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真っ黒バナナの蘇生術〜マイ・バナナ・タタン

あれは先週も終わりに差し掛かった頃、私は冷蔵庫の野菜室の中からまた見つけてしまった。愛犬みるぅのKKを彷彿とさせる、黒い物体を。

これがバナナ? そんなバナナ〜〜!🍌

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古めかしいギャグのひとつも飛ばしたくなる。
バナナよバナナ、いったい全体、どうしてあなたはすぐに黒くなるの?

我が家のバナナ事情。私は滅多に食べないのだが、Otto氏が朝ごはんに食べたりおやつ用に職場に持って行ったりするので、気が向いた時に緑から黄色になりかけくらいのものを3、4本くらい買いおきしておく。

買った時は緑だったのに、少し食べどきを逃すと黒い斑点がぽつぽつ現れる。
私のような全身ほくろ人間的には親近感さえわくのだが、少しでも黒くなってくると完全に無視モードに入るOtto氏。

こうして放置されたバナナは、いつしかその存在を忘れられ、ひょんな瞬間にその姿を現す。

そんなこんなで久しぶりにやってきたこの真っ黒バナナ。
事件は目の前で起こっている。
保護責任者遺棄の罪を問われる前に、瀕死状態のこのバナナたちをいかに救うか、それが問題なのだ。

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反省しても同じことを繰り返す私は、noteをはじめて1週間目に「熟れたバナナをどうするかに関する考察」として、記事にした。

バナナブレッドやケーキはもうなんていうかリアルに作りすぎていたので、パイ生地とチョコを使ったバナナロールを創作。最後にズボラ癖が出て、ラムの香りどころかラム味となってしまったが、うまいこと大変身させることができた。

今回は市販のパイ生地もないし、同じものを作ってもナンセンスという完全なるnote思考が働いたため、また違うものを創作することに。

ひらめいたのは、フランスのお菓子、タルトタタンをバナナにアレンジした、命名バナナ・タタン。バナナとカラメル&バターって絶対相性いいし、タルト・タタンっぽい感じにできないかなーと思っただけのこと。まあいうても、タルト・タタンとの共通点はカラメルを最初に形に敷くのと見た目くらいなのだけど。

どちらかというと完成品はアップサイドダウンケーキという方が正しいのは承知しているけど、タタンのほうが響きが可愛いのでそのように命名。

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今回、材料なしで黒バナナのみでクイズを出してご意見を伺ったところ、最初に聞いておけばよかったというくらいの興味深い回答も。

一番近いのは、チョコチップクッキーさんのバナナプリンケーキでしょうか。プリンのカラメル部分がカラメル&バナナになってプリンがスポンジケーキ風に入れ替わったものなので。

また、「バナナを使ったヒョウ柄のケーキ」という斜め上系のお答えがカロリー大好きなおふたりから。noteご近所の皆さんの思考がついにぶっ飛び始めた!今度作ってみるぅ。

そしてPATAさんの「東京ばなな」。そういえばあれってどう作るんだろうとめちゃくちゃ気になり始めてしまったので、もしかしたらそのうち「パリばなな」が爆誕するかもしれません。

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作り始めるときはうまくいくかわからずUPする予定じゃなかったので材料とかちゃんと撮っていないのだけど、ご容赦を。

バナナを縦半分に切ってならべたほうがバナナ感が出るような気がしたけど、これでは底の表面積を埋められないのではと思い、ここは一か八か、薄くスライスして敷き詰めることに。バナナはこれまた切って空気に触れるとすーぐ黒くなるので、レモン汁をまわしかけておこう。型にはバターを塗っておく。

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まずはカラメルバター作り。砂糖40gと水少々を火にかける。

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これくらいに色ついてくると、これまたあっという間にすぐ焦げるので、慎重に。

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お好みの色になったら、熱湯を大さじ2くらいいれて混ぜつつ、バターを20g入れる。岩塩もふたつまみくらいいれた。甘じょっぱいほうが好みですからね。

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熱いうちに型にいれよう。

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さて、ここからが今日のメインとも言える、バナナの底詰。私の空間把握能力が試される場だ。

ボキューズのじゃがいもウロコを彷彿とさせる作業。
中央からいくか、外側からせめるかで迷ったけど、出来上がったときに中央が盛り上がっていたほうが美しいし、最後の数合わせを外側にもってきたほうがいいなと思い、慎重にすすめた。

その結果・・・

ピッタンコカンカンで1枚も無駄なく敷き詰められたんですけど!
自分でいうのもなんだけど、空間把握能力、冴えすぎじゃない??

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あまりにうまく敷き詰められたので、もうなんだかこれだけでお腹いっぱいになってしまったのだが、これで終わりじゃありません。

これからここに注ぐケーキ生地を作る。

ボウルを2つ用意して、片方にはグラニュー糖60g、卵2個。もう一方には薄力粉60g、アーモンドプードル10g、ベーキングパウダー1gを用意。

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卵とグラニュー糖の入ったボウルを湯煎にかけて人肌くらいの温度にしながら、ハンドミキサーで攪拌する。

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白っぽくもったりするまでハンドミキサーで混ぜよう。

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粉類をふるって入れて、ゴムベラで混ぜる。

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粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、溶かしバター50gを入れてさらに混ぜて、ケーキ生地の完成。

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ケーキ生地を型に流し入れて、180度に熱したオーブンで30分ほど焼いたら、できあがり。

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いい感じに焼けている。
プリンを作る時にもよくあるのだが、カラメルが固まってしまうと綺麗に型から取れないので、生温かいうちにひっくり返す。ナイフで周りに切り込みをいれつつ、どきどき。

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おおおおお!ビューティフォー。

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予想以上にきれいにできたんですけど。
しかも、カラメルがこれまたいい感じに奇跡的なグラデーション。

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切ったところ。ちゃんとケーキになっておる。

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焼き菓子は1日寝かせたほうが美味しい。
翌朝、いただいた。

自分で言うのもなんだけど、あえてパリのはしっこから大声で叫ぶ。

我思衝撃的美味!


めっちゃ美味しいんですけどー。
カラメルとバナナ最高。
もう今後、黒いバナナは全部これにする。たぶん。

甘いものに辛口、スイーツ大好き乙女なOtto氏も、ひとくち食べて美味しいと。
その後、ウイスキーをとぷとぷとかけて平らげていた。
なんでもババ・オ・ラム的な食べ方をするなこの人。


とにもかくにも、今日もこうして、瀕死の真っ黒バナナを蘇生することに成功したドクターYなのであった。


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ワタシ、失敗しないので(by ファンキーサンタ)



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