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草笛

気持ちがぐーっと伸びる
朝のミルキーグリーンが
地平線を押し出すように
地面を広げる
恐れることは何もない
素顔のままに朝霧を受け
朝露を小指の先でそおっと掬う
美しい文字のおまじないは
みんなには内緒

日の出にそよぐ
粒子が曖昧なうちに
ささやかな言葉をあの人に
ラベンダーの蕾を一粒
上唇に乗せるように
封筒をそっと閉じて
艶やかな薄紫を添えて

豊かさは
心をほぐす時空間にあり
ふとすると
するりと霞に融けてしまう
頼りない
けれど温かい
唇をすいと抜ける
旋律のようなもの
誰かを想う
幽かな波長
青紫高らかに
唇におはようを込めて
今ひとひらを鳴らす

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