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「愛がなくても生きてはいけるけど」

「愛がなくても生きてはいけるけど」

「愛がなくても生きてはいけるけど」詩

Instagramでいつも読んでいる大好きな詩さん。
(@utatanegram_0713)
書籍化すると聞いたときは本当に嬉しかった。
いつも心に響く言葉をくれたり、救われたりしている。この本の中にもそんな言葉がたくさんあった。きっと読む人それぞれに、心に残る一言があるんじゃないかな。

好き。

騙そうとしてくる人とか、利用しようとしてくる人っているけど

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「四月になれば彼女は」

「四月になれば彼女は」

「四月になれば彼女は」川村元気

ずっと気になっていた小説で、映画を先に観てから読んだ。
(改変がたくさんあったから映画が先で本当によかった笑。)

「愛」は捉えることのできないもので、不確定なもので、いつ壊れるのかわからない脆いもので。
それらを探してもがいている登場人物たちが、すごく人間味があるというか、読んでてもどかしい気持ちに何度もなったけれど、でも愛おしくて。
小さい頃憧れていたキラキラ

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「N/A」

「N/A」

「N/A」年森瑛

なんか、思春期と言えばそう片付けられるのかもしれない自分の中の葛藤やナイーブな気持ちをリアルに描いた作品だと感じた。主人公の心情が痛いほどわかった。もう少し年をとってから読み直したら、「ああ、こんな時期もあったな」と思えるのかもしれない。でも今の私にはダイレクトに刺さる小説だった。

本や映画、歌詞などでこんな素敵な人間関係が描かれる。私は昔からそういう関係に憧れていた。
でも

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「人生で大切なことは、すべて『書店』で買える。」

「人生で大切なことは、すべて『書店』で買える。」

「人生で大切なことは、すべて『書店』で買える。」千田琢哉

タイトルから共感しかなくて、内容も首がもげそうになるほど頷きながら読んでしまった。
私は小さい頃から絵本を手当たり次第に読んでいた。小学校に入ってからは休み時間は図書室にいることが多かったし、今でも片道1時間半の通学電車の中でひたすら本を読んでいるというくらいの本好きだ。
教科書や経験よりも本から学ぶことは多い。本当に。
この本を読んで、

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「一線の湖」

「一線の湖」

「一線の湖」砥上裕將

「線は、僕を描く」の続編。
この作品も、描写がひたすら美しくて読んでいて心が洗われるようだった。とくに第4章は本当に惹き込まれた。
前作もそうだったけれど、砥上さんは生きることの素晴らしさ、一瞬一瞬の輝きの美しさを伝えてくれる。やはり、何かに直向きに打ち込んでいる人間はかっこいい。私も彼らのように強かに生きていきたい。

やってみないと分からないことはたくさんある。
私はこ

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「植物少女」

「植物少女」

「植物少女」朝比奈秋

とても静かな物語なのにどこか重く、生々しい。不思議な感触だった。
植物状態の母とその娘の関係性もとても興味深い。
植物状態って言葉は知ってるけど具体的にどんなふうなのかは知らなかった。それをリアルに描写している。人間の生の尊さを感じられる小説だった。

生きるってなんだろう、とよく考える。
今までいろんな本を読んで考えてきたけれど、究極に言うと”呼吸する”ことが生きることに

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「歌われなかった海賊へ」

「歌われなかった海賊へ」

「歌われなかった海賊へ」逢坂冬馬

心揺さぶられて、ひりひりするような小説だった。描写にリアリティがあって、戦時中のドイツの世界に引き込まれた。
私はこの本を読むまでエーデルヴァイス海賊団という存在を知らなかった。自分よりも年下の少年少女がナチに対抗していたなんて…。歴史に残らない、学校でも習わない、でも実際にこの物語のような事実はきっと、たくさんあるのだろうなと思う。

めちゃくちゃ共感した。

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「彼女はひとり闇の中」

「彼女はひとり闇の中」

「彼女はひとり闇の中」天祢涼

叙述トリックに見事に騙された。結末には本当に驚いた。
ミステリとしてとても面白かったのだけれど、事件の背景に描かれた現代社会の問題について考えさせられた。

この部分がまるで自分に言われているようで衝撃的だった。

私は人に相談するよりも自分で物事を解決したいタイプだ。今まで自分の性格とか人生について悩むことはあっても、考えて、いいと思う方向に進んできた。嫌なことも

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「20代の生き方で人生は9割決まる!」

「20代の生き方で人生は9割決まる!」

「20代の生き方で人生は9割決まる!」金川顕教

私はあと数ヶ月で20歳になる。

充実した10年間にしたいなと思っていて。だから20代関係の本を色々読んでこれからの人生について考えたい。

まずは1冊目。

著者の方は20代で起業し成功を収め、生涯自由に暮らせるお金を稼いだ人だ。
その方の言葉は、少々暴論に聞こえるところもあったけれどすごく刺激的で、私もこんなふうに全力で何かに没頭したい、頑張っ

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「自分で『始めた』女たち」

「自分で『始めた』女たち」

「自分で『始めた』女たち」グレース・ボニー

自分でビジネスをしている女性たちがインタビュー形式で紹介されている。
彼女たちの言葉はどれも素敵で励まされるものばかり。

けれどそれよりも、それぞれのページに載っている彼女たちのカラー写真がとても印象的だった。全員の目に強い光と力があった。揺るぎない意志があらわれていた。
ファッションや仕事場の様子も、ひとりひとりこだわりが詰まっていて見ているだけで

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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」汐見夏衛

大好きな作家さんのひとり、汐見さんのデビュー作。ずっと読みたいと思っていて、やっと読めて満足!

私たちはたまたま平和な時代の日本に生きているに過ぎない。家族と離れ離れにもならず、食べるものに困ったことはない。学校で勉強もできる。SNSでいろいろな人と繋がれて、発信することもできる。
ましてや、空襲など命の危険に晒されることなんてない。

もち

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「線は、僕を描く」

「線は、僕を描く」

「線は、僕を描く」砥上裕將

まるで水墨画が見えるような描写だった。
直向きに水墨画を描く登場人物たちがとても美しく見えた。

芸術というものは、人間の心の内面を表したもの。
絵を描くことと楽器を弾くことはフィールドは違えど根本的には同じで、ピアノを弾いている私にとっても多くの気づきがあった。
(芸術系の小説を読んでいつも思うのだけど、どうして絵とか音楽とか目に見えないものを言葉にできるのだろう…

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「星を編む」

「星を編む」

「星を編む」凪良ゆう

「汝、星のごとく」の続編となる短編集。
最高によかった…!
やっぱり凪良さんの小説を読むと、人間って奥深いなと思うし、人の想いって複雑だなと感じる。
どの話もよかったけれど、最初の「春に翔ぶ」が一番好きだったな。

「汝、星のごとく」を読んでも思ったけど正しさって人によって全然違う。
自分にとっては正しくても相手にとってはそうでなかったり。
言葉にすると同じでも、意味や重み

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「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」村上春樹

初めて村上春樹の作品を読んだけれど、とても面白かった!
話は何だかよく分からなかったし結末もどういう意味なのか理解できなかったけど、ページをめくるたび異世界を覗いているような気持ちで楽しんで読めた。これが世に言う村上春樹ワールドか、と思った笑。
文体とか比喩の表現とかが独特で私はかなり好みだった。ハマりそう。おすすめあったら是非教えてくださ

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