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平安時代って【フォトギャラリー短編】

紫「平安時代って言われるけど、なかなか大変なのよ」
清「そうそう、なんだか『ミヤビ―』みたいな響きにだまされて、優雅だったんでしょなんて聞かれるけど、人の世はそうそう変わらないものよね」

紫「十二単だって、たくさん着れて、いいわねーー、華やかですね―――って」
清「寒いからよ。そして・・・重いのよ」
紫「なんかたくさん着た方がおしゃれみたいなブームが来たから、みんな着たに決まってるじゃない。今から考えると、ありえない」

紫「歌なんか詠んで、いいですねーーーって」
清「全然いいもんじゃないわ。接待よ、接待。得意な人はいいけど、そうじゃないと恥かいたりするし。二次会で歌会があると、朝から気分は落ちるわよ」

紫「この『平安時代』ってのも、だれが言ってるの?
わたしたち、知らなかったんだけど。桓武天皇っていうえらい人が、山城の国の愛宕葛野に平安京っていうでかい都をつくったんだけど、そんなことは地方の人は知らないし、どうでもよいことよね」
清「そうそう、たったそれだけのことなのに、なぜかこの時代を『平安時代』と呼ぶなんて。なんて安直な考えなんでしょう。」
紫「地方では大雨や嵐も来てるし、戦だって終わってないところもあるし、昨日は牛車が大暴れしてけが人も出たって言うじゃない」
清「本当。名前だけで甘く考えないでほしいわ」
紫「どの時代だって、真剣に生きてるよ」

紫・清「『平安時代』なめんな」

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