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【小説】40才のラブレター(完了)

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40歳になる日に、学生時代に思いを遂げられなかった女の子に、自分の気持ちの昔と今を手紙にします。1990年代の学生。どこにも行きつかない思いだと思っていたけれど、東京の片隅、日の… もっと読む
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【小説】40歳のラブレター(8)札幌

 僕の大学5年生の秋の最後のラグビーの試合の時も、朝は一緒に車に乗って武蔵野にある大学の…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(7)憧憬

 僕が無事に留年して大学5年生になり、あなたが3年生になった時に、1年生として新しく入っ…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(6)江ノ島

 この秋の10月に僕は一人で江ノ島に出かけました。早朝に家を出て、府中街道をくだり川崎市…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(5)告白

 南関東の9月の半ばはまだしっかりと夏で、僕はあなたに電話して、話があるので今から行って…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(4)菅平

 僕の気持ちが大きく大きく揺れたのは僕が大学4年、あなたが2年の夏の菅平での合宿だと思いま…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(3)「葛藤」

 だから、僕があなたに好意を持つようになったのは、結局のところ成り行きで、サークルにあな…

Inokichi
3年前
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【小説】40歳のラブレター(2)「新歓」

 あなたに初めて会ったのは僕が大学3年生の時で、あなたたちが僕たちのラグビーサークルのマネージャーとして新入生歓迎会に来た時だったと思います。  高田馬場の駅前すぐの、大きくて汚くて、食べ物はひどい味のする、天井が壊れていて、同じようなサークルで占拠されている居酒屋で。そこはその前もその後もよく使いましたが、食べ物がどんなものだったか、ビールと日本酒以外にどんな飲み物があったのか、そしてだいたいいくら払っているのかすら僕は知らないです。結局知らないまま卒業しました。何故なら

【小説】40歳のラブレター(1)「手紙」

 今日は風の強い1月の夕方で、僕は会社のパソコンの前に座っています。でも、パソコンはスリ…

Inokichi
3年前
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