花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白い…

花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白いな..

記事一覧

目に映る全て

「右」...「下」...「う..左?」 「あのね、当て物じゃあ無いですからね。」 最近すっかり検眼に時間がかかる様になった。 無意味な自分の抵抗はプロの眼を誤魔化せな…

花手毬
3時間前

挫折の取説(短編小説)

夏の始まりを待つ頃。 休日の電車の中は夏の予定を語る嬉しそうな 声が溢れている。 楽しい休日の軽やかな気持ちと、バイトに向かう 気の抜けた俺の気持ちを乗せた電車。 …

花手毬
9日前
6

紫陽花の色に悩んだ日

母の日 お母さんがいる人はお母さんに感謝をする日 お母さんの体温を感じる事が出来ない人は お母さんを感じてみる日 母なる地球。母なる大地。 母の言葉は包まれる不思議…

花手毬
9日前
2

母さん日記

お気に入りの瓶に水を入れ落としてしまったポトスを挿す。太陽の光が当たり綺麗だ。 瓶を見つめながら大型連休も帰省しなかった息子の事が脳裏に浮かぶ。 もう何回帰って…

花手毬
2週間前
1

子供の日

今日は5月5日。 子供や孫のいる人は子供と共にする日 子供がいない人は偶然に見かける子供を感じる日 子供が苦手な人は子供の日だから出でくる商品を 食べたり見たりする…

花手毬
2週間前
3

老化は進化とする

「ウィーン。」「ガーガーキーン」 白い小さな部屋で鳴り響く音 何度聞いても耳に障る音 「我慢。我慢。 一生自分の歯でご飯を食べる為だ。」 「はーい。終わりました…

花手毬
2週間前
5

朝の音

朝の音は季節によって変わる 朝の音は何かを伝える 朝の音に耳を澄ませる 朝の音は命の音 朝の音に鈴の音が仲間入りする春      新しい生活を始めた命の鈴の音 朝の…

花手毬
1か月前
1

言葉

祖父に見守られながら遊んだ川に自然と足がむいてしまった。 自然と言い訳をしながらも心の奥底では理由が判っている気もする。 ゆっくりと腰を下ろすな否や一羽の白い鳥…

花手毬
1か月前
1

桜の花びら

桜待ち侘びて 桜咲く 桜のカーテンが日本を覆う 桜の下で沢山の笑顔が咲く ポンポンっと音がする様に愛らしく咲く 桜の木に緑の小さな葉飾りを感じる頃 桜の花びらが終わ…

花手毬
1か月前
1

初めての舞台(小さな記憶)

「道路に出たら危ないさかいにな。        出たらあきませんで。」 「う..ん...。はい。」 「大人しい子やな。何や皆と遊ぶの嫌か。」 「いや...。......」 (ま…

花手毬
1か月前
4

 春の待ち方

冷たい風が吹く春の日。 皆が口々に桜を待つ話しをしている。 桜の気持ちはどうであろうかと想い 桜の木の下に行ってみる。 桜に問いたところで返事など無くただ眺める。 …

花手毬
1か月前
2

木蓮の花

春便りが届く頃 少しずつ日暮時が足踏みをしてくれる そんなゆったり時間は心が喜ぶ お目当てのパン屋さんで お目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。 …

花手毬
2か月前
4

空に放った言葉達

春を迎える準備の霧雨の夕方 お気に入りの紫色の傘を広げたいからさす。 週末の仕事帰りの夕方はいつも人通りが少ない 道行く人は皆ご機嫌な顔をしているから自分ではお気…

花手毬
2か月前
2

黄色

黄色が好きです シンプルな宣言に蓋をしたのは友達の小さな 否定する言葉だった 今となれば笑い話である この世界にははじめから色の付いた物体は無いらしい 物体に色が…

花手毬
3か月前
5

赤い林檎

頭の中に浮かぶ言葉は沢山ある 書き留めた紙が増える 最近は、不思議と自分の外に出す事を休んでいた 理由は自問自答しても出て来ないまま 差し替えに隙間時間があれば絵…

花手毬
3か月前
3

小さな虹

早朝、キッチンの隅に小さな虹が写っている 驚きと喜びに手元を止めて振り向くと 朝を告げる光が差し込んでいた 僅かな時間で消えてしまう幻想をどうしても 堪能したくて…

花手毬
3か月前
1
目に映る全て

目に映る全て

「右」...「下」...「う..左?」

「あのね、当て物じゃあ無いですからね。」

最近すっかり検眼に時間がかかる様になった。
無意味な自分の抵抗はプロの眼を誤魔化せない。
それでもついつい正解を求めて目を見開く。

 「はい、力抜いて。上見て、下見て...」

 「良いですね。異常無し。綺麗ですよ。」

この嬉しい瞬間に小さくガッツポーズ。

 「ところで、この前購入したカラーコンタクト

もっとみる
挫折の取説(短編小説)

挫折の取説(短編小説)

夏の始まりを待つ頃。
休日の電車の中は夏の予定を語る嬉しそうな
声が溢れている。
楽しい休日の軽やかな気持ちと、バイトに向かう
気の抜けた俺の気持ちを乗せた電車。

耳で気配を拾いながら何時もの様に携帯を出す。
ついでにガムを取り出し口に放り込んだ。
携帯の画面に太陽の光が差し込んで見え難い。
自分勝手には調整出来ない車中の日除に目を移した。一瞬、急に車中の風景に時が止まった感覚に
襲われる。

もっとみる
紫陽花の色に悩んだ日

紫陽花の色に悩んだ日

母の日
お母さんがいる人はお母さんに感謝をする日
お母さんの体温を感じる事が出来ない人は
お母さんを感じてみる日

母なる地球。母なる大地。
母の言葉は包まれる不思議な一文字。

自分にも母が居てる。
数日前から意識は母の日にフォーカスされて
いた。文字に起こしたい気持ちも消えず彷徨った
が書けなかった。

彷徨う心の理由は、自分の誕生と共に発病した
母と自分の絆の真ん中には常に病気があった。

もっとみる
母さん日記

母さん日記

お気に入りの瓶に水を入れ落としてしまったポトスを挿す。太陽の光が当たり綺麗だ。
瓶を見つめながら大型連休も帰省しなかった息子の事が脳裏に浮かぶ。

もう何回帰って来ないのだろうか...
心に空く極小の穴は早急に塞いでおかないと特大の穴になってしまう。
手当として昔残してくれた優しさを包帯にする。

数年前の巣立つ日の事....

 「何してるの?」
肩から斜め掛けをした鞄から財布をゴソゴソと探して

もっとみる
子供の日

子供の日

今日は5月5日。

子供や孫のいる人は子供と共にする日
子供がいない人は偶然に見かける子供を感じる日
子供が苦手な人は子供の日だから出でくる商品を
食べたり見たりする日

羊水で泳いだその後に
急に大人になった人などいない
皆、子供の日があったのだ

子供の日をどんな日に仕上げるかも
連休明けの成長になる気がする

仕事に向かう道すがら自転車に乗った親子を
見かけた。
何度も愛らしいお母さんの髪が

もっとみる
老化は進化とする

老化は進化とする

「ウィーン。」「ガーガーキーン」

白い小さな部屋で鳴り響く音
何度聞いても耳に障る音

「我慢。我慢。
一生自分の歯でご飯を食べる為だ。」

「はーい。終わりましたよ〜。」
「綺麗になりましたね〜。」
繊細な作業を軽快な声かけをしながら
仕上げる尊敬すべき人の声かけでホッとする。

「ありがとうございました。」
「あの...先生に質問をしたいのですが....」

頭の上で大きな風を感じた。先

もっとみる
朝の音

朝の音

朝の音は季節によって変わる
朝の音は何かを伝える

朝の音に耳を澄ませる
朝の音は命の音

朝の音に鈴の音が仲間入りする春
     新しい生活を始めた命の鈴の音
朝の音が楽しみになる

言葉

言葉

祖父に見守られながら遊んだ川に自然と足がむいてしまった。
自然と言い訳をしながらも心の奥底では理由が判っている気もする。

ゆっくりと腰を下ろすな否や一羽の白い鳥が美しい羽根を広げて舞い降りて来た。
人慣れしているのか余りにも近い距離と目線をしっかりと合わせて来る様子に驚いた。

瞬間に頭へ映るイメージは高級ホテルの優秀なベルマン。
嫌味の無い気高さに荷物を預ける安心感がある

見透かされている。

もっとみる
桜の花びら

桜の花びら

桜待ち侘びて
桜咲く

桜のカーテンが日本を覆う
桜の下で沢山の笑顔が咲く
ポンポンっと音がする様に愛らしく咲く

桜の木に緑の小さな葉飾りを感じる頃
桜の花びらが終わりを繋ぐ

柔らかな小風に躍る様に舞い
真新しい制服の肩に留まり
ベンチに腰かける人の横に降り
配達荷物を抱え働く人の手に忍び留まり

段数の多い階段を見上げた光景は
階段を上がる事に心が躍る様な
踏む事を躊躇う様な
登りたい気持ち

もっとみる
初めての舞台(小さな記憶)

初めての舞台(小さな記憶)

「道路に出たら危ないさかいにな。
       出たらあきませんで。」

「う..ん...。はい。」

「大人しい子やな。何や皆と遊ぶの嫌か。」

「いや...。......」
(まさか、意地悪されるとは言えんな...)

京都の昔ながらの日本家屋と長い路地。
着物姿を貫く凛とした祖母と孫である少女
の会話が響く。

「お酒を配達してくれはるから、
     来たら言うてな。 ほなな。」

もっとみる
 春の待ち方

 春の待ち方

冷たい風が吹く春の日。
皆が口々に桜を待つ話しをしている。

桜の気持ちはどうであろうかと想い
桜の木の下に行ってみる。
桜に問いたところで返事など無くただ眺める。

桜が喜びの音を奏でる様に咲くと命達は喜ぶ。
桜の帯が日本を包む頃には命達の喜びは
満開となる。

全ての壁を超えて与えられる喜びは奇跡の風景。
命達は、喜びに溢れるからこそ咲く姿を待つ。
改めてその奇跡に感謝をする。

立ち去る前に

もっとみる
木蓮の花

木蓮の花

春便りが届く頃
少しずつ日暮時が足踏みをしてくれる
そんなゆったり時間は心が喜ぶ

お目当てのパン屋さんで
お目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。
そのベーグルを公園で元気に遊ぶ子供達の姿を
見ながら、3口の摘み食いをする事をお昼間に決定していた。

公園に近づくと雨上がりだった事に気が付く。
お昼間は忘れてしまう程の小雨だった。
霧の様な小雨も降ったり止んだりすれば
木々に沢山

もっとみる
空に放った言葉達

空に放った言葉達

春を迎える準備の霧雨の夕方
お気に入りの紫色の傘を広げたいからさす。

週末の仕事帰りの夕方はいつも人通りが少ない
道行く人は皆ご機嫌な顔をしているから自分ではお気に入りの時間。

お気に入りの紫傘をクルクル回して歩いていると
前から笑顔の親子連れが歩いて来た。
自転車の補助席に幼子を乗せ、母であろう若い女性が美しい母性の笑みで見つめる。

横に寄り添い歩く父であろう若い男性が2人に雨カッパを優し

もっとみる

黄色

黄色が好きです

シンプルな宣言に蓋をしたのは友達の小さな
否定する言葉だった
今となれば笑い話である

この世界にははじめから色の付いた物体は無いらしい
物体に色があると感じさせるとは光の作用

人間が見えているのは
物体に吸収された波長以外の残った波長

色が伝わる人間の不思議に感動した日がある

人の目は明暗のコントラストに特に敏感らしい
その中の黄色の存在
黄色は色の中で最も明るく
背景が

もっとみる

赤い林檎

頭の中に浮かぶ言葉は沢山ある
書き留めた紙が増える
最近は、不思議と自分の外に出す事を休んでいた
理由は自問自答しても出て来ないまま

差し替えに隙間時間があれば絵を書いていた
人様に見せる事の無い絵

絵を描きながら初めてデッサンを学んだ日を
思い出した
赤い林檎を前に描いた時間
今では当たり前の事に感動した日

視野を広く
引いて引いて見る

全体を見ると絵のバランスが解る
下手なりに目の前の

もっとみる

小さな虹

早朝、キッチンの隅に小さな虹が写っている
驚きと喜びに手元を止めて振り向くと
朝を告げる光が差し込んでいた

僅かな時間で消えてしまう幻想をどうしても
堪能したくて見つめていた

7色の小さな虹の中に8色目を探す
数分間の挑戦は自らの力になった

8色目はきっと自分の中にあるのだろ
自分が良ければそれで良いと思う

静かに 優しく 消えていく虹
表現する言葉を探した