われれば

過去ではなく未来

人類の人選びの歴史についても本書には書かれており

身体的能力評価の時代

IQ評価の時代

コンピテンシー評価の時代

ポテンシャル・モデルの時代

という具合に過去の経験、結果から

未来の可能性側にシフトしている。


「違和感」がある場合は、それをばかにしてはいけない

面接をしていると、表面上は良いなと

おもう人であっても

「なんか引っかかるな」ということがある。

この違和感は結構大事だという。

反対に「うわべの熱狂」も危険であり

なんか最高の人に出会ったな、と思っても

その場だけ繕えてしまった、みたいなこともある。

「良過ぎる人」も要注意なのだ。

「書けないうちは思考ではない」

書くことの重要性について

的確に示しているフレーズだ。

インプットだけして頭に入ったというのは

凡人としては浅はかな思考だと言わざるを得ない。

凡人代表として言わせてもらいならば

「書くことなくして思考は深まらない」

書くことは頭のなかの思考構造を

外界に出して確かめることだ。


自分の心こそ、他人の心を知るための、最高のサンプル

他人の心がわからない、と嘆く人は

まずは自分の心を知ることだ。

それでも他人の心を100%トレースは

難しいかもしれないけど、自分の心を

振り返ることが最も有効なサンプルとなる。

無自覚な癖は?と聞かれても

よくわからない、そりゃあそうだ無意識なんだから。

でも他人もそうなんだ。

だからこそ自分と向き合うこと、

自分のことすら理解できないのに

他人を理解できるか、ということ。

そうやってソースオブエナジーまで

たどり着く技術が身につけば…

変わりにくいことは繰り返すし

繰り返すことは再現性がある

再現性は予測できる。

最高の採用に近づけるだろう。


優秀なEVILは表向きは善人の顔をしている

この手の人が個人や会社、社会に与える影響は大きい。

「まさかあの人が…」とざわつくやつだ。

「マウント型」と「ナルシスト型」

この2つに分類されるようだ。

いずれにせよサイコパスな一面があるが

このサイコパスはゼロイチではなく濃度。

だから全員0でもない、誰しもが持っていると考えたほうがいい。

じゃあなぜその手の人が悪さを働くか。

突発性EVILのトリガーはプレッシャー

明らかに濃度が濃い人はわかりやすいが

気をつけるべきは突発性タイプ。

気をつけることも難しいレベルだが

トリガーの多くはプレッシャーのようだ。

過度な数字のプレッシャーによって

粉飾、偽装を働くという事例はニュースでも

目にするが、まさにこれだろう。

人を見る達人になって得られる最大の果実はー「魂に触れられること。それは究極の喜びである」

魂に触れる。

家族でも恋人でも触れられないかもしれない。

そこにこの仕事の喜びがあるというのは

著者の本音だからこそぼくには響いた。

自己開陳で、お互いの心の襞を一枚一枚めくっていく

自己に対するオープンさがこの仕事のプロとしては

必須の要素のように感じる。


「人を決めつけることは、人を愛することからもっとも遠い行為だ」

キープ・ラーニング keep learning
キープ・ラビング keep loving

以上。

質問memo
「あなたはどんな人生を送りたいですか?」

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