フランス語の独学・11年前の思い出
シネマへ独りでいけるような歳になった。昔は、映画観賞は大勢でやることだと信じていた。あるいは、デートで二人で行くようなもの。結局、女子と話すのが苦手のせいで、今までデートとしてシネマにいくことは一度か二度の程度だ。つまり、もっと若い頃は映画館は独りでいく自信はなかった。
でも、最近は独りでもシネマを楽しめるようになった。都心にある小さな映画館を発見して、鑑賞者はほぼ一人でいく人が多い。このシネマなら僕も気軽に行けるな、と考えて、この二年間の間に常連になった。
よく、フランスの映画が上映しているシネマだ。フランスに関しては初心者レベルだけど、見ていると面白くなってハマってきた。そして、思い出した。そうだった…中学生のときにフランス語を勉強していた。結局、なにも学ばなかったけど。と言う訳で、未完成のフランス語学習をやり直そう、なんかの気持ちになってきた。
そうだ。フランスの映画をもっと楽しめるように、フランスの文化に近づくべきだ。じゃあ、フランス語を勉強して、距離を縮めよう。この一念発起で、去年からフランス語を独学し始めた。
そして、今年こそ仏検2級を目指そうと考えて、この試験に向けて熱心に勉強してきた…
外国語の試験を受ける。それは、派遣英会話講師の私の生徒がいつもやっている挑戦だ。
講師というプライドを守るため、絶対合格しなければ!と思って、今日も勉強に潜めた。
最近の生徒はオンライン授業で教えている。大企業のエンジニア達だ。TOEICのスコアはまあまあ高い方だけど、会話が苦手という生徒が多い。レッスン中に彼らに温もりがある笑顔を見せて話しかけるように意識している。英会話講師という仕事は元気が必要な職類だ。
でも、この仕事をできて、本当にありがたい。意義がある仕事だと心から感じて、出勤する度に感謝な気持ちが胸に広がる。
少しでも話せるようになったら、それは私の幸せだ。英語を教えるのはこんなに楽しいのだ、とそれを忘れた時期があった。
このエンジニア達は、当然ほとんど男性だ。私は性差別なわけではないけど、やっぱり一週間が終わると男くさい環境に飽きる気持ちは押し殺せない。
そして、夜は百合小説を読んでいる。可愛い女子の登場人物がお互いに優しくするシーンがくてくてした心を和らげる。これが、僕のシークレットな趣味です。
(勘弁してくださいよ、私にだって色欲はあるんですから)
しかし、教えている生徒の中に女性もいる。特にいつも元気でポジティブなYさんが特に教え甲斐があると思った。教えている生徒を全員気に入ってるけど、Yさんの授業になると、普通よりテンションがアップになる。Yさんはいつも笑って、スラスラと世間話ができるレベルの優秀な生徒だ。
Yさんとは、テキストから文法やら、つまんないことを勉強するのは無駄なので、ちょっと楽しいゲーム感覚があるアクティビティーを用意した。これは、心理テストだ。
(皆さんも、やってみてください)
まず、動物を三つ選ぶ。1~3とリストを作る。
動物を選んだあと、それぞれに当たる『形容詞』を三つ書き入れる。
できましたか?
これはどういう意味でしょうか?それは―
① は自分自身についてどう思っているか
② は回りの人にどう思われているか
③ は自分の本性
ちなみに私は、
① ヤギ:たくましい、利口、働き者
② パンダ:のんびり、フレンドリー、温和
③ 鳥:自由な、悠々な、Dreamer
でした。
そして、Yさんの③番目は「Cute little frog」と書きました。小さくて可愛いカエル。
答えを紹介した時に、二人とも爆笑した。でも、確かにCute little frogですね、と私は皮肉で言いました。
実は、先週でYさんとの授業は修了となった。別れるのがちょっと寂しかったけど、最後にはプロの顔をみせて「Goodbye~」を言いました
I will miss you my cute little frog。
I will miss you あなたと離れて寂しくなります
my cute little frog 私の小さくて可愛いカエル
十一年前の秋。精神科医に通い始めた。二回目の診察だった。先生にこう言われた。
「君は、双極性感情障害2型だ。これは、変わるものではない。肉体がそういう生れつきだ...」
私は、双極性障害患者だ。これは、死ぬまでそうなんだ。
最初は薬飲むのに抵抗していた。その時は、「薬」というものに差別していた。
でも、ようやく分かってきた。薬を飲むことは「弱い」から飲む訳ではない。「より強く」なるために飲むのだ。
薬を飲みつつ、生活していたらいつかぼんやりしていた日に気付いた。以前より、元気があるな。これは、パワーの元気じゃなくて、生きる元気だ。もっと生きたい、そしてもっと生きている間にしかできるものに頑張りたい。
その頃、独りで映画館に行けるようになった。
そして、フランス語に挑戦したくなったことも、精神的な安定を手に入れたからだ。
(双極症の方にアドバイスと言う訳ではないですが、私には言語学習している間は、頭の困惑がもっとコントロールできている気もします)
先週で学期が終わってから、暇が空いて、フランス語の学習に集中できるようになった。今日も文法を詰め込もうとして、疲れている状態でこのエッセイを書いている。正直、悩んでいるところだ。なんで、試験なんかに挑戦しようと思ったんだ。こんなに苦労するとは予想しなかった。でも、勉強を続けていたら、こんな文書に触れあった。
そう言う比喩表現がフランスであるのだ。
そうだ。僕は鳥だったんだ。鳥も鳥として大変なんだ。
私の巣はフランス語だ。フランス語をしっかり勉強していきたい。それは、毎日ちょっとずつ勉強するのが一番だ。そんなこと、生徒にいつも教えている。苦が感じても、登り続けてそろそろ山の頂点が見えてくる筈だ。
試験は来月の中旬。あと、多少四週間がある。この間に、最後の最後の行程(the last leg)だ。もうちょっと頑張ろう。
最後まで読んでくれて、いつもありがとうございます。最近は少し忙しくて、いろいろあったけど、書く暇がなかなか見つからなく、久しぶりの投稿になってしまいました。
イメージは、eva_chatelainというフランス出身のartisteの作品を借りました。インスタグラムはー
https://instagram.com/eva_chatelain?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==