テーマ発表！！

　第1回、第2回、第3回、第4回に引き続き、映画「ダイ・ハード」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ダイ・ハード」のストーリーなどについては、第1回、第2回、第3回の記事をご参照ください。

妄想開始！

嘉村　「ダイ・ハード」は、武装強盗団が占拠したビルの中に偶然居合わせた刑事が、孤軍奮闘するアクション作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは？」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう！

三葉　承知しました。

嘉村　前回ご紹介したのは、「『ダイ・ハード』 ～『ギャルJK』編～」、「『ダイ・ハード』 ～『中二病JK』編～」の2案でした。

三葉　ええ。いずれも学校を舞台にしたアイデアです。それに対して本記事では、学校以外を舞台にした「『ダイ・ハード』風物語」のアイデアを考えてみましょう。

嘉村　ふむ。

三葉　また、第2回の記事でご説明した通り、「ダイ・ハード」的な物語は世に溢れています。まったく新しいものを考えるのは難しいと思いますが……できる限りオリジナリティの高いアイデアをご紹介したいと思います。

嘉村　ふむふむ。

三葉　それではまずは、「ダイ・ハード」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。

三葉　……ですね（より詳しくは第1回の記事で）。

案③

嘉村　それでは「案③」にまいりましょう！

三葉　「案③」は、「『ダイ・ハード』 ～『江戸の城』編～」です。

嘉村　江戸の城！

三葉　ええ。まずは、「ダイ・ハード」との比較表をご覧ください。

三葉　ご覧の通り、「江戸時代の城を舞台とした『ダイ・ハード』」。第2回の記事でご紹介した言葉を使えば「"Die Hard" on a Japanese castle in Edo era」です。

嘉村　なるほど。

三葉　ストーリーはこんな具合です。……ある日、○○城で世継ぎが生まれた。じつにめでたいことである。殿（大名）は家臣を集め、誕生パーティを開催する。そのイベントの1つとして、城内で相撲大会が開催されたのです。

嘉村　ふむ。

三葉　そんな中……突如忍者軍団の襲撃！虚を突かれた殿や家臣、そして相撲大会に参加すべく集まっていた力士らはあっという間に縄で縛られ、人質に取られてしまう。……偶然トイレへ行っていた主人公の力士を除いては。

嘉村　ふむふむ。

三葉　かくして主人公は、「ダイ・ハード」のマクレーン風に孤軍奮闘することになるのですが……「主人公が力士ならではの奮闘エピソード」を盛り込むことで、「ダイ・ハード」とはまた違うユニークな物語に仕上げていきましょう！

嘉村　ほぉ。例えばどんな具合に？

三葉　そうですね。例えば……「ダイ・ハード」のマクレーンは、非常階段や排気ダクト、エレベーターシャフトに潜み、隙を見て強盗団と渡り合います。「案③」の主人公も同様に、天井裏や軒下、隠し部屋などに潜もうとするのですが……なにしろ力士ですからね。デカくて重い。なかなか上手くいきません。

嘉村　ははぁ……。

三葉　また、敵は忍者、こちらは力士。どうしたって俊敏性では敵に分があります。一方、主人公にはそれを補って余りあるパワーがある。したがって、敵と遭遇した主人公は……ピョンピョン飛び回る忍者をじっと睨みつける。そして、一瞬の隙を突いて強烈な張り手をかます！その一撃で敵は吹き飛び、時には骨が折れ、時には壁にめり込む。

嘉村　なるほど。

三葉　あるいは、天守閣での最後の戦いはこんな具合でしょうか。……敵は忍者軍団の首領です。強い。じつに強い。主人公はジリジリと押され、窓際に追いつめられる。もう逃げ場がない。このままでは、屋根を滑落して転落死だ。全身打撲でお陀仏だ。嗚呼、主人公はどうなってしまうのか！……一瞬の沈黙の後、首領が飛びかかる。とどめを刺す気だ。しかし……しかし！主人公はこの時を待っていた！彼は首領の頭越しにベルトを掴み、そのまま後方にうっちゃりをかます！首領は宇宙速度を上回るスピードでぶっ飛んでいく。……そう、逆転の波離間投げが極まったのだ！！

※波離間投げ：相撲の決まり手のひとつ。一部界隈では、「ツッパリくんvs関取マン」（アニメ「てーきゅう」第7期のOP曲）の歌詞に登場することでも知られている。

※以下は、著作権者による公式動画です。

三葉　また、このアイデアを小説やマンガにする時には、ぜひ大相撲の実況風に描写したいですね。

嘉村　実況風？

三葉　ええ。「主人公が、グイと敵と睨み付ける。敵も負けず劣らず厳しい目つきだ。2人の視線がぶつかり合って火花が散る。待ったなし！両者見合って見合って……はっきょい、残った、残った！」とか。

嘉村　ふむふむ。

三葉　あるいは、「激しい立ち上がりだ！……無双だ！無双を切るんだ、○○！」とか。

嘉村　「あしたのジョー」の名ゼリフ「立つんだ、ジョー！」みたいですね。

三葉　さらにまた、「○○、寄る、寄る……がぶり寄りだ！双葉山か、はたまた荒勢か！怒涛のがぶり寄りだ！！」とか。

※【余談】大相撲風：アニメ「苺ましまろ」の第11話に、主人公らが集まり、紙相撲をするエピソードがある。この時、ヒートアップしたアナちゃんが「ダメですわ！寄りですわ！怒涛のがぶりですわー！！」と叫んだり、また、試合後に勝因を問われて「えっと、やっぱり立ち会いの張り差しから右四つに受け止められたのが大きかったかと」と冷静に分析したりするのですが……これが驚くほど面白い！未見の方はぜひ。

嘉村　なるほど。

三葉　とまぁ、そんな具合ですが……いかがでしょう。なかなかどうしてオリジナリティの高い物語になりそうですよね！

案④

嘉村　続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉　はい。「案④」は、「『ダイ・ハード』 ～『ヤクザ』編～」です。

嘉村　ヤクザ！

三葉　ええ。「ダイ・ハード」と比べるとこんな具合。

嘉村　なるほど。「ヤクザの親分宅を舞台にした『ダイ・ハード』」ですね。

三葉　ええ。第2回でご紹介した言葉を使うと、「"Die Hard" on a Yakuza boss"s house」。

嘉村　ふむふむ。そして主人公は……。

三葉　「ピザの宅配員」です。

嘉村　ほぉ！

三葉　組員の1人を主人公にしてもよかったのですが……それでは意外性を欠くかなと思いまして。だってホラ、ヤクザが拳銃やドスを手に敵と戦うって、普通ですよね。

嘉村　まぁ、確かに。

三葉　そこで！「ちょうどピザの宅配に来ていた配達員のお兄ちゃんが事件に巻き込まれる」ことにしようかなと。

嘉村　ふむふむ。

三葉　彼はヤクザではない。一般市民です。当然、銃なんて扱えない。ドスを持つだけで恐ろしい。そんな彼がオドオドビクビクしながら、生き延びるために孤軍奮闘する物語……この方が面白くなりそうでしょ！

嘉村　ふむ。

三葉　以上、「『ダイ・ハード』風物語」のアイデアをご紹介しました！

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　「ダイ・ハード」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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　最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

（担当：三葉）