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夢と欲望

私はびっくりするぐらい、よく夢を見る。
ほとんど毎日と言ってもいいんじゃないかというほどだ。
夢は自分の深層心理の現れだと聞くから、いつも見た夢を日記に書いておこうと思うのだけれど、毎回起きた瞬間は覚えていてもその後すぐにトイレに行っちゃったりなんかすると、途端に忘れちゃう。

起きているときの自分には到底想像もできないぐらい不思議な世界にいたことと、どんな色味が強かったとか(私の場合は視覚が強烈で、夢の中の出来事を聴覚や触覚、嗅覚で感じることはほぼほぼない)、そういうことは覚えてるのだけど、そこで自分が誰と一緒に何をしたかとか、全部忘れちゃう。
もう二度と思い出せないことだから、とても悔しい。

でも、その中でも鮮明に覚えている夢というのがいくつかある。
それは大体子どもの頃に見た夢なのだけど、自分と同じぐらいの背丈のハニワの軍団に追いかけられたり(場所は、モナリザの絵の背景みたいな薄暗い荒地のようなところ)、自分が空から地面に向かって落ちていったり(なぜかラピュタ的な天空の城に向かって落ちていくのだけど、途中でおやゆび姫サンベリーナに出てくる蛙のピクサー版みたいな奴がゲロゲロ言いながら横を通過する。謎すぎる)、絶体絶命の危機みたいな夢って、私の場合結構多い。

あとは、ここで書くことも憚られるようなグロくて残酷な夢も結構見る。
どれだけストレス溜まってるんだろうかって思うぐらい、誰かと殺し合う夢が多い。
誰かに殺されたり、誰かを殺したりする夢って、夢分析的には「自分の一部と決別し、一皮むけて次の段階に成長できる」っていうことを意味しているらしくて、そんなに悪いことではないみたい。

でも、そうはいってもやっぱり普段の生活の中で蓄積されてるストレスの現れっていうのも大いにあるんじゃないかなって思う。
だって、殺されたり、殺したりするって、例え夢の中でのことだとしても、普通に考えて尋常なことではない。
結局日常生活も、誰かによって放たれた言葉の刃で刺されたり、逆に誰かを刺すような目で見てしまったり、傷つき傷つけられの小さな戦いの連続なのだから、それが夢に現れているのかもしれない。

この前ネットの記事で、「満員電車のストレス指数は、戦闘機に乗っているパイロットや機動隊員などの兵士が感じているストレス指数よりも高い」という内容のものを読んだ。
そのときは「私、兵士よりキツいことしてるの…?」と唖然としたが、よくよく考えたらストレスを感じる方向性が違うだけで、微妙に暑かったり寒かったり、大きく揺れたり急に傾いたりする小さな箱に、名前も知らない大勢の人たちと一緒にぎゅうぎゅうに詰め込まれて、20分とか30分とかその状態のまま我慢してないといけないって、相当にやばいことしてるんだろうなってつくづく思う。
そりゃ、夢の中で殺し合いするぐらいストレスもたまるわって。

私なんか特に、仕事の関係やあまり近しくない関係の人に対しては、そこまでする必要あるかっていうぐらい猫をかぶってしまうので、自分を出せない分余計にストレスが蓄積されていく。
なんで猫をかぶってるのかというと、たぶん、その人のことを信用してないからだと思う。
信用してないってことは、究極的には殺される可能性もあると考えているわけで、そうなった場合に自分の身を守るために相手を殺さないといけなくなるかもしれないって身構えてるんだと思う。
笑っちゃうぐらいの極論かもしれないけど、深層心理的にはそうなんじゃないかな。
それこそ、ガチで私は、戦場の兵士のように日常を生きているのかもしれない。

あともしかしたらなのだけど、私のように言いたいことを我慢してしまうタイプの人にむしろ、殺し合いとか流血沙汰になる夢を見たり、もはや現実世界でも「好きな映画のジャンルは、ゾンビ映画です!」とか「イカゲーム面白すぎて3周しました!」みたいな人って多いんじゃないかっていう気もする。
もしかすると、そういう人たちはみんな、心の奥底では目の前にいる人を殺したいと思ってるのかもなって(笑)
そう考えたら怖すぎるけど、知らない人と急に話したり一緒に何かをしたりすることに過度にストレスを感じちゃう人からすると、それぐらい命懸けなことをしてるってことなのよね。
改めて、人生って過酷だな。

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