見出し画像

受け入れの方法とスキル 第2段階  その6

③3時間目-1

 3時間目は、水やりと散歩です。みーちゃんは、育てている野菜に水やるという意識はまだありませんが、ナイロン袋を使った水遊びが大好きです。初めは、そこに花を入れて色水を作っていたのですが、今はナイロン袋と水で遊んでいます。

先生「今から、畑に行ってナイロン袋で遊ぶよ!いい?」

みー「いい。」

 この頃は、上靴と下靴を履き変えることも覚えてきました。みーちゃんは、ナイロン袋を持って、靴を履き替えて畑へ飛んでいきました。
 みーちゃんは、ナイロン袋の口を開けて、待っています。

先生「みーちゃん、最近早いね。畑もよく分かったね(「共感」)。そこに   
  水を入れて欲しいんだね(「想像」)。いいよ、先生がホースを伸ばす
  から『おねがいします」と言って。」

 みーちゃんは、声を出さなかったが頭を下げてくれた。先生は、ホースを伸ばし、ナイロン袋に水を入れてあげた。みーちゃんは、重たそうに持ち上げてそれで景色を見ている。

先生「みーちゃん。何が見える?面白いものが見えると思うよ(「想
  像」)。ちょっと歪んで見えて面白いでしょう(「共感」)。」

 ひとしきり、あっちこっち見たあと、水やりを始めます。

先生「じゃ、いつものように、いまからこの針金で袋に穴を開けます。い
  いですか?みーちゃん、もうちょっとこっちに来て。」

 うまく、畑の野菜の上に誘導します。そして、穴を10個くらい一気に開けます。

先生「わぁー、雨みたいだね。面白いね。その雨をその青い葉っぱにかけち
  ゃおう。ビショビショにしてしまおう。それ!」

ナイロン袋で水やり

 みーちゃんは、ナイロン袋の水を野菜にかけていきます。本人は水やりのつもりではありませんが、今のところはこれでいいでしょう。
 畑の半分で、ナイロン袋の水がなくなりました。もう一度やるかと聞きましたが、首を振っています。

先生「そうか、1回でおしまいにしたいんだね(「想像」)じゃ、今度はみ
  ーちゃんが先生の持っているナイロン袋に穴を開けみる?この針金で、
  ツンツンだよ。これ、やってみる?」
    注)同じような遊びに見えても、役割交代しているので
      これで、遊びは増えていることになる
 針金でナイロン袋に穴を開ける真似をすると、みーちゃんは針金を取ろうとしました。

先生「やるんだね(「想像」)。分かったよ。じゃ、『かして』と言っ
   て。」

みーちゃんは「か」だけ言いました。

先生「『かして』言えたね(「共感」)。じゃ、針金をどうぞ。」

 先生がナイロン袋に水をいれてみってくると、みーちゃんは早速、穴をあけ始めました。初めに横にあけたので、水がみーちゃんにかかりました。
みーちゃんは「キャー」と声をあげました。ものすごい笑顔です。
 みーちゃんがそのあとも2つ袋に穴をあけてくれたので、伊藤先生は無事 畑に水を撒くことができました。

先生「面白かったね(「共感」)。また、明後日もやろうね。さぁ、今度は
  シャボン玉するよ。シャボン玉を運動場まで持ってきて。教室のどこに
  あるか、分かる?」

 みーちゃんは、うなずくと支援学級の方へ走り出しました。伊藤先生は、教室にいる先生に携帯電話で「いま、みーちゃんがシャボン玉を取りいった」と連絡をしました。

その7にづづく

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

業界あるある

本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。