本荘 悠亜 YuaHonjo/Piano

ピアノ指導者・ピアニスト🎹滋賀出身→灘高→東大美学芸術学科→桐朋学園大学院大学ピアノ科…

本荘 悠亜 YuaHonjo/Piano

ピアノ指導者・ピアニスト🎹滋賀出身→灘高→東大美学芸術学科→桐朋学園大学院大学ピアノ科修士/演奏会企画/Piademy主任講師・KLASSE講師/PTNA指導会員

記事一覧

デジタルピアノをめぐって―2台デジタルピアノ演奏会『白と黒で』への寄稿

本稿は、2024年2月25日(日)に開催される、2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」本公演に寄せた文章である。2018年に筆者が東京大学美学芸術学研究室で執筆した…

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』/1月30日(火)19:00のプレイベント「公開リハーサル」の取扱説明書

「デジピ2台」を定義するプレイベント 来る2024年2月25日、「2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」 本荘悠亜/横山博」が開催される。本邦初といってもよい、2…

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—②選曲とプログ…

デジタルピアノで何を演奏すべきか?デジタルピアノのみで演奏会をするとなると、まず最初に考えるのは「選曲」だろう。デジタルピアノの良さが伝わる曲、デジタルピアノ…

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—①デジタルピア…

※本シリーズでいう「デジタルピアノ」とは世間一般でいわれる「電子ピアノ」のことである。カッコつけて言っているのもあるが、現代の社会の用語法になるべく合わせたい…

最高の楽器を求める調律師×モダンピアニズムの邂逅

音の実験場に置かれた「ベーゼンドルファー・インペリアル」上野さんのベーゼンドルファーを触らせていただくのはちょうど10年ぶりだった。 当時は高校生だった。その記憶…

疾走するピアニズム ~二台ピアノの「響き」リサイタルを聴いて~

普段、コンサートの記録などめったに書いたりはしないが、この記憶を残しておきたくて筆を執ってみる。 私のピアノの師である黒木洋平先生のジョイントリサイタル 「松岡…

デジタルピアノをめぐって―2台デジタルピアノ演奏会『白と黒で』への寄稿

デジタルピアノをめぐって―2台デジタルピアノ演奏会『白と黒で』への寄稿


本稿は、2024年2月25日(日)に開催される、2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」本公演に寄せた文章である。2018年に筆者が東京大学美学芸術学研究室で執筆した卒業論文《テクノロジーによるスキルの代替が音楽演奏の定義に及ぼす哲学的問題―ゴドロヴィッチの演奏論を中心に―》における議論を、本公演における状況に照らし合わせて発展させた試論を含む。なお、本稿は来場者に配布されるプログラム冊子に

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2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』/1月30日(火)19:00のプレイベント「公開リハーサル」の取扱説明書

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』/1月30日(火)19:00のプレイベント「公開リハーサル」の取扱説明書


「デジピ2台」を定義するプレイベント

来る2024年2月25日、「2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」 本荘悠亜/横山博」が開催される。本邦初といってもよい、2台の電子ピアノを用いて、本格的なピアニストが20世紀の音楽―ホルストからライヒまで―を演奏するコンサートである。本コンサートは、東京都歴史文化財団、アーツカウンシル東京のスタートアップ助成にも採択された挑戦的企画である。

※2

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2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—②選曲とプログラミングにおける工夫

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—②選曲とプログラミングにおける工夫


デジタルピアノで何を演奏すべきか?デジタルピアノのみで演奏会をするとなると、まず最初に考えるのは「選曲」だろう。デジタルピアノの良さが伝わる曲、デジタルピアノだからこそ作品の価値がより適切に伝わる曲、デジタルピアノを使うことによってより一層思いがけない点に気づかされる曲など・・・。通常のアコースティックピアノを聴き慣れた人をハッとさせられるような何かが必要だ。
そこで、今回の『2台のデジタルピア

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2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—①デジタルピアノの優位性とは?

2台デジタルピアノによる演奏会Project『白と黒で』について —「アコースティック第一主義」へのアンチテーゼ—①デジタルピアノの優位性とは?


※本シリーズでいう「デジタルピアノ」とは世間一般でいわれる「電子ピアノ」のことである。カッコつけて言っているのもあるが、現代の社会の用語法になるべく合わせたいのである。たとえば、パソコンのことを「電子演算機」などという人はいない。DX、DXと世では言うではないか!ピアノ界がDX=トランスフォームする必要はないが、デジタルと共存共栄することはアコースティックの奏者であれ逃げてはならないのだ。

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最高の楽器を求める調律師×モダンピアニズムの邂逅

最高の楽器を求める調律師×モダンピアニズムの邂逅

音の実験場に置かれた「ベーゼンドルファー・インペリアル」上野さんのベーゼンドルファーを触らせていただくのはちょうど10年ぶりだった。
当時は高校生だった。その記憶、感触はかすかに残っていたが、ほとんど薄らいでしまっていた。
ただ当時、全く楽器と仲良くできていなかった、という悔しさだけは心の奥底にあった。

それから10年、自身のピアニズム、奏法にも大きな転換があった。
「あの楽器を今触ってみたらど

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疾走するピアニズム ~二台ピアノの「響き」リサイタルを聴いて~

疾走するピアニズム ~二台ピアノの「響き」リサイタルを聴いて~

普段、コンサートの記録などめったに書いたりはしないが、この記憶を残しておきたくて筆を執ってみる。

私のピアノの師である黒木洋平先生のジョイントリサイタル

「松岡優明&黒木洋平 二人のソリストによる二台ピアノの『響き』vol.1 東京公演」

に行ってきた。コロナの影響で、純粋に鑑賞目的でホールでのコンサートを聴くのは半年以上ぶりかもしれない。

ジョイントリサイタルといっても、全曲目が2台ピア

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