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短歌たち

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記事一覧

都会にて

東西線高田馬場にて突然に始まるParis Collection参勤交代 

青森に行くのはベトナム行くぐらい未知をしていてのたれ死ぬかも

ふわふわの犬の毛光る雨の夜 私、本当はどこにいるのか

仰々しい音を立ててうごめく。
ビル、光る。
あの頃は唯わくわくして、きらきらした景色だったのに。
網戸越しに見ている。私には、自分の地面を作れない。自分の目の前の全て、何も作れない。

考えて?東京の夜に

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秋が暮れる

落ちているイチョウ全てを押し花にしたい、このまま、貴方の季節

この秋が最後というのに部屋の前 青い木を金木犀と知る

「恋人と別れる時がわたしにも来るのだとしてそれが死であれ」

舞い上がる落ち葉は後追うブライダルカーの如くも君は居なくて

初歌

春らしい空に木に影穏やかに懐かしくなる防波堤前

ブイまでは一緒に行くよと父が言い そこから先に放たれる稚魚

君とならどこまで行けるかなとよぎる 夕暮れ誰もいない公園

いつの日か 春で会えたら新しく 同じの季節始めませんか

穏やかに波打つ心が今は良い
どんな大人になろう、と思う

Tシャツが乾いた空気を飲みつくす 夏ってえっち、熱いんだから

どこまでも続く山です登っても途中で下山ばかりして

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旧暦

牛乳を温めるこの優しさを 知ったその日を私が生きる

お茶淹れる母のカップのあの蓋を 私も欲しくなる歳となり

立体のタイルが私にそれぞれの規則性にある愛を教える

すっぴんが不細工だってティーパック入れて紅茶は幸せだから

もうずっと晴れてればいい部屋の中 椅子に座って青空がいい

2階でもたまに希望があってね ほら窓、アパートの隙間から空

太陽の光の中でそよぐ草 それになりたくて目を閉じます

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どこへ

どこへ

ずっとそう、わかって欲しかったんですね
貴方が私の紙ストローで

とても星綺麗で つぼみ夏に咲く
『祝日』しみる「若気の至り」

流れてく景色に心が置いてかれ また戻ってきた私は同じ

今更に恋かのように思い出す 
自己嫌悪まで光が包む

半袖の秋

これからは私、素直に生きます。と バチバチの四条河原町に泣く

君はどう?私は揺れて、この松の夕日の中の影が好きです

私今優しくないな半月がとてもきれいに割れている夜

太陽の中にいるときだけ、私 やさしくなれる埃なんです

半袖で芋を食ったがそれだけでもう戻らない焦る木々たち

静止した空気の中で唯一つ 乾いていくのは昨日着た服

8月末 

8月末 

スーパーで出会った日から好きでした そういえば同じ名前のあの子

久々の出会い頭に腕時計 褒めそうになり慌ててとめる 

同じ名の人は同じの運命を辿ることになる ことはなかろう

チョコ饅頭あなたは誰に買ったのか 旅行の度に気になる土産

昼間から猫を撫でてしまったから 木の葉が伝う今が寂しい

駅前の箱たちなんかに人生を預けてたまるかチャッカマンの火

夏始

車窓から見えるコンビニ私にも 流れて欲しくない日々がある 

初恋の炎を燃やす。無印の金木犀のお香の話

あなたからこぼれた言葉わたしには おそらくずっと解らないこと

ベランダでロミオとジュリエットができる
そんな夢から早7ヶ月

傘をさす子らが綺麗で雨が好き そんなの窓から見てるからだろ

夏祭り「期限5日切れベーコン」壁にぶつかるセミ 洗い物

あなたとの暮らし

あなたとの暮らし

窓の外響く声たちわたしたち 今しかここは居場所ではない

幸福は測れぬものでこの道を 二人で歩けば気づけないもの

居ないのに香ってしまうひやり風 あなたがくれた羊羹の店

生活をきちんとしたい自立したい あなたに会いたい両立したい

共感が恐ろしいものに思えたら 引きで捉えてクローズアップ

交差点右斜め前立方体 作り笑顔を想像します

夕刻を柳を通し感じてる あなたが住む街それがどうした

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京都暮らし半年

京都暮らし半年

炒飯と暖房求めて早足で サッカー少年あなたが希望

憂鬱な朝に差し込む太陽が急いでサボテン窓際にうつす

ペラペラの書道セットの広告と 2列で歩くできたお前ら 

分かりやすい命を壊した罪はもう そろそろ許して卵の殻よ

椿みる散歩のことを思い出す 知らない路地とまだみぬ未来

姿勢良く生きると決めたあの日からもう3日やで偉いよ私

箱の中光る家々私にも間接照明のぬるさを下さい

昼間しか空いてな

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