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最近作った食べ物。ドイツ生活のぼやき - 10

ドイツに暮らしながら、ほぼ日本料理かイタリア料理、あるいは日本風味の中国料理しか食べない我が家。最近作ったものを紹介します。

明日のゼミのために読まなけれなならない文献がまだ残っているにもかかわらず、あるいはだからこその、現実逃避の執筆です。


ハムカツ

ドイツ語圏には(もしかしたら、ヨーロッパ中に?)、カッセラー(Kasseler)という燻製された豚肉があって、だいたい焼いたり煮込んだりして食べるそうなのですが、これを半分くらいにの厚さに切って焼いてみたら、なんとハムカツの原石のような味を感じました。

↓こちらがカッセラーについてのウィキペディアサイト。

いつだかの記事にも書いた通り、高校進学とともに上京して、ひとり暮らし歴はそこそこあったわたしですが、おっちょこちょいな末娘を心配する家族から「揚げ物はしないで」と言われたまま大人になってしまい、どうやってフライや天ぷらを作るのか、いまいち分かっていませんでした。

が、大好きなハムカツの片鱗を感じてから、これはもう作らずにはいられないということで、急いでアジアスーパーに赴いて「PANKO」を買ってきました(パン粉が必要なことは、知識として知っていました)。

そうして、レタスクラブというサイトの「基本のハムカツの作り方」といったようなページを参考に、飛び跳ねる油にびくつきながら頑張った結果がこちら。

初めてのハムカツ


カッセラーは塩漬けされた豚肉の燻製なので、塩味もしっかり効いていて、う~ん!これはしっかりハムカツ!

からしや日本のウスターソースは持っていなかったので、しょうがチューブや醤油、レモン汁やマヨネーズ、西洋の粒マスタードなどで味の変化も楽しみました。

我が家では特別に美味しく、かつ手間があまりかからない再現性のあるレシピを印刷してファイルしているのですが、すぐに「基本のハムカツ」も仲間入りしました。油の飛び跳ねや、部屋が揚げ物の香りになってしまうことを除けば、簡単で美味しいお料理です。しかも余ったバッター液で、オニオンリングまで作れてしまったのですから、もう揚げ物サイコーです。


とある日のお弁当

この「とある日」は、わたしも夫も仕事や大学の講義に出かけなければならなかったので、早起きして二人分のお弁当を作りました。

ちなみにお弁当箱はこちらの「ライスボーイ」色違いを使っています。食いしん坊だから大容量が良かったし、単に安いという理由で、日本で学部生をしている頃に赤いのを自分用に買ったのですが、長持ちしているし使い勝手も良かったので、前回帰省した際に夫の分の青いお弁当箱も買ったのでした。

楽天のサイトから


さて、眠い目をこすりながら作ったお弁当がこちらです。

ドイツに住んでいるとは思えない日本っぽさを目指した結果のお弁当

毎週第一土曜日は全品10%オフになるアジアスーパーがあり、そこで仕入れた日本ハムの冷凍から揚げを使いました。ちょっと高いように思うのですが、大人1人~2人で暮らしているなら、自分で作るよりむしろ安いかも、という値段でした(一袋9ユーロほど)。

お野菜類は、小松菜を炒めたものとトマト、そしてもやしを炒めたものです。日本にいれば、普通の地味なお弁当の登場人物という風に見えるかもしれませんが、ドイツのスーパーには小松菜ももやしもないことが多いのです。最近は置いているところも増えてきたかもしれませんけど、買う人が少ない商品という扱いなので、ちょっと高かったりで……。

こちらの小松菜は小ぶりのものが3~4個入って1.5~2ユーロ弱だったと思います。もやしは大きめの薄っぺらいビニール袋にドンと入ったのが、量り売りで1~2ユーロほどでした。トマトはさすがにドイツにも売っているので、「普通に買ったトマト」です。

から揚げの横にあるのは見ての通り玉子焼きですが、中にはなんとカニカマが入っています。カニカマは、実はドイツの大手スーパーで簡単に手に入れることができます。ちょっとかじってみると、魚肉ソーセージっぽい味がしますが、日本でカニカマをあまり食べたことがないので、日本のカニカマも魚肉ソーセージの味がするのか、それともドイツのカニカマだけなのか、いまいち分かっていません。

こちらの写真のカニカマを使いました。ドイツでは「Surimi(ズリミ/スリミ)」という名で売られているようです。

Surimi (スリミ)という名で売られるカニカマもどき

ちょっと赤さが日本の製品よりもろに人工的で、一瞬ためらいが生まれましたが、香りも味も「見知った感じ」だったので、細く切って溶き卵に混ぜて玉子焼きにしました。たぶん日本のカニカマは手で割けるんじゃないかと思うのですが、こちらの商品は手で割くのは難しいテクスチャーでした。

最後にごはんですが、こちらは電気圧力鍋で炊いています。お米は「シノデ」なのか「ヒノデ」なのかいまいちわからないサムライ付きパッケージの、イタリア産日本米を使っています。結構おいしいのに比較的お買い得で、ドイツ在住の方にはおすすめです。

アルファベットで「Shinode」と検索したら出てくるはずですが、日本語で「日の出」とも書かれているので、呼び名に悩む商品です。物価が上がる前は「ゆめにしき」というピンク色のパッケージのお米を買っていました。味は値段に比例するのでしょうか。もっと美味しいです。

ごはんの上にはアジアスーパーで買った白ごまを、日本で買ってきたごますり機で擂ったものと岩塩をかけたので、ごま塩ごはんです。

この懐かしいごますり機、スリッキーというそうです。

祖母が使っていたのを思い出して、一時帰国中に見つけたときは、ちょっと高かったのにすぐに買ってしまったんですよね。思い出の断片が頭の中を通り過ぎていくのを感じながら、くるくると回すのが楽しいのです。

でも上記のサイトを見てみたら300円台……?わたしは1000円くらい払ったはずなので、ちょっと多めに誰かのお財布を温めたようです。

あとがき

今日はここまで。まだ読まなければならない文献が……。

明日のゼミは文献学(フィロロジー)とデジタル・ヒューマニティーズが合わさった「デジタル・エディション」に関するものです。面白いし興味があるからこそ頑張れるのですが、だからといって簡単なわけではないので、苦労します。ん~!今晩も美味しいものを食べて頑張ります!

タイトルの写真は借りたものですが、色合いが優しくていいですね。上下黒の部屋着も、日々の営みのひとかけらという感じで好きです。わたしもこんな絵が描けるようになりたいなあ。


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