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日本の畜産、豚さんについて調べてみました🐷

いつもお立ち寄り頂き、有難うございます。
今日は、日本の畜産
その中で、豚さんについて
全体像や基本的な考え方等を纏めてみました。

興味ある方は、最後までお付き合いください。
情報源が少なく、かなり苦労しました。


1.ざっくりな歴史と今日の豚肉畜産業界


・日本人は本来、稲作を中心とした農耕が基本。
・イノシシやシカをはじめとする野生の鳥獣を狩猟して食べることこそあったが、家畜の飼育は主に牛馬使役が中心、食用の家畜を組織的に飼育することはなかった。
・明治時代以降に発展。
・今日では畜産物は日本人の生活に欠かせない食材、生産性も他国に比べ引けを取らない水準にある。
・近年は、他産業同様に、高齢化や後継者不足の問題に直面。
種畜や肥料の輸入依存度が高い加工型家畜の為、肥料穀物の価格や、為替レート、エネルギー価格の変動など、国際的な影響を大きく受ける産業構造にある。
・この問題に対処する為に、遊休農地の有効活用、耕畜連携、自給型畜産への転換が課題となっている。
日本で消費する豚肉の約51%が輸入品。
世界で進むスマート畜産。

・アニマルウェルフェア
動物を飼育する際の倫理規範。
アニマルウェルフェアの考え方に対応した 豚の飼養管理指針(農林水産省)
pig.pdf (maff.go.jp)

・豚肉や鶏肉は、同じ部位なら国際価格で取引されるため、海外市場に挑むのは難しい。牛肉とは違う。

・様々なスタイルの6次産業化
三重県伊勢市「伊賀の里モクモク手づくりファーム」

(45) 農業体験できる人気スポット 伊賀の里モクモクファーム(2023/2/1放送「よしお兄さんのみえ推し!」より) - YouTube

埼玉県日高市「豚のテーマパーク」

(45) 【サイボク】ブタのテーマパーク行ってきた【飯テロ注意】 - YouTube

2.豚の特徴と品種と一生

特徴
・豚はイノシシ科の動物。
・野生のイノシシが長い年月をかけて人に飼育され、家畜化されたもの。
・畜舎の中でも放牧でも、1日の7~8割は横になって過ごし、残りの時間の大半はエサを食べたり、水を飲んだりしている。
・反芻動物ではなく、胃はひとつ。
・体温調整機能が十分に発達ぢておらず、水浴びやドロ浴びを好む。
・性成熟期を迎えるのは、雄で生後7か月齢、雌で8カ月齢頃。
・雌豚の妊娠期間は平均114日で、子だくさんで一度に10頭前後出産する。
品種
・現在、世界的に普及している豚の品種は約30品種。
・ランドレース種 デンマークの在来種に大ヨークシャー種を後輩しえ誕生した大型の白色種。
・大ヨークシャー種 
イギリス原産の大型の白色種。
・中ヨークシャー種 
イギリス原産で、大ヨークシャー種よりも早く成熟し、筋肉質。1960年代前半以降、激減。
・バークシャー種 
イギリスの在来種に中国産などを交配して誕生。四肢や尾の先端、顔の先以外は黒いのが特徴。肉は良質、鹿児島県の黒豚は本種。
・デュロック種 
アメリカ東部原産で、肉質と肉づきがよく経済性の高い豚。
・金華豚 
中国元さの小型豚。頭部と腎部が黒色、ほかは白色。
本種を使った中国の金華ハムは有名。
・梅山豚 
黒色の大型種。日中国交正常化の際に、中国から贈られたが、その後輸出が禁止され、日本ではわずかしか飼育されてない、幻の豚。
・アグー豚 
約600年前に中国から導入され、飼い続けられた小型の鳥豚由来の黒豚。系統を保持し、ブランド化されている。

・日本国内で一般的に飼われている品種(純粋種)は、ランドレース種と大ヨークシャー種、デュロック種が中心で、他にバークシャー種や中ヨークシャー種などもいる。肉豚として出荷される多くは、これらの純粋種の特徴を活かした、雑種が用いられる。
・現在最も多いのは、雑種強勢の原理に基づき、肉づき、肉質がよいうえに、繁殖性も高くなるように3種類の純粋種を掛け合わせた「三元交雑種」、所謂三元豚。

一生
・繁殖用の親豚は、種豚といわれ、雄雌どちらも豚も含む。
・母豚は1年間に2~3回、生涯で8~10回出産し、その後は食用とされるが、日本での一般的な飼い方。
・生まれた子豚が雄の場合、生後3日ぐだいで共勢される。
・肉用に育てる場合の発育ステージは、子豚期と肥育期の2段階に分かれる。
・子豚期は、生後10週齢頃、体重40㎏くらいまでの段階。
・肥育前期は、体重60~70㎏までの段階で、骨格や筋肉、内臓が発達する時期。良質のたんぱく質やミネラル、ビタミンを十分に与える。
肥育後期は、約110㎏で出荷するまでの段階で、赤身肉を増やし、脂肪を適度に沈着させることで美味しい肉に仕上げる。出荷されるのは生後約200日。

3.豚肉の8つの部位・含まれる成分・格付け

8つの部位
①ネック(トントロ、Pトロ、首肉、ジョールミート)
赤身と脂身が層になっている。脂肪が多いが歯ごたえ有。焼肉や煮込み料理に。
②肩(うで)
運動量が多いため、きめがやや粗く、かため。赤身が多いが脂肪も含む。薄切りや角切りにして、シチューやカレーに。
③肩ロース(カラーミート)
豚肉特有の脂の香りがしてコクがある。焼き豚や焼き肉、ソテー、炒め物のほか、煮込み料理にしてもおいしい。
④ロース(ヘレロース、くらした、腰、バックストラップ)
脂肪がほどよくつき、柔らかくきめが細かい。外緑の脂肪にうまみがたっぷり含まれる。トンカツ、焼豚、ソテーなど幅広く利用できる。
⑤ヒレ(フィレ、ヘレ)
1頭の肉量に対し、2%しかとれない。豚肉の中で最もキメ細かくて柔らかい。脂肪がほとんどなく、淡泊。トンカツやステーキだど油を使う料理に向く。
⑥バラ(三枚肉、カルビ、スペアリブ、ソーキ)
助骨のまわりにあり、赤身や脂身が層になっている。コクがある。角煮などにむく。骨付きのものがスペアリブ。
⑦モモ(うちひら、まる)
足のつけ根に近いうちももとその下のしんたまからなる。筋肉が集まり、脂肪が少なくいめが細かい。かたまり肉を使うローストポークなどの料理に向く。ボンレスハムにも使用。
⑧そとモモ(そとひら)
モモのうち、尻に近い部位。運動量が多いため、きめが粗く、固い。ひき肉や薄切りにしてソテーや炒め物に使う。色の濃い部分はとくにきめが粗いので、煮込み料理に使用。

成分等
・牛肉ほど、部位による肉質の違いは大きくない。
・三大栄養素のたんぱく質、脂質が含まれている。
・ビタミン、ミネラルも、健康維持には欠かせない。
・豚肉は糖質を分解したり、疲労回復を助けたりするビタミンB1が豊富。
・内臓は柔らかくあっさり。
・豚肉の内臓も、牛同様、ほとんどの部位を食べることができる。
・豚肉の脂肪の融点は28~48℃で、牛肉の40~56℃対比低めの為、冷しゃぶなどの冷たい料理でも、人間の体温より脂身が口の中でとろけ、おいしく食べることができる。
・うまみ成分のグルタミン酸やイノシシ酸が比較的多いのも旨さの理由。

格付け
・豚肉は、豚枝肉取引規格に従って格付けされる。
基準は、重量と背脂肪の厚さの範囲、外観(全体のバランスや肉づき、脂肪の付き方、損傷がないか等)、肉質(肉の締まりやきめ、肉の色沢、脂肪の色沢と質、脂肪の沈着)の3つ。
・総合的に、「極上」、「上」、「中」、「並」、「等外」の5等級に格付けされる。

4.世界で一番は豚肉を食べる国は?

・第1位 韓国
・第2位 ベトナム
・第3位 チリ
・第4位 中国
・第5位 米国

第1位の韓国 豚バラ肉(三枚肉)を焼いたもの、サンチュやエゴマの葉で包んで食べる。
第4位の中国 青椒肉絲は、豚肉や牛肉と細切りのピーマンなどを炒める。酢豚など豚肉を使った中国料理は日本でもなじみ。
その他ドイツ アイスバインとって、塩漬けの豚の足の骨付き肉を柔らかくゆでてマスタードにつけて食べる料理も有名。
イスラム教徒やユダヤ教徒は、豚を飼育したり、食べたりすることは禁。

5.日本各地の豚肉料理

・北海道 豚丼
薄切りの豚肉を焼いて、丼のご飯の上にのせたもの。北海道では開拓時代から豚を飼育しており、豚丼は帯広なので名物料理になっている。
埼玉 やきとり
やきとりの名が付くが、豚のカシラをつかし、辛みそをつけて食べるのが特徴。東松山市を中心に多数の専門店が存在。
・神奈川 しろころホルモン
ホルモンとして流通する豚の腸は、縦に割き平たくなっているものが多いが、しろころは割かずに管状のまま。内側が脂質で、網焼きで食べる。
・愛知 みそカツ
トンカツい、赤みそで作った甘いみそだれをかけるのが特徴。名古屋名物として知られる。
・鹿児島 とんこつ
ラーメンのとんこつではなく、骨付きのバラ肉を炒めてから、しょうゆやみそ、黒砂糖や焼酎で味をととのえ、桜島大根やサツマイモ、シイタケなどと煮込んだ料理。
・沖縄 ラフテー
沖縄の代表的郷土料理。皮つきのバラ肉をしょうゆと砂糖、泡盛などと煮る。沖縄には、ソーキ(バラ肉)そばやミミガー(耳)の酢味噌和えなど、豚肉を使った多彩な料理がある。

6.豚肉を使った加工品

・ハム、ベーコン、ソーセージ

【ハムの製造工程】


7.豚の糞尿処理


・家畜の1日の排せつする糞尿は大変な量。
・体重30~110㎏の肥育豚は糞と尿をそれぞれ3㎏ずつ排せつ。
・家畜の糞尿は、野積みや素堀りといった不適切な管理によって悪臭が発生したり、河川へ流出して水質汚染を招くなど、環境問題の要因となる一方で、肥料として畑に還元し、土作りに役立てることができる。
・1999年に家畜排せつ物法が成立して以来、たい肥処理施設の整備が進み、糞など固形の排泄物は処理しやすく、多くの場合発酵させて堆肥にする。
糞と尿を分離し、ハウス乾燥させると効果的。
・尿は、液肥として農地に還元。浄化装置には多額の費用がかかる。

8.家畜の伝染病と獣医師


・獣医師は国家資格。深刻な産業動物の獣医師不足。
・豚熱は、家畜伝染病予防法の特定家畜伝染病に指定され、同じ飼育場の1頭でも感染すれば、蔓延防止の為に、前頭を殺処分しなければいけない厳しい処置がとられる。
・農場HACCP、農林水産省

9.養豚農家の経営実情


・養豚農家の総数は減少傾向。
大規模一貫経営(繁殖から肥育、成豚出荷まで)が増加。


・上昇する飼料価格がコストを圧迫。
・日本の肥料自給率は約25%と低い。


・都道府県別豚生産量ランキング

・耕畜連携
肥料自給率を高めると共に、国家間地域間での物資循環バランスを整える。

・窒素を地域内で循環させる~熊本県阿蘇地方、世界農業遺産登録


10.豚肉の流通と消費動向

流通

【豚肉の流通】


消費動向
・節約志向、健康志向、物価高
・安全志向
・国産ブランドへの関心
・価格の手ごろさ、料理のしやすさ
・インバウンド需要も見逃せない


11.ブランド豚

・三元交配で量から質の時代到来
・飼育方法により高付加価値化

全国の主なブランド豚
・折爪三元豚・佐助 
久慈ファーム 岩手県二戸市
非遺伝子組み換えの穀類肥料に200万~300万年前の地層から搾取された植物性炭化物を加えることで、くさみやアクを要因を除去。

・平牧三元豚
平田牧場 山形県酒田市
肉質を最優先した三元交配を行う。餌の選定や飼育管理についても、食の安心・安全の確保の為、様々な自主基準を設ける。

・平牧純粋金華豚
平田牧場 山形県酒田市
金華ハムの原料で知られる中国小型豚。成長は遅いが、絹の様に細やかな肉質が特徴的。交配種もある。

・和豚もちぶた
グローバルピックファーム 群馬県渋川市
交配に用いる原種豚生産の段階から徹底した系統管理を行い、優秀な豚を選抜。ばらつきのない高品質な味わいの三元豚を生産。

・スーパーゴールデンポーク
サイボクハム 埼玉県日高市
三元豚の味を世に知らしめた、ブランド豚のパイオニア。豚肉に特化した直営の直売所にはレストランシェフも備える。

・元気豚
ジェリービーンズ 千葉県多古町
三元交配の中でも、とくにサシ(筋間脂肪)が入りやすい血統のみを選んでいる。ストレスを与えない管理や、飼料配合へ拘り有。

・かごしま黒豚
鹿児島県黒豚生産者協議会のブランド。鹿児島県畜産試験場が開発した黒豚の系統をサツマイモを与え飼育。

・あぐー
JAおきなわの登録商標で琉球在来黒豚アグーの血を50%以上有する豚肉。交配雄はアグーに限る。雌は西洋豚、アグー、交配種のいずれでもも可。

近年は、品種特性だけではなく、餌の原料や配合方法、飼育環境などに独自のこだわりを盛り込むことで、付加価値を高めている傾向。
その銘柄数は、県レベルで推奨するものや、同じ飼育方法を実践する事業者による横断型のブランド、個人が立ち上げたもの、更には商標登録されていない通称に近い名前を含めると、数百及ぶ。


12.最後に 今の僕の気持ち



いかがでしたでしょうか?
私達に安定した日常を与えてくれる豚さん🐷

豚さんを取巻く状況を整理してみたいという好奇心からはじめたのですが、興味は更にふくらみました。

今回の情報整理を通して、本当に微力ですが、私で良ければ何か貢献したいと思う様になりました。

それでは♬
最後まで、お付き合い有難うございました。



世の中の人の役に立ちたい。人生を勇気付けてあげたい。会社の成長を応援したい。その為の「癒し活動費」に充当させて頂ければと思っております。厚く御礼申し上げます。