第4ステップは、「こんなとき、どうするんですか?」を目指す その4
社会の時間です。今日は、教科書の他に地図帳がいります。村内先生は「多分、よし君は持ってこないだろう。忘れてしまうだろう」と考えました。そこで、予備の地図帳を用意しました。
しかし、教室に入ったときに、よし君の隣の席の高橋さんを見て気が変わりました。
村内「高橋さん、お願いがあります。」
高橋「なんですか、村内先生。」
村内「次の社会の時間、よし君が地図帳を忘れていたら、見せてあげて欲し
いんだけれど、いいかな?」
高橋「最近、よし君頑張っているし、いいですよ。」
村内先生は、お礼を言って社会の時間が始まるのを待ちました。案の定、よし君は地図帳を持ってきてないようです。先生の「地図帳の8ページを開いてください」の指示に戸惑っています。
困ったままかと思っていたら、村内先生を呼びました。
よし「先生、地図帳忘れた。」
村内「それは大変だね。困ったね(「共感」)。」
よし「忘れたって、言ってるじゃないか。」
村内「で、こんなときは、どうするのかな?」
よし「そうか、すみません、地図帳を忘れたので貸してください(「すみま
せん」)。」
村内「よく頼めました(「共感」)。『はい、どうぞ』と貸してあげてたい
ところだが、先生はもっていないんだよ。仕方がないから、隣の子に見
せてもらったら?」
よし「えー!!」
村内「先生がいないときもあるんだから、そういうときは担任や隣のクラス
メイトに頼んでもいいんだよ(「覚えて」)。隣の高橋さんに、今と同
じように、頼んでみたら。」
よし「高橋、地図帳を忘れたのでみせくれや。」
先生「もっと丁寧に言わないと。」
よし「見せてください。」
高橋さんは「いいよ」と返事すると、地図帳を机と机の間に置いてくれました。すると、よし君はすごく自然な感じで「ありがとう」と言いました。村内先生は、それを聞いて「よし君は、かなりクラスに定着してきたな」と思い「そろそろ、自分の役割も終りに近いな」と感じました。
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