君島ゆう

君島ゆう

マガジン

記事一覧

お代わりコーヒーと、大人になってしまったのかもしれないバナナの日

彼のことを、永遠にわかってあげられないのかもしれない。 あるいは、彼のしてくれるアレコレを、永遠に愉快に思えないのかもしれない、と思う。 それは、事実わたしを落…

君島ゆう
3年前
4

裸の人間

『やがて哀しき外国語』(村上春樹著)のエッセイを読み終わった。 著者の春樹さんがアメリカ・プリンストン大学で教えていた頃に書いているエッセイで、外国暮らしや旅と…

君島ゆう
3年前
4

入れ替わりのひまわり

ある日、ひまわりの花言葉を知った。 花言葉は「愛慕」。 言葉どおり、愛し、慕うという意味で、 当時、まだ若かったわたしは、 愛を知らず、恋をしていて、 愛して慕…

君島ゆう
3年前
5

うつくしい巾着には

わたしは、家系的に空腹を我慢するのが苦手だ。 これが遺伝なのか、習慣からなのかは、わからないけれど、とにかく本当に苦手で、仕事のときも、空腹にならないように細心…

君島ゆう
3年前
3

お風呂

湯船に水を(お湯を)ためるとき、 蛇口からでる水は透明なのに、湯船にたまってゆくそれは、青みがかったグリーンのような色になる。 週に何度かは湯船につかるようにして…

君島ゆう
3年前
5

わたしの、たくさんの憧れ

憧れているものが、いくつかある。 「憧れ」とは理想とする物事や人物に強く心を惹かれること と辞書にはあり、いわゆる「好き」と言う言葉に近いが、より自分の手に届か…

君島ゆう
3年前
1

ナイフ

8/30は、火曜日だったと思う。 火曜日、カップラーメンで夕飯をすませて、シンクに溜まった洗い物を片付けていた。 その少し前、旧友と内容の濃いデンワをした。 お題は…

君島ゆう
4年前
1
お代わりコーヒーと、大人になってしまったのかもしれないバナナの日

お代わりコーヒーと、大人になってしまったのかもしれないバナナの日

彼のことを、永遠にわかってあげられないのかもしれない。

あるいは、彼のしてくれるアレコレを、永遠に愉快に思えないのかもしれない、と思う。

それは、事実わたしを落胆させ、虚無感に似た雰囲気を身体中に漂わせる。

一般的にとか、平均的に、とかいうことではなく、ごく単純に、わたしにとって彼はクセモノだ。今まで出逢った、どんな人物より不可解。

出逢ってこのかた、お互いに理解し合えたときにだけ立てる、

もっとみる
裸の人間

裸の人間

『やがて哀しき外国語』(村上春樹著)のエッセイを読み終わった。

著者の春樹さんがアメリカ・プリンストン大学で教えていた頃に書いているエッセイで、外国暮らしや旅と言われるものに身に覚えがある人は、図らずもウンウンと頷くお話も多いと思う。

個人的に、村上春樹さんの文章は、エッセイの方が好きだ。もともと、エッセイ好きということもあるけれど、彼のものもいくつも読んでいて、「〜ラジヲ」も大好きだ。どれも

もっとみる
入れ替わりのひまわり

入れ替わりのひまわり

ある日、ひまわりの花言葉を知った。

花言葉は「愛慕」。

言葉どおり、愛し、慕うという意味で、

当時、まだ若かったわたしは、

愛を知らず、恋をしていて、

愛して慕うとは、なんとやわらかな愛の表現だろうと感動した。

幼い頃から、ひまわりという花は、知っていたし、

見かけると立ち止まって、親しみを込めて眺めていた。

けれど、花言葉を知ってからは、

なんというか、

より尊い存在になった

もっとみる
うつくしい巾着には

うつくしい巾着には

わたしは、家系的に空腹を我慢するのが苦手だ。

これが遺伝なのか、習慣からなのかは、わからないけれど、とにかく本当に苦手で、仕事のときも、空腹にならないように細心の注意を払っている。

もちろん、万が一減ってしまった場合でも問題ないように、一口大の羊羹や最中、チョコレートなどをかばんに忍ばせている。

空腹によってどんな症状が出るかというと、

気分が悪くなる。

よって、機嫌も悪くなる。

そん

もっとみる
お風呂

お風呂

湯船に水を(お湯を)ためるとき、

蛇口からでる水は透明なのに、湯船にたまってゆくそれは、青みがかったグリーンのような色になる。

週に何度かは湯船につかるようにしているので、折り入って調べる程ではないが、不思議に思っていた。

もしかしたら、小学校や中学校の、理科や科学の授業で習ったのかもしれないけど、全然覚えていない。

でも、なんとなく、水の色綺麗だなぁ。と、不思議に思ってた。

いつか、付

もっとみる
わたしの、たくさんの憧れ

わたしの、たくさんの憧れ

憧れているものが、いくつかある。

「憧れ」とは理想とする物事や人物に強く心を惹かれること

と辞書にはあり、いわゆる「好き」と言う言葉に近いが、より自分の手に届かない、理想に対する気持ちを表現する言葉らしい。

例外なくわたしの場合も、自分が持っていないもの、あるいは持ち得ないと思われるもののお話し。

ひとつは、くりんくりんのカールヘア、柔らかい毛質で、さわるとフワッと感じるようなもの。

もっとみる

ナイフ

8/30は、火曜日だったと思う。

火曜日、カップラーメンで夕飯をすませて、シンクに溜まった洗い物を片付けていた。

その少し前、旧友と内容の濃いデンワをした。

お題は「友達ってなに。」

3ヶ月前に、私は、生まれて初めて人間に裏切られた。あるいは、あ、私裏切られたんだ・と認識し、途方にくれた。それも、旧い友達に。

そのあからさまな裏切りは、客観的に見て、私を攻撃するような内容だった。

デン

もっとみる