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煙の向こう側  1話

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https://note.com/zyerasu1959/n/n274a10c5af96

突然ですが、小説を書いてみることにしました。
長編に挑戦です。
一本の電話から、主人公のおいたちを交えながら遺産相続へ巻き込まれる
親子の感情の揺れ動きを書いてみたいと思います。

お時間がありましたら、読んでいただけると励みになります。


トルルル~♪トルルル~♪トルルル~♪
これは1本の電話から始まった出来事。

今時、家電にかけてくるのは、セールスかアンケートくらいのものだと最初は無視していた。
後から確認すると案の定、知らない携帯からの電話だ。
なごみは湯山家の主婦。仕事を持っている。
涙もろくて優しいが、心の中には、人に話したことのない傷がある。
一つ年下の夫と子供2人の4人家族に、ペットの犬が一匹。
なごみがその電話にでたのは、最初の電話から2週間ほどたった時だった。あまりにしつこいので、断った方が早いと思い、でてみたのだ。
すると、電話の相手は年配の女性の声で
「湯山 なごみさんはお見えになりますか?」
「突然お電話を差し上げてすみません、山名良治をご存じですね?」
と、尋ねられた。
なごみは、その名前を聞いた途端、身震いのようなものを感じ
即座に答えることができなかった。
暫くして「はい」と声にだすのが精いっぱいだった。
山名良治は和の父で、母が離婚してから連絡はとっていない。
和と母の間で山名の名前がでることもなかった。
電話の向こうからはしきりに声をかけてくるが、和は頭の中が真っ白になっていた。
「あなたは、山名良治の娘さんですね」と確認してから
「私は山名良治の妻で嘉子と申します。山名は5年前に亡くなりました。私どもにも子供はおりますが、男の子ばかりですので、山名の血を分けたあなたに一度お会いしたくて、失礼ながら居所を調べお電話させていただいた次第です。あなたの気持ちも考えずに極端な行動にでたことはお詫びしますが、どうかわかって下さい」
電話の向こうの声は、和に会いたいと懇願する山名良治の妻の声だった。 
和は何も考えられなかった。
受話器を置いた後、山名嘉子という名と携帯電話の番号が残されていた。

昭和52年1月、和は山名良治、悦代夫妻の長女として産まれた。
山名が22歳、悦代が19歳の若い夫婦である。和の後に2人の男の子にも恵まれたが幸か不幸か二人とも1歳の誕生日を待たずして病死している。
この死に至るまでの経緯は、定かではない。




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