花森ゆきめ

短い物語、テキストを書きます。 twitter ▶︎ @clumsy_wink ins…

花森ゆきめ

短い物語、テキストを書きます。 twitter ▶︎ @clumsy_wink instagram ▶︎ yukime_hanamori

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記事一覧

「ランプの下で」のこと

ちょっとした逃避のために本を広げることがあります 手のひらに収まる小さな本の扉を開くだけで、どんな場所にも行ける 月と会話できるし、懐かしいあの子に会えるし、 真…

Irony

【流し目ノート】 もう少しで満点のテストの裏に 先生の似顔絵 放課後 オトナを黙らせるための辞書に また一行 書き加える 【夜の使者】 ぽつん と ひとりぼっち だ…

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Lulu

蜘蛛の女の子はきれいなものがだいすきでした 桜の季節には 花弁の薄紅色が映えるような巣を張ったり 梅雨になると 雨の雫で宝石のカーテンを編んでみたりと だれにも作品…

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Chlorisについて

春がすきです 体調を崩す人も多い季節、例に漏れずわたしもそうなのだけれど、やはり花が咲くからすきです 人生の半分は祖母の家で過ごしてきたのだけど、植物がたくさん…

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レターセット ホテル波打際

2018年に開催したガラスの小鳥社展示会「波打際」のコンセプトで、2019年に日香里ちゃんとのコラボレーションレターセットを作成しました アンティークのホテルステーショ…

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Instagramスタート

アドベントカレンダーをホームページで公開中ですが、スマホからも見やすいようにInstagramを開設しました📷 @yukime_hanamori そしてHPはPCからの表示を変えてみました …

Advent Calendar

「Dear Santa Claus」と言うアドベントカレンダーを作りました🎄 12/1〜24まで一日ひとつ、色んな「サンタクロースへの手紙」が追加されるので暇つぶしにでもなればうれし…

Phewについて

昨日見た夢の話から「Phew」というプロダクトが完成しました 今回はシガー型物語についてのお話です どこかの国の街角にある喫茶店の中 飴色の什器や家具 カウンターで注…

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CD「波打際」のこと

2021/5/16(日)に文学フリマ東京に参加します 12:00〜17:00 会場 東京流通センター 第一展示場 ブース:ア-15 ※開催情報に変更がありましたらまたお知らせします そんな…

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「吉報」

タイトルは誕生花の花言葉 今日またひとつ歳を重ねて、 改めて「よくここまでがんばったわね!」という気持ちを持てたのだけどそれはわたしにとっては成長なのです 数年前…

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ホットからアイスにかわる日

お気に入りの絵本屋さんは夜遅くまであいている カフェ併設の所謂ブックカフェで、 今日初めてカフェを利用してみました たくさんの絵本や児童書に囲まれて、 注文したアイ…

月々色々

1月 赤とオレンジ 2月 薄紫 3月 水色と黄色 4月 乳白色 5月 黄緑と抹茶色 6月 グレー 7月 紺色と白 8月 蛍光ピンクとミントグリーン 9月 ベージュと黒板…

prose

◆◇◆ チクチクする噂話 金曜日の夜、 修道女たちは金平糖を 空にまいて 天使を召喚 秘密のひとつ 安心して夢を見るのもままならない 花のくせに、だなんて …

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ウェンディのネグリジェ

あのネグリジェはどんな素材で出来ているのか お話の中では人魚たちにばかにされてしまったりもするけれど とても物語にふさわしい服 あの水色も夜空に映えるし、彼女にと…

1

「ランプの下で」のこと

ちょっとした逃避のために本を広げることがあります
手のひらに収まる小さな本の扉を開くだけで、どんな場所にも行ける
月と会話できるし、懐かしいあの子に会えるし、
真夜中の美術館に忍び込んでみたり、
だれかの本当の願い事を知ったり、
ここにしかない場所に行けたりする
とても疲れたから
もう眠いけれどまだ寝たくない
そんな夜更かしに付き合ってくれる一冊を枕元に置いて
眠る瞬間まで柔らかな光のようにそばに

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Irony

【流し目ノート】

もう少しで満点のテストの裏に
先生の似顔絵

放課後
オトナを黙らせるための辞書に
また一行 書き加える

【夜の使者】

ぽつん と ひとりぼっち
だれか と よんでも
だれか を よんでも

どうしてぼくが
不安じゃないと
安心できないことを
知っているの

【ヒーローの憂鬱】

その弱さを誇らないで
その脆さを武器にしないで

僕はいつだって
強くなければならないんだ

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Lulu

蜘蛛の女の子はきれいなものがだいすきでした
桜の季節には
花弁の薄紅色が映えるような巣を張ったり
梅雨になると
雨の雫で宝石のカーテンを編んでみたりと
だれにも作品を壊されないように
だれの邪魔にもならないように
ひっそりと小さなしあわせに感動するのが趣味なのです

季節は夏
彼女にとって初めての季節です
大きな太陽と涼やかな風鈴の音、蝉の歌
それから、出会ってしまった運命を変える存在

世界が鮮

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Chlorisについて

春がすきです
体調を崩す人も多い季節、例に漏れずわたしもそうなのだけれど、やはり花が咲くからすきです

人生の半分は祖母の家で過ごしてきたのだけど、植物がたくさん植えてあって、季節によっていろんな花が咲いて、風に乗って良い香りが運ばれてきます
そして大きな桜の木があって、桜吹雪も桜の絨毯も見せてくれる、視界がピンクで染まる季節
少し湿度のある日、乾燥してる日でまた春の映り方も違うような…
花がどん

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レターセット ホテル波打際

2018年に開催したガラスの小鳥社展示会「波打際」のコンセプトで、2019年に日香里ちゃんとのコラボレーションレターセットを作成しました
アンティークのホテルステーショナリーをイメージして作られたホテル波打際オリジナルレターセット✉️
美しい点描画でホテルが描かれています
裏面は浜昼顔と人魚の模様でホテルの壁紙と同じデザイン
中には波打際展に寄せた手紙の詩の一編を添えています

白くてサラサラした

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Instagramスタート

アドベントカレンダーをホームページで公開中ですが、スマホからも見やすいようにInstagramを開設しました📷
@yukime_hanamori

そしてHPはPCからの表示を変えてみました
http://yukime.stars.ne.jp/index.htm

今日までの分は上がっているので暇な時にでも是非
24日まで更新、26日には終了にしようかなと思います
その後はまた何かインフォメーシ

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Advent Calendar

「Dear Santa Claus」と言うアドベントカレンダーを作りました🎄

12/1〜24まで一日ひとつ、色んな「サンタクロースへの手紙」が追加されるので暇つぶしにでもなればうれしいです
少しずつ見やすくしていきたいな💭

🎄

サンタクロースへの手紙の思い出
小学校高学年の頃、サンタクロースに手紙を書いたら、返事が届いたことがあって
切手も消印も日本のものではなく、手紙の内容は英語と日

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Phewについて

昨日見た夢の話から「Phew」というプロダクトが完成しました
今回はシガー型物語についてのお話です

どこかの国の街角にある喫茶店の中
飴色の什器や家具
カウンターで注文をして、広めのボックス席に着く
ウェイターが運んできたのはお皿に乗った葉巻煙草だった

たしかそんな夢だった
(実際世の中にはシガーバーというものがあるというのをこの時はまだ知らないし、今でもあまり詳しくない)

そんな夢の話をも

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CD「波打際」のこと

2021/5/16(日)に文学フリマ東京に参加します
12:00〜17:00
会場
東京流通センター 第一展示場
ブース:ア-15
※開催情報に変更がありましたらまたお知らせします

そんな宣伝からスタートしました今回は「波打際」のお話をします🐚

2018年に鳥居椿ちゃん、日香里ちゃんの創作ユニット【ガラスの小鳥社】が16周年を迎えた記念に「波打際」というタイトルの展示会がありました
展示のイ

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「吉報」

タイトルは誕生花の花言葉

今日またひとつ歳を重ねて、
改めて「よくここまでがんばったわね!」という気持ちを持てたのだけどそれはわたしにとっては成長なのです
数年前まで誕生日に何か特別なことを考えたこともなく、
去年はやっと「なにかしよう、すきな場所へ行き(叶えば)すきな人たちに会って、欲しいものを自分に買ってあげる日にしよう」なんて思えたのに、
世の中がガラリと変わってしまって、
さっきあげ連ね

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ホットからアイスにかわる日

お気に入りの絵本屋さんは夜遅くまであいている
カフェ併設の所謂ブックカフェで、
今日初めてカフェを利用してみました
たくさんの絵本や児童書に囲まれて、
注文したアイスカフェオレをいただく
今日は親子が多いけれど、
平日の夜遅くに静かな店内を覗くと、おじいさんが2人、
別のテーブルにいながら店員さんを介して話してたりして、とても良い
とても、良い

今日はいいなと思った本を2冊手に入れたけれど、

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月々色々

1月 赤とオレンジ

2月 薄紫

3月 水色と黄色

4月 乳白色

5月 黄緑と抹茶色

6月 グレー

7月 紺色と白

8月 蛍光ピンクとミントグリーン

9月 ベージュと黒板の緑

10月 朱赤

11月 青とレモン色

12月 ゴールド、白

そんなイメージ

prose



◆◇◆

チクチクする噂話

金曜日の夜、
修道女たちは金平糖を
空にまいて
天使を召喚

秘密のひとつ

安心して夢を見るのもままならない

花のくせに、だなんて

花にだって主役級と
そうじゃない品種があるのよ

今までの出来事が
どのように報われるか知りたいだけで
明日もきっと
バラ色の口紅をひく

ウェンディのネグリジェ

あのネグリジェはどんな素材で出来ているのか

お話の中では人魚たちにばかにされてしまったりもするけれど
とても物語にふさわしい服
あの水色も夜空に映えるし、彼女にとても似合っている

「ピーターパン」はヒーローとヒロインがお互いに憧れを抱いて
それぞれの役割をきちんと果たして
勇敢さを身に着けたり、人を守ったり、信じる心を手に入れたりして、
最後はお互い元の生活に戻るという終わり方をするけれど

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