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IMMERSIVE SOCIETY 3.0 - 目次
今のエイベックスは、レコードメーカー(モノづくり会社)ではなく、エンタテインメント体験創出(トキづくり)企業です。
私たちは、昔から売るモノには拘って来ませんでした。音源販売が、CDという物流から定額制のストリーミングサービスという非物質的(デジタル)流通に変遷しようと、ライヴ興行の決済証明媒体が、紙のチケットからデジタルIDに変わろうとも、我々が創るべきは昔から素晴らしい音楽とそれにまつわる体
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私たち音楽業界は、いつも、
ライヴハウスやクラブに助けられてきました。
新人を見付つける時。
イベントをやる時。
弊社のアーティストがツアーをする時、
ライブハウスやクラブが無いなんて
想像するだけで、絶望的な状況です。
そんなライヴハウスやクラブが、
今、この時に最も苦しんでいます。
コロナが終息してから手を差し伸べても、
握り返してくる手は無いかも知れません。
ライブハウスやクラブは
三密の正体 / FOR-GET:得る為に忘れる
(2020年4月20日に書いたものです)
もちろん今は、他の人々のためにも自分やその家族のためにも、 可能な限り外出自粛を徹底し、移動を控えるのは大前提の上で。
新型コロナウィルスが終息した後、謂れのない風評に晒されるのは誰か?
小さな無関心が集まって生まれる大きな流れの犠牲になるのは、何処か?
つまり、被害者なのに悪者扱いをされるのは、どんな人々や場所なのか?
風評のテーマとなる「三密」と
2−1 音源流通ビジネスが縮小する3つのファクター
❶ 画商は、ピカソの絵画が贋作であれば、それがどれだけ精巧なスーパーコピーだとしても、価値を著しく下げるしかない。一方、レコードメーカーの商品は、コピーでも価値は下がらず、むしろコピーを本物として売っている。しかも、どんな天才アーティストの音源でも、ピカソの絵画の贋作をつくるよりも遥かに容易にスーパーコピーをつくれてしまう。本や新聞も同じくで、作家の手書きの原稿を百億円で売る文化は一般的ではない。
もっとみる1−3 成長カーブを下る時にこそ空を見上げる
なぜ、エイベックスが世界に先駆けてインタラクティヴな映像作品や、アバターを用いたAR LIVEや、YKBX氏の提案で世界初のオキュラスリフトVRによるミュージックビデオをつくったのか?
そこに理論的な理由はありませんでした。あえて言うなら、新しいものが好きとか、何となく時代の大きな流れに身を任せただけで、そこに新たな発想力があった訳ではありません。要は、勘や直感の類による結果論に過ぎません。
1−2 既に起こった未来
この世界の未来を正確に予測することなど、誰にも、当然、私たちにもできませんが、音楽業界の "今" の一部は、他の業界の一部にとっての "未来" かも知れないと思うことが多々あります。
よく使うのは、今の音楽業界は「どこでもドアが普及した時代の鉄道会社」という例えです。
鉄道業界をはじめ他業種にとっての未来は、音楽業界からすれば「経験済みの過去」である場合があります。つまり「既に起こった未来」と
1−1 「脆い」の正反意語
音楽業界は、グーテンベルクの活版印刷技術発明によって始まった楽譜の複製販売を起点とし、テクノロジーと共に進化して来ました。
今では全く信じられませんが、たった十五年ほど前の二十一世紀の音楽業界にあっても、新たな高音質メディア(例えば Super Audio CD や DVD Audioなど)が普及すれば音楽市場は活性化するという神話が信仰されていました。
テクノロジーが生むのは『高音質なモノ』