母の骨に宛てて
*ご家族が大切な方にとっては気分を害する表現があります*
※身バレ要素が多いため一部有料で失礼しますね
2月前に母が亡くなっていたそうだ。
薬の離脱症状も落ち着き体調も良くなり、両親の様子について親戚に聞いてみた。
母は双極性障害でしばらくは寝たきりだったそうだが、もう復活しているはずだった。
「家族はどうしていますか?」
「お母さんは元気になってきてお父さんに海へ行ってくると午後には帰ると言って出かけ怪我をして亡くなりました。次の休みには学生時代の友人がくるのを楽しみにしていたそうなのに…突然の悲しい知らせでごめんね。お父さんからあきらの症状の事を心配して知らせないでくれと言われています。あなたの気持ちを考えると私もどうしたらわかりません。悲しい事ですが現実を受け入れるしかありません。辛かったらこちらに来てくださいね。」
驚くことに葬式も終わっていたようだ。
すぐに電話でお悔やみの言葉をかけた。
煮え切らない感情はあっても、親戚の気持ちを尊重したかった。
母は海が好きだった。
お母さんは大好きな海で魂になって生きているよ。
今は秋、きっと美味しい魚を食べているよ。冬なら浜辺で笑っているよ。夏になったらそこら中の海で楽しんでいると信じているよ。
残念だったけれど、私たちは生きようよ。
私たちは電話越しに思いを語り、わっーと泣いた。
私はいい子ではない。
いい子は天国に行ける。でも悪女はどこへでも行ける。
私はアメリカに行く、物価の高さに爆笑したい。
タンザニアにも行く、野生のチーターを見たい。
私はどこにでも行く。
母が亡くなったとLINEを見て、この数年間一番の喜びが内から込み上げた。
お祝いに出前でも取ろうかと本気で考えた。
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