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【倫理の指導案】ヘーゲル(弁証法)×拝啓 大過去を活かした過去の私へ

本授業のターゲット生徒
過去に囚われているあなた

おまえ、あいつの過去知らないの?
俺、中学時代はすごかったんよ。
お前の彼女、前の彼氏からの評判むっちゃ悪いよ。
でもさ、そもそもさ。


人間って、そんな過去から学ぶ生き物ですか?


|授業の概要|

分野:ヘーゲル(弁証法)
テーマ:手紙〜拝啓 大過去を活かした過去の私へ〜
目標:自分の自身と向き合うことができる

|筆者の紹介|

この記事を書いている人:
ゆとりんり(現役倫理教員)
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。

|このページの見かた|

ゆとりんり流、スライドの授業での使い方はこちらで紹介しています。黒板に映せるように背景を黒くしています。


\導入/

カントと一緒に学がちなヘーゲル。今回の授業では、ヘーゲルのみ、どっぷり1時間使って学んでいきます。
どちらかというと、ヘーゲルを学ぶというより、思想を生かす授業です。

高校生ならこんな会話があっても、おかしくありません。
大人の世界にもあります。

自分とか誰かの過去についてあーだこーだ言った、言われた経験はありませんか?例えばこんなふうに。

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\展開(ヘーゲルの名言)/

今回の授業では「過去」をテーマに考えていきます。生きていくと「なぜお前は何回も失敗を繰り返すんだ!」とか言われちゃいますが、そもそも人間は過去から学ぶ生き物なのでしょうか?

というわけで、今回は過去と今、そしてこれからをテーマに見ていきます。特に「過去」については注目です。

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「あの人過去に酷かったんだよ」とか言いますが、人間ってそんなに過去を見る生き物ですか?そもそも。そんなに言うなら考えてみてよ。人類が過去から学んだことって何ですか?

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そんな人間に対して、ヘーゲルはいうのです。これ名言です。『ここは今から倫理です』の高柳先生がやりがちな、名言を用いた授業とも言えますね。

過去過去うるさい人間に、ヘーゲルはいうのです。
歴史から学ぶことができるただ一つのことは、人間は歴史から何も学ばないということだ。」と。
みなさんには意味が分かりますか?具体例を考えてみてください。

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今ちょうど起きている問題でもあります。過去から学べっていうけど、人間は過去から学ばない生き物なのです。戦争ってまさにその例です。
1番起こしちゃいけない過去(歴史)なのに、それを起こし続ける人間。
では歴史を学ぶ意義ってなんでしょうか?

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\展開(手紙を書こう)/

歴史を学ぶ意味はあるという派の人ももちろんいることでしょう。実際に「私は過去から学んだから、今の私がいるんだ!」とかいう人もいるでしょう。過去を振り返ってもらいます。

さて、自分の過去を振り返れば、過去があるから今の私がある。ということも可能でしょう。つまり、過去から学ぶには意味があることになります。そこで、過去を振り返ってもらいます。
過去の私に手紙を書きます。でも「過去の私へ。」と書いても、ただ過去と今を比べているだけなので、「大過去の私」をみてもらいます。

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「過去から学んだことを証明する」ならば、実際に過去の自分が、もっと過去の私から学んでいたのか、見る必要があるのです。(図も用意しました)
それを手紙形式で見てみます。書き方もこんな感じで。

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\展開(弁証法)/

手紙を書いて、当時の心境まで思い出したところで、弁証法です。

その時の心境まで、手紙を書いたら思い出しましたか?過去悩んだ時の心境、そして葛藤。色々思ったことや考えたことあると思います。その頭の中をヘーゲル思想で見ていきます。

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弁証法的にいうと、あらゆる存在は矛盾する要素が対立し、否定しあい、より高次のものへと発展します。つまり、悩んでいるもの同士がぶつかり合って、発展するということです。
みなさんの当時の現状と、頭の中を図にしてみてください。弁証法していたはずです。

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\まとめ(嘘つきヘーゲル)/

弁証法と、ヘーゲルの名言を合わせると矛盾が生じているようにも感じます。が、そこは本質まで見るようにします。教科書には載っていませんが、深く、深く。

意外と人間は過去から学んでいるということがわかった今、
1つ疑問が出てきます。ヘーゲルの「人間は過去から学ばない」というのは嘘だったのかということです。

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「人間は歴史から学ばない」に関して、解説します。これは「人間」をどう捉えるかによって変わります。「個人としての人間」ととるか「集団としての人間」とるか、個人は過去を活かしやすいですが、集団は意思決定的にも難しくなります。

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それこそ過去をみてい見ていけば「集団としての人間」を動かす凄さが分かります。例えば、王権に対し「人間は自由だ」と唱えたルソー。江戸の上下定分に対して「独立心が大切」と唱えた福沢諭吉。

現代を見ても、政府に対し「何やってんねん…」と思っても変わらないですよね?それくらい「集団としての人間」を動かすのは大変なんです。

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最後に「今」を変えていきます。アドラー的に言っても、変えられるものしか変えることはできないですから。
そこで現状(テーゼ)と自分の想い(アンチテーゼ)を整理します。未来はわかりませんが、今を整理すれば見えるものがあります。

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以下の有料記事では、記事中にもある「Googleスライド」を丸々全部ダウンロードすることができます。(記事中で紹介しているスライドは一部です。

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・形式:Googleスライド
・ページ数:全14ページ
・設定:1〜2時間分(手紙の出来次第で2時間)

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