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ペルーの日々。こころの灯台

朝起きて、リビングに行くと、リッキーがたくさんのパパイヤを使ってフレッシュジュースを作ってくれていた。気がついたらもう10日以上もここで暮らしている。この日は滞在…

yuicoro
7日前
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キューバの日々。未完成のジグソーパズル

キューバに長く居すぎてしまった。そう思いながら、またハバナに戻ってきた。 最後にお世話になったカサのお母さんは、すごく素敵な人だった。家は骨董品などキラキラした…

yuicoro
3週間前
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キューバの日々。動かない時計

ハバナでスリとぼったくりに合い、いそいそとサンティ・スピリタスという小さな街に来た。1514年に建設されたスペインの植民地都市で、現役で馬車が活躍している、ロマン溢…

yuicoro
3週間前
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メキシコの日々。旅の放棄

旅をして、10日が経とうとしている。 最初の数日は海外一人旅そのものの経験がないので、ずっと緊張していた。すこしハイテンションだった。バスや電車の乗ること、バック…

yuicoro
1か月前
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LAの日々。ドラムサークルとビリヤニ

LA滞在最終日。旅の日課の散歩をして宿に帰る途中、ビーチに人々が集まっている。よくみると、好き好きの打楽器を持ったヒッピーぽい人々が音を鳴らしていた。 すごく楽し…

yuicoro
1か月前
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四万十での日々

朝起きて外を見たら、宿のホストのJeffryが畑で何か野菜を取っていた。昨日の夜に到着した時は真っ暗で何も見えなかったけれど、朝日に照らされた大きな窓には、真っ白な太…

yuicoro
1か月前
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今日も明日も旅しよう

鎌倉の海の近くの古民家で、約2年半やっていた民泊ホストをやめた。 年間およそ230組、全部で600組ほどのゲストさんをむかえた。 「じゃあ、あとはよろしくお願いします」…

yuicoro
4年前
7

春風とわたし

ずっしり重たいコートにくるまって、くるくるとマフラーを巻いて、両手をポッケにつっこんで出かけるのがすごく好きなのだけど、マフラーが、コートが、一枚一枚いらなくな…

yuicoro
5年前
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ペルーの日々。こころの灯台

ペルーの日々。こころの灯台

朝起きて、リビングに行くと、リッキーがたくさんのパパイヤを使ってフレッシュジュースを作ってくれていた。気がついたらもう10日以上もここで暮らしている。この日は滞在最終日で、彼の姿を見たら自然に涙が溢れた。泣きながら、ここでの暮らしが自分にとてもフィットしていて、かけがえのないものだったんだということにはじめて気づく。

南米ペルーにやってきた。リマ空港から12時間、夜行バスに揺られて、パカズマヨと

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キューバの日々。未完成のジグソーパズル

キューバの日々。未完成のジグソーパズル

キューバに長く居すぎてしまった。そう思いながら、またハバナに戻ってきた。
最後にお世話になったカサのお母さんは、すごく素敵な人だった。家は骨董品などキラキラしたもので溢れていて、お金持ちのようだった。

チェックインを済ませるとすぐに、カサのお母さんに連れられ、家の近所を歩き回った。10メートル毎に出くわすご近所さんに挨拶しながら、さりげなく私のことを紹介してくれた。すごく嬉しかった。
カサに帰る

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キューバの日々。動かない時計

キューバの日々。動かない時計

ハバナでスリとぼったくりに合い、いそいそとサンティ・スピリタスという小さな街に来た。1514年に建設されたスペインの植民地都市で、現役で馬車が活躍している、ロマン溢れる街並みだ。

ただ、観光地ではあまりないらしく、旅人である私にとって生活するのが難しい。店自体かなり少ないのに加え、看板もなく、街を歩いて人に聞くしかない。水を買うにも、レストランに行くにも、30分は歩き回った。Googleマップは

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メキシコの日々。旅の放棄

メキシコの日々。旅の放棄

旅をして、10日が経とうとしている。

最初の数日は海外一人旅そのものの経験がないので、ずっと緊張していた。すこしハイテンションだった。バスや電車の乗ること、バックパッカーズで寝泊まりすること、レストランで食べ物を注文すること、チップを置いて行くこと。知らない人に話しかけ、質問して、英語でコミュニケーションをとること。

でも、1週間を過ぎてきたあたりから、かなり慣れてきて、そのひとつひとつが当た

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LAの日々。ドラムサークルとビリヤニ

LAの日々。ドラムサークルとビリヤニ

LA滞在最終日。旅の日課の散歩をして宿に帰る途中、ビーチに人々が集まっている。よくみると、好き好きの打楽器を持ったヒッピーぽい人々が音を鳴らしていた。

すごく楽しそうだったので近づいてみると、円の中心に笛を鳴らしている人がいて、そのリズムにあわせて、各々の楽器を弾いている。名前のしらない、見たことのない打楽器、打楽器、打楽器。楽器を弾く人々の周りには、踊ってる人、写真を撮ってる人、ただ座り込んで

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四万十での日々

四万十での日々

朝起きて外を見たら、宿のホストのJeffryが畑で何か野菜を取っていた。昨日の夜に到着した時は真っ暗で何も見えなかったけれど、朝日に照らされた大きな窓には、真っ白な太陽の光と、ぼうぼうと生い茂った庭と、もっさりとした山々がうつっている。

ここは高知県四万十市にある古民家の離れで、小さなキッチンとシャワー室と、ふかふかなベッドが2台、それから小さなダイニングテーブルがある。コンパクトだけど、天井が

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今日も明日も旅しよう

今日も明日も旅しよう

鎌倉の海の近くの古民家で、約2年半やっていた民泊ホストをやめた。
年間およそ230組、全部で600組ほどのゲストさんをむかえた。

「じゃあ、あとはよろしくお願いします」
スタートしてからしばらく一緒にホストをやってくださったオーナーは、そう言って家を離れて行った。ぴしゃりと引き戸が閉まった時、ああわたしこれからやっていけるんだろうかと、ひとり心細くなったことを、昨日のことのように覚えている。

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春風とわたし

春風とわたし

ずっしり重たいコートにくるまって、くるくるとマフラーを巻いて、両手をポッケにつっこんで出かけるのがすごく好きなのだけど、マフラーが、コートが、一枚一枚いらなくなっていく、あの感じも好きだ。

何かつっかえがとれたみたいに、からだがふわっと軽くなる。いつもの風景が、なんだか笑っているように見える。
くしゃみをしながら改札を出て、颯爽と階段を降りて、春もすぐそこ。

わたしたちは、いらないものとか、

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