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場面緘黙症について

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私の場面緘黙症者としての経験をまとめていきます。
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私の場面緘黙症について

私の場面緘黙症について

 場面緘黙症啓発月間ということで、私の幼少期から今までの経験を書きます。現在の情報を最初に書いてから、始めます。

・2006年2月生まれ
・3歳から場面緘黙症があり、16歳頃からうまく付き合えるようになった
・将来は緘黙の方のお手伝いがしたいと思っている

幼稚園時代まで 親と一緒に通う、プレ幼稚園では話せていたらしいです。その頃だけ幼稚園が一緒で、私が入園する前に転園した子とはまだ友達で、ずっ

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小さな自分

小さな自分

 いろいろあった。その中は、嬉しいことより悲しいことや嫌なことの方が多い。

 私も、今までいろいろあった。緘黙関係の出来事が大半だと思う。過去に行けるなら、小さい自分を抱き締めてあげたい。

 noteを始めて、もうすぐ2年になると思うけど、過去のこともそのときのこともたくさん書いて、まだ書いてないことはもうないんじゃないかって、思っているみなさん!(?)私、家族のことはあまり書いていなかったと

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地団駄踏みたいと思うくらいには

地団駄踏みたいと思うくらいには

 すごいよね、緘動って。

 何もしてないのに、周りには変な目で見られてるって思ってしまうし、そう思うしかなくて自分を責めることしかできないのが辛いよね。

 スクーリング中に、私が担任に言ったのは、「慣れっこって思ってるけど、いざそうなったら、地団駄踏みたいと思うくらいには、まだ自分でも慣れてないし理解できてないから、周りに伝えていこうとしてます」ということで、私の人生のテーマだと思ってる。

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何もできてないわけじゃないけど、何もできなかった。(啓発月間)

何もできてないわけじゃないけど、何もできなかった。(啓発月間)

 今日で、場面緘黙症啓発月間が終わります。

今月を振り返って、今日は何度もこう思いました。「何もできてないわけじゃないけど、何もできなかった。」

 夜のあさがおも開催したかったし、もっといろんな人に、「場面緘黙症」という症状を知ってほしかったけど、私が生きていくだけで精一杯な1か月だったので、そこまで手が回りませんでした。

 学校も、5月は面談以外で行かなかったし、予備校は行けなくなってから

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2年目の場面緘黙症啓発月間

2年目の場面緘黙症啓発月間

 去年の記事を見返して、去年は緘動について深く書いたんだったな、と思い出しました。今年は、私の経験についてでも(需要があるかは知りませんし、Twitterと被るところもありますが)書いていこうかなと思います。

 まず、場面緘黙症を簡単に説明すると、決まった場面で声が出なくなる不安障害です。発症したときのことは、小さすぎて覚えていません。ただ、親が3歳のときからだと言っていたので、私は、3歳のとき

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場面緘黙症とは①

場面緘黙症とは①

 私は、知らない人から見たら、街を歩く普通の15歳です。しかし私は、生活していく上で欠かせないものが欠けています。

 それは「場面緘黙症」というもののせいです。

 場面緘黙症とは、特定の「場面」で「緘(と)」じたり「黙」ったりしてしまう障害のことです。簡単に説明すると、学校などの場所や友達などの相手に対して声が出なくなったり、体が動かなくなったりすることです。

 たった、それだけでも、辛いの

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場面緘黙症について②

場面緘黙症について②

 今回は、私の場面緘黙の症状について書きます。

 私とこの障害との付き合いは、もう10年以上になります。でも、私の症状はまだ軽い方だと思っています。どんな症状があるかというと、例えば、

・家族以外とは全く話せない

・学校ではパニックになると動けない

・家でもパニックになって声が出なくなったり動けなくなるときがある

等です。1番辛いのは、家族とも話せなくなることです。パニックについては、次

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場面緘黙症について③

場面緘黙症について③

 今回の記事では、私のパニックの話を書きます(私だけのことかもしれません)。

 私はよく、パニックになります。高専に入ってから、1週間に1回はパニックになるようになりました。どういう内容かというと、

・急に予定が変わったときに動けなくなる

・分かりたいのに分からない問題が出てきたときに動けなくなる

こんな感じです。学校では前者が多くて、家ではほとんど後者です。前者は自閉症の症状と合わさって

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場面緘黙症について④

場面緘黙症について④

 私は学校で、一言も声が出ません。

 最近は、担任の先生に、「さようなら」と言えるまでになりましたが、まだそれも3分の1の確率です。友達とは、筆談で雑談すらしたことがありません。でも友達は優しい子がたくさんいるので、教室に入るときに背中を押してくれたり、手を引いてくれたりします。

 なのに、私を教室に入れると、「終わった終わった」という感じですぐに自分の席に戻って行ってしまいます。私は患者さん

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場面緘黙症について⑤

場面緘黙症について⑤

 最近はさようならの練習をしていると前回書きました。↓

 「さようなら」と言えたり言えなかったりする中で、たくさんの気持ちが浮かんできます。今日はそれをまとめていきたいと思います。

 まず、言おうとする前は自信満々な気持ちで、5分で言えるだろうと思っています。実際に、誰もいない階段で練習したら、すらすら言えます。それが自信につながっているのだと思います。

 そしていざ言うとなると、

水が圧

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場面緘黙症について⑥

場面緘黙症について⑥

 今回の記事では、筆談でどんな話をしているのかを書いていきたいと思います。

 筆談相手は、いろんな先生です。授業に行けないときや昼休みや放課後に研究室にお邪魔して、たくさん話します。

 その内容はというと、全くばらばらです。ある時はお昼ごはんの話をして、ある時はこれからどうしていくかの話をします。クイズも出します。先生とも、クイズで仲良くなりました。

 筆談の方法は、私は耳は聞こえるので、相

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私と場面緘黙症〜幼稚園時代〜

私と場面緘黙症〜幼稚園時代〜

 私は3歳のときに場面緘黙症だと分かりました。

 場面緘黙症については、他の記事にまとめてあります。↓

そのときのことはあまり覚えていません。ただ1つ覚えているのは、病院らしい建物の中の少し狭い部屋で、何の花が好き?と女の人に聞かれて、ソファーの後ろに隠れて母の手に、チューリップの絵を描いたことです。

 別にチューリップは好きでもなかったと思います。ただ絵に描いて分かりやすいから、好きでもな

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私と場面緘黙症〜小学校低学年〜

私と場面緘黙症〜小学校低学年〜

 入学前検診のときは、ずっと泣いていました。

 入学前に、1回だけ小学校に行きました。同じ幼稚園から同じ小学校に通う子の名前を挙げて、「◯◯ちゃんは行かないの?」と何度も聞いていた覚えがあります。小さい私にとっては、自分が人と違うことと、違うから1人で学校に行かないといけないことが理解できませんでした。なのでみんな一緒に行くものだと思って、友達は行かないのか何度も聞いていました。

 ようやく小

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私と場面緘黙症〜小学校高学年〜

私と場面緘黙症〜小学校高学年〜

 4年生になりました。

 ここから、担任の先生が大好きになっていました。そして私の人生を変える出来事が起こります。

 国語の文章を要約する時間がありました。それまで、文章を書くのは得意ではなかったけど、私なりに頑張って要約しました。

 それを先生に褒めてもらって、みんなの前で読んでもらえました。それがきっかけで、文章を書くことが好きになって、そのあとの「自分が考える未来のロボット」の文章も班

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