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大爆発の2023年映画興行、制するのはどの作品か

今年のGWは、例年以上に映画館が熱い。

まず、4/12公開で圧倒的なスタートダッシュを切ったのが「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」

前作『ハロウィンの花嫁』対比で163%というロケットスタートを切り、その差をグングン広げている。
5/3の時点で早くも80億円を突破し、シリーズ初の100億円超えは確定。
現状の勢いからすると110~120億円は射程圏内。
「アリス・イン・ワンダーランド」(2010)の118億円を超え、日本歴代30位に入るラインが狙えそうだ。

その「コナン」を上回る勢いなのが4/28公開の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

公開3日間で21億円を突破し、「コナン」の連続1位を僅か2週でストップ。
例年「コナン」の独壇場になるGW興行の主役に躍り出た。
2週目の数字は公開1週目を上回る可能性が高く、最早数字は青天井状態。
こちらは累計で150億円以上の数値が見込めそうなため、日本歴代13位の「崖の上のポニョ」(2008)辺りが目標となりそうである。

この2作の数字が飛びぬけ過ぎているためあまり注目されないが、鈴木亮平主演の人気ドラマ劇場版である「TOKYO MER」も相当頑張っている。

上位2作が数多くのスクリーンを確保する中で堅調に数字を伸ばし、30億円突破はほぼ確実。
GWの実写邦画ではトップを直走っている。
連続ドラマの映画化作品でここまでの数字が出るのは久しぶりだ。

スタートダッシュにはやや失敗した「東京リベンジャーズ」も、1作目の7割掛け程度の数字は確保できそうな勢い。

やや心配なのは、今回は前後編映画である点。
6月に後編「決戦」が公開されるが、前後編の映画は基本的に後半の方が数字が下がる。
まあ、前編見てないと話についていけないから当たり前なんだけど。
それでも、前半30億円・後半25億円辺りの中規模ヒットは数字は狙える。

恐ろしいことに、この4作の比較的近くにいるのが昨年12月公開の「THE FIRST SLAM DUNK」

公開から5カ月が過ぎたにも関わらず、いまだにTOP5近辺を死守。じわじわと数字を伸ばし続けている。
現在135.3億円で日本歴代19位につけているが、もう10億は数字を伸ばすことが確実。
下手をすれば夏休みまで上映が続くだろう。
5月24日で終映が決まった昨年の大ヒット作「すずめの戸締り」とのデッドヒートを制することができるか。

今年は100億円を上回ることが確定となっている「THE FIRST SLAM DUNK」「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の3作品の後にも、数字を狙える作品が大量に待機している。

まず、6月公開の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

前作「クリスタル・スカルの王国」からなんと15年振りの続編。
元々の高い人気に加え、ディズニーシーのアトラクションでキャラクターの知名度を上げ続けていることも大きなプラス要素。
競合作が少ないこともあり、50億円以上は狙えるはず。

夏休みシーズンの主役は、7月14日公開のスタジオジブリ最新作「君たちはどう生きるか」

今度こそ、宮崎駿最後の監督作になるはず。
1997年の「もののけ姫」から監督作が5作続けて100億円を超えているレジェンドの最新作は、果たしてどんな結果となるのか。
「THE FIRST SLAM DUNK」の戦略を参考に情報を制限してPRを行うようですが、それが吉と出るか凶と出るか。
ファンタジー作品になる見込みとのことで、内容的にも楽しみです。

サマーシーズン、洋画の主役はトム・クルーズ。
7月21日公開の「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」

シリーズ最終作の序章にして前後編の前編。
この変則構成がどう作用するかが若干心配ですが、「トップガン マーヴェリック」の余波は完全に追い風になるでしょう。
前作「フォールアウト」は47.2億円に止まりましたが、今回は50億円以上を狙えるはず。

更にその翌週7/28には、邦画アクションの金字塔第3弾「キングダム 運命の炎」が待機。

1作目57.3億円、2作目51.6億円の安定感。
2作目で数字を下げてしまったため難しいかもしれませんが、当然シリーズ最高を狙ってくるでしょう。
おそらく、夏前には日テレの全力番宣も入るはずなので。

9月には、月9ドラマとしては久々のヒット作となった「ミステリと言う勿れ」の劇場版が待機。

連続ドラマの視聴率も上々だった本作は、興行でも30〜40億が狙える。
おそらくフジテレビからすると今年いちばんの切り札のはずなので、こちらも凄まじい番宣攻勢が見れるでしょう。逆効果にならないことを祈る。

昨年もすごかったけど、洋画邦画アニメとジャンル問わずここまで話題作が揃う年が続くって中々ないんじゃないだろうか。

「君たちはどう生きるか」が100億円を突破すれば、2023年に100億円を超えた作品は昨年と同等の4作。
50億円を狙える作品は昨年より多そうなので、今年は映画関係者が潤う年に年になりそうだ。

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