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「自律した18歳」の育成に必要な3ステップ

私の勤めている学校では、学校の教育理念として、
「自律した18歳」になること
を掲げている。

私の中では「自律」というのは、自ら判断し、考え、行動に移すことができる状態であると考えている。
また、そのような生徒になって無事に卒業してもらいたいととても強く思う。

しかしながら、「自律」というものはいきなり目指すと様々な壁にぶち当たる。
例えば、自分に与えられている「自由」をはき違えてしまったり
どのような基準で物事を考えなければならないか、自分の中の基準がブレてしまっていたり

そのような様子をよく見かける。

その中で私なりに「自律した18歳」になるまでのステップを考えてみた。

  1. 他律

  2. 規律

  3. 自律

この三つのステップこそ、一人一人が自律していくことに必要なものなのではないかと考える。

1.他律について
他律というものは、赤ちゃんが生まれた時から知っているものである。
と、そんな美味しい話があるわけが無い笑

様々な環境の中で、周りの人に教えられて、これは守らなければならないことだと多くの場合自然と身についていくルールである。
そのため、環境がガラッと変わった時には、大きな化学反応を起こすことがある。
トランプの大貧民で知っているローカルルールが違いすぎて、カルチャーショックを受ける、そんな時と似ている。

新しい環境に入れば新しい他律が必要とされる。
今までは厳しく言われなかったことに対してガミガミ言われるようになるかもしれないし、
今まで厳しく守るように言われていたものから一気に解き放たれる可能性もある。

環境に合った他律を守り、その環境に順応していくためにはまず他律を周りの人から学ぶ必要があるのだ。
それが例え教員による「お叱り」であっても、その生徒にとってはその環境の他律を守り、環境に適合していくために必要な教育になりうる。
(体罰などで教え込ませる方法は私の中では論外なのでその点はご承知いただきたい)

2.規律
規律は社会の勉強が必要になる。
社会を一番手っ取り早く丁寧に勉強するにはやはり社会の一員となり、学校や寺子屋、学童やフリースクールなどの場所で授業を受けたり、実際に活動を行ったりすることが必要である。

辞書には、
社会生活・集団生活を行うための行為の基準。 一定の秩序。 規律ある行動。

と書かれている通り、この日本という社会で、そして地球市民の一人として生きていく上で知っていなければならない、守らなければならない善悪の判断の基準のことである。
つまりこれらは、ローカルルールなどの他律があることを知り、その上で法的に遵守しなくてはならない物事を理解するという面で、生徒にとっての大きな二つ目の砦となるだろう。

3.自律
やっとここでやってくるのが、みなさんお待ちかね、「自律」である。

「自律」できる人とは、自ら判断し、考え、行動できる人であると最初に書いた。
その通り、他律、規律から判断し、考え、最終的に行動に移すことのできる人間こそ、「自律した人間」と言えるのではないだろうか。

そのためにはやはりその環境で必要とされている行動、言動などをある程度教える、伝える必要があるのではないだろうか。
何かを伝えること、教えることが「悪」であるとされがちな今の時代に私は警鐘を鳴らしたい。

何も生徒だけで0から考えさせる必要はない。
この学校にはこういう決まりがある→法律的にはこうだ→では、自分たちはどう考える?これは果たして守るべき決まりだろうか?
などと論を展開すれば良い。

教えるべきことには根拠が必要だ。
根拠がないならその根拠を生徒と探ればいい。
そしてその根拠にみんなで納得いかなければ、やめればいい。

それは生徒会の生徒や代議員、学級委員だけの仕事ではない。
全員が当事者意識を持って取り組むべき課題なのだ。

0から考えるために消費するエネルギー量は低学年であればあるほど高い。
それに付け加え、沈黙、話しづらい雰囲気、それら全てを加味すると大変だ。
スタバのあのキャラメルフラペチーノにホイップ多めでキャラメルソース増量、チョコソースも追加でシロップも多め、とでも言おうか。
そんなハイカロリーな食べ物を一瞬で消費してしまうようなものだろう。

つまるところ、「自律」にはステップがあり、それぞれのステップを下手に飛ばしてしまうと、「自ら考える」という部分だけが発達してしまい、何を基準に考えるかというところを見失いがちになるということに気づくことができた。

そのため、他律・規律を生徒同士が教え合い、学び合うこと
先生がその場でバシッと指導をすることで伝わる他律・規律
それぞれのいい塩梅こそが「自律した18歳」を完成させるために必要だということだ。

月曜日からいい発見ができた。
今週も一週間ぶっかましていきましょうぞ!!

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