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ワークショップデザイン・ファシリテーションの失敗学:これまでの失敗ケース10選

以前に「アクティブラーニングの失敗学」に関する記事を書きました。授業の失敗の原因を学生に帰属させるのではなく、実践者自身が方法論を試行錯誤的に探求するアクティブラーナーになる必要があるのではないか、と書いたところ、現場の多くの実践者の方々から共感をいただきました。

そんな僕も、アクティブラーニングに限らず、これまで企業や地域のワークショップ実践のなかでさまざまな失敗を繰り返しながら、学びを重ねてきました。ワークショップデザインやファシリテーションに関する失敗事例については講座などでもよく質問をいただくのですが、なかなかナレッジを共有する機会がないため、この機会に印象深い失敗やミスをまとめてみました。

何をもって"失敗"なのかというのは難しく、振り返ると「結果、大事な教訓が得られた」とか「一時はどうなることかと思ったが、なんとか乗り切ることができた」というものも多いので、ある意味では"成長の糧"になっているので、そういう意味では取り返しのつかない"失敗"など、一度もなかったのかもしれません。けれども、当時は冷や汗をかいたり、脇汗をかいたり、傷ついたり、凹んだりしたもので、中には思い出したくないエピソードもあり、あまり検索に引っかかる形でオープンにしたくないため、今回は有料記事とさせていただきました!

今回紹介したのは「議論がいまいち盛り上がらなかった」みたいなよくある"生ぬるい”事例は紹介しておらず、基本的に「あれは辛かった」的なやつが中心です。たとえば、

参加者に突然怒鳴られ、詰められたケース
うっかり参加者の性別を間違えてしまったケース
商品開発案件でワークショップ後にクライアントに呼び出されて会議室で怒られまくったケース
攻めのイベントに挑戦した結果、SNSでプチ炎上しかけたケース
「やりたい!」といって参加しにきたはず、なのになぜか頑なにワークに参加してくれない大人への対応ケース
"大人の事情"でプログラムの意思を曲げなきゃいけなかったケース
プロジェクトチーム内で「クライアントvs異分野メンバー」の内部バトルが勃発したケース
ワークショップ中の突然のぎっくり腰/胃腸炎になったケース
物品をお願いしたはずが、想定の斜め上のものが用意されていたケース
友人が参加したことがきっかけで、他の参加者の信頼を失ったケース
クライアントのアイデンティティを全否定してしまったケース

などなど、印象的なケースを10事例に整理して紹介しています。字数は約32,000文字弱になりました。記事の終わりに、すべての事例を振り返っての「失敗と教訓のまとめリスト」を載せているので、時間がない方は後半のまとめだけご覧いただくのでもよいかと思います。

※ミミクリデザインのWDAの会員の方には、本記事で紹介している事例のいくつかを中心に動画で解説しておりますので、そちらもご覧ください

基本的にはすべての失敗談に対して、再発防止のための解決策と教訓を示していますが、「とはいえ、これは難しいよね、辛いよね」みたいなケースもあるので、半分は失敗学的テキスト、半分はエンタメコンテンツとして、参考程度にご笑覧ください…!

※2019年5月13日追記:事例を2つ加筆しました。

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