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「呆然自失の女性教師」と「思春期真っただ中の中二病JC」が学園の謎に挑む物語!!|『リーサル・ウェポン』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「リーサル・ウェポン」をベースに新しい物語を妄想します。

※「リーサル・ウェポン」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「リーサル・ウェポン」は、人生に絶望した2人の刑事が事件を通じて交流し、名コンビ(バディ)となる様を描いたアクション作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『娘の結婚を前に落ち込んでいる中年刑事』と、『恋人にフラれて絶望している青年刑事』のバディもの」、「『中年の危機を迎えたベテラン女性刑事』と、『恋人がクソ男だったと判明し、それ以来すっかり自暴自棄になっている若手女性刑事』のバディもの」の2案でした。

三葉 はい。

嘉村 そして今回は……。

三葉 「リーサル・ウェポン」も前回ご紹介した2案も「刑事2人組の物語」ですが……「リーサル・ウェポン」のストーリー構造は、「刑事もの」以外にも応用可能でしょう。

嘉村 ほぉ。

三葉 ということで今回は、「『リーサル・ウェポン』風物語(学園ミステリ ver.)」のアイデアをご紹介します。

嘉村 学園ミステリ!

三葉 ええ。「学校(主に中学校、高校)を舞台に、生徒や教師が探偵役として活躍する物語」のことですね。有名なのは「氷菓」(「〈古典部〉シリーズ」)、あるいはホラー要素が強い作品として「Another」辺りでしょうか。


嘉村 なるほど。


案③


嘉村 それでは「案③」にまいりましょう!

三葉 「案③」は、「『教師という職業に絶望した中年高校教師』と、『家庭環境に難ありの不良生徒』のバディもの」です。


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嘉村 ほぉ!

三葉 詳細をご説明する前に、「リーサル・ウェポン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案③」ですが……まずは、「リーサル・ウェポン」との比較表をご覧ください。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。舞台は高校です。主人公は中年の男性教師で……彼は教師という職業に絶望していた!

嘉村 「教師という職業に絶望」……一体どういうことです?

三葉 ええ。ある日、彼は教え子に招かれ同窓会に参加しました。10年ぶりの再会です。何よりも自分を覚えていてくれたことが嬉しい!彼は大喜びで参加したのですが……同窓会が始まって間もなく、暗澹たる思いに駆られる。

嘉村 ほぉ……。

三葉 なぜなら、教え子たちが輝いて見えたから。ある者は、会社員としてバリバリ働いていた。別の者は結婚し、子育てに忙しいという。中には世間の荒波にもまれ悪戦苦闘している者もいるが、いずれにせよ、教え子は一様に前進していた。それに対して自分は……10年前と同じ場所にとどまっているではないか!10年前は黒板の前に立っていた。いまも立っている。10年後もきっとそうだろう。「オレの人生は一体……」。彼は絶望した!

嘉村 なるほど。

三葉 続いて、彼の相棒となる男子高校生をご紹介しましょう。……彼もまた人生に絶望していた!

嘉村 ふむ。

三葉 原因は家庭環境です。何でもいいのですが……そうですね。実家が寿司屋で「お前が跡取りだ!修行しろ!」と強要されているとか、母が極めて若く、しかもかなりの天然だとか……。

嘉村 「テニスの王子様」のタカさん(河村隆)、あるいは阿久津みたいですね。


三葉 かくして彼は不良になった。世を拗ね、グレている。

嘉村 ふむ。

三葉 そんな2人が校内で発生したトラブルを解決すべく奮闘。次第に絆を深め、やがて名コンビとなる。そして絶望を脱するに至る……これが「案③」です。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『自分がいつの間にか婚期を逃していたことに気づき、呆然自失の女性教師』と、『思春期真っただ中の中二病JC』のバディもの」です。


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三葉 「リーサル・ウェポン」と比較すると、以下のようになります。


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三葉 ストーリーをご説明しましょう。舞台は中学校。主人公は女性教師です。年齢は35歳。そして彼女は……人生に絶望していた!

嘉村 ふむ。

三葉 35歳である!いつの間にやらアラサーを通り越し、いまやアラフォー!生涯独身を貫く人が増えているとはいえ……彼女は結婚したかった!いや、「結婚しない人生」を想定していなかった。当然結婚するものと思っていた。25歳を過ぎた辺りから友人の結婚ラッシュが始まり、「えー!もう結婚!?早くない?」なんて思っている内に30歳を過ぎ、気づけば35歳。彼女は絶望……というか呆然自失としていた。最早合コンの誘いは皆無。両親も結婚の話をしなくなった。そういえば最近教師同士の飲み会で色恋の話が出ないと思っていたが……アレか。みんなが恋愛やら性愛やらに関心を失ったのではなくて、あるいはセクハラやらパワハラやらに配慮しているのではなくて……私に遠慮していたのか!そうかぁ、私、みんなに気を使わせてたのか……チクショウ!とまぁ、そんな具合ですね。

嘉村 ふーむ……。

三葉 一方、彼女の相棒となる女子中学生も生きることに苦労していた。なぜならば、思春期だから!

嘉村 ふむふむ。

三葉 思春期。すなわち……親や教師に対する不信感。将来についての漠然とした不安。友人関係の悩み。さらに、理由のわからぬイライラ。そして、後々黒歴史と化すこと必定の妄想!……彼女は面白きこともなき現実にうんざりして、妄想の世界にどっぷりと浸っていた。妄想は脳内だけでは収まりきらず、その言動にも影響を及ぼす。つまり、眼帯、カラコン、ゴスロリ風のファッション、そして「邪王が云々」「生贄が云々」といった訳のわからぬセリフ……まさに中二病!

嘉村 なるほど。小鳥遊六花とか羽瀬川小鳩とか、あのタイプですね。


三葉 つまり、「自分が行き遅れていたことに気づき、呆然自失としている女性教師」と、「思春期真っただ中の中二病JC」がタッグを組み、学園内のトラブルを解決すべく奮闘する。そして2人は絆を深め、名コンビとなり、やがて絶望を脱する……これが「案④」のアイデアです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、『リーサル・ウェポン』風物語(学園ミステリ ver.)」のアイデアをご紹介しました!


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 「リーサル・ウェポン」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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