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金曜日の金曜日性についての向き合い方(エッセイ)
「FRIDAY NIGHT ESSAY CLUB」投稿作
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金曜日と聞くとどこかドキドキした気分がする。それは週末という希少性がもたらすイメージが大きいように思えるが、金という言葉から直接的に黄金やお金のことがイメージされてしまうことも大きいように感じる。こう考えると、「華金」というあまりにも消費主義的すぎる言葉ができてしまうのも無理はないように思う。英語でフライデーと言うことからも明ら
ラブ・アンド・ピース(短歌20首)
短歌連作
ラブ・アンド・ピース 鈴木龍也
◯
晩春にだけ咲く桜のバージョン みすぼらしい助詞を好んで使う
ポップ・ミュージックの歌詞のように喋って、不安な時は靴を揃えて、
作中の男の子が恋をしてた アニメみたいだとかなり思った
Wikiで(連合赤軍の記事を)見る タイムラインが流れて行く
遠い国で主菜で食べられているらしい果実の切り方が分からない
伝えられなかったことの総和 珍しく
2023/12/28
2023年が終わろうとしている。誰から頼まれたわけでもなく始まった年は、地球の公転とともに終焉を迎える。それはあまりにも自然なことなので、何も感じない。年の瀬であっても、何も書きたいことはないけれど、何かを書こうとしている。
すべての文章は私的なものだから、こんな公の場に書くことは何もない。例えばあなたのこと。それをもしぼくがこの場に書いたとして、ただそれが消費されていくことに何の意味がある
色について語る時にぼくの語ること
ぼくは、その人の好きな色を聞くのがその人の本質を知るのに一番適した質問だと思っている。生活にはあまりにも多くの色が溢れている。ぼくらは、生まれてから数えきれないほどの色に囲まれている。図工の時間に、まず出てくるのは、目の前の白紙の画用紙をどの色で埋めるのかという問題だ。そこで、受動的にせよ、能動的にせよ、ある特定の色の選択を迫られる。色について、本質的に考える人が少ないからこそ、自分の潜在的意識
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