リトルモスキートン‘24
――1:30 Am 蒸し暑さも増してきた初夏の日の夜中、寝ている最中にふと目を覚ました。それ自体はまあ、毎日よくあることだ。一寸ひと息ついてからまた眠ればいい――が、この時は様子が違った。右手の人差し指の先と、左の肘の近くが妙に痒い。痒みに気付いた時点では見た目に異常はなかった。しかし用を足して寝室に帰ってきた時に再び手と腕に目を走らせると、痒みの発生箇所つまり痒心地とその周囲が円形に腫れ、皮膚が盛り上がっているではないか。これは……拙い。
過ぎ去った時とともに存在を忘れ去